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本編
19※
しおりを挟む王城の外れの離宮に帰り着いた。
帰るや否や部屋に連れて行かれ、ベッドに横たえられる。
彼が汗と土にまみれたドレスを、私の肩から滑り落とす。
「ま、待ってください、陛下! お風呂に入ってません! 汗臭いです!」
「別にそんなの俺も一緒だよ。なあ、あの頭のおかしな宰相におかしなことはされなかったかな? 俺の子ウサギちゃんは」
服を脱ぎ捨てた陛下からは、いつもの爽やかな香りしかしない。
彼が器用に私の衣服を全てはいだ。
「はい、この通り大丈夫ですから! ちょっと抱きしめられた時は、びっくりしましたけれど」
「抱きしめられたぁ?」
「はい! だけど、すぐに頭突きをして逃げ出しましたから! ――って、きゃあっ……!」
彼が胸の谷間に顔を埋めてくる。
すると、ぺろりと肌をなめてきた。
「んんっ……」
「抱きしめられたとか、すごく不快だなぁ……俺が全部上塗りしてやるからさぁ」
そう言うと、彼は犬というか狼よろしく、私の肌を舐めたり甘噛みしてきたりする。
「ひゃあっ……んっ……んっ……」
初夜の時のように、丹念に肌の上を彼の唇が移動していった。
「あっ……んっ……んっ……」
長い長い時間をかけて口づけられた頃には、身体が火照りきっている。
そうして、彼が私の身体の上を覆った。
そのまま彼が、ぐちゅぐちゅに濡れてしまった蜜池に指を差しいれる。
「ひゃんっ……!」
「ということで、正妃になったわけだ。これで最後まで心置きなく堪能できる」
「え? ひゃっ、あっ……んっ……そんな、かき回さないでっ……あっ……最後までってどういう意味……ですか? ああっ……毎日やってるので、夜伽はっ……終わりじゃ……ないんですか? んんっ……」
「え? あれで終わりだと思ってたの? まあ、そうかなって思ってたけど――今日が痛いのの本番だよ」
彼が黒髪をかき上げながら、ため息をついた。
かと思えば、彼の巨大な熱塊が蜜口の上に乗っかってくる。
(呆れられている……! 確かにずっと痛くなかったけど……!)
「ひゃんっ……! ねえ、待ってください! んっ……」
「どうした?」
でも聞かずにはいられない。
「陛下は――私のことが好きなんですか?」
「はあ?」
ますます呆れた様子で彼が続けた。
少しだけ照れているのが伝わってくる。
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