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後日談 二度目の再会、最愛のはじまり

後日談 紅いのか、白いのか

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 帝国の皇子となって生まれ変わってきたシグリードことシグルドとシルフォード王国王女ティナ・シルフォードが運命の再会を果たした後のこと。
 元々魔王城が隠されていた場所は現存していたため、そちらに移ってしばらくの間、婚約者二人で過ごすことになった。

 現在、二人は城のバルコニーに出て、星空を眺めていた。

「またこんな風にシグリード様と星空を見ることができるなんて、幸せです……あ、今の名前はシグルド様でしたね」

「俺もそんなに慣れてねえから、昔のままシグリードで良いよ」

 ティナの隣に立つシグリードがふわりとほほ笑んだ。
 冷たい夜風が彼の紅くなった髪をサラサラと揺らす。

「じゃあ、シグリード様……なんだか、昔の……私がクリスティナだった頃のシグリード様に戻ったみたいですね」

「ああ、そう言われたらそうかもしれねえな……お前もクリスティナみたいに金髪に戻っちまってるし……」

「そうですよね……あっ……んっ……」

 会話の途中、ティナの眼前に影が差したかと思うと、小さな唇に柔らかなもの――シグリードの唇が触れてくる。そのまま地厚い舌がねじ込んできて、ティナの桜色の唇の中をくちゅくちゅと犯し始めた。

「ふあっ……あっ……」

「ティナ……愛している……」

 蕩けるような舌遣いによって、ティナの瞳がとろりとしてくる。
 舌同士を絡ませあっていると、頬が真っ赤に蒸気して、全身が茹だっていくようだ。
 そのまま体同士を絡ませあうと、長身痩躯のシグリードによって、バルコニーの壁へとティナの華奢な体は磔にされてしまった。
 しばらく激しい口づけを交し合った後に、唇が離れる。ツーっと唇同士の間に、愛し合った銀糸が掛かった。
 それを手の甲でぬぐうシグリードの髪を見た、ティナは思わず声を上げる。

「あ……シグリード様……髪が……」

「あ? なんだ?」

「紅かったのが、白くなって……」

「はあ? どういうことだよ」

 彼がそっと自身の手に髪をやる。

「って、マジかよ……ん? そういやあ、ティナの髪もローズゴールドに戻ってるな」

「え?」

 彼女も自身の髪の房をとる。

「本当です……どういうことでしょうか?」

「ああ、ほら、元々だ、俺の髪が白くなっちまったのは、前世のお前に心臓託したら血が抜けたせいだろう?」

「え?」

(そうだったの……?)

 疑問に思いながらも、シグリードの言葉を聞く。

「それでだ、ティナは、金髪だったクリスティナの髪に俺の血の色が入ったローズゴールドの髪に生まれ変わったわけだから……まあ、今回は逆のことが起きてるってとこか?」

「逆のこと、ですか?」

「ああ……この間までの影響か、俺たちは口づ合うと自然に魔力の交換しちまうみたいだな」

「じゃあ、これからも、お互いに髪の色が変わったりするということでしょうか?」

「その可能性はあるだろうな……まあ、元々竜と巫女の関係だったわけだが……俺が帝国の皇子の器に魂入れても、まあ、邪竜の俺は邪竜のままだし、そういうことだろう」

(なんだか分かるような、わからないような……)

 すると、ふわりと彼のたくましい腕がティナの華奢な体を抱きしめてくる。
 彼女の眼前には、彼の引き締まった胸板がある。
 彼特有の爽やかな香りが鼻腔をついてきた。
 しばらく抱きしめられていると、彼の熱が伝わってきて、ますますティナの体は火照ってしまった。

「ティナ……」

 彼の大きな手が彼女の背を優しく擦りはじめてきたので、ティナは思わずピクンと体を反応させてしまう。

「あ……シグリード様……」

 夜の冷たい風に嬲られているはずなのに、二人の温度はどんどん高まっていく。
 優美な長い指とは裏腹に、荒々しい手つきで、彼は彼女の体をいじった。

「ふあっ……あっ、シグリード様っ、ふあっ……あっ……」

 甘ったるい矯声をティナが上げる。
 ドレスの中に入り込んだ手が、彼女の太ももを何度か擦った後、双つの柔肉を掴み揉みしだく。

「ふあっ、あっ、シグリードっ……様っ……あっ、そんな、触ったらっ……声が聞こえてっ……」

「聞こえたところで、俺の配下達だ……今まで通り黙って見てるだろうよ……」

「黙って……」

 とろんとした表情で、ティナはシグリードを見上げた。

(そういわれたら、クリスティナ姫の欠片が具現していた時に、靄みたいなものたちの前で……)

 思い出したら、ますます体がかあっと火照ってくるではないか。
 そうこうしていると、彼の両手が器用に彼女の下着の紐をしゅるりとほどいた。
 そうして露わになった恥部に、彼の長い指が侵入する。ぬるりとした蜜池の中に潜む口を探し当てようと蠢く。ティナの体はビクビクと震えた。

「あっ……ダメっ……ですっ……やっぱりっ……」

「まあ、場所はあんまり気にするな…………ティナ……ほら、もっと脚開け……いや、もう自分じゃ開けねえか……俺がお前の両脚持ってやるから、お前は俺にしがみついてろ……」

「ふあっ……」

 近くで魔族たちが自分たちの声を聴いているのかもしれないと思うと、ティナは羞恥でおかしくなりそうだった。
 だけど、愛しい彼の言うことをどうしても聞いてしまったティナは、彼の太い首にしがみついた。
 シグリードが下衣をくつろげた後、ティナは両脚を持ち上げられ、バルコニーを背に宙に浮いているかのような格好になってしまう。
 あらわになった秘所は紅く膨張し、蜜口がひくひくと愛しい男の欲望の猛りを求めていた。

「あ……恥ずかしいので……そんなにまじまじと見ないで……ほしい……」

「仕方ねえだろう……キレイなんだから……ああ、今すぐにでもお前の奥深くに入り込みてえ……もう少し脚、開いていいか?」

 取り出されたシグリードの肉杭は膨張し硬くそそりたっていた。
 彼が何度か深呼吸を繰り返す。獣のように荒ぶる衝動を、必死に抑え込んでいるのだろう。
 まるで狙いすました猛禽類かのように、鋭い蒼い瞳には熱情が宿って見える。

「は……い。どうか……シグリード様……」

 巫女本来の役割とも言えよう。
 猛る彼を鎮めるべく、ティナはシグリードの肉棹を自身の体の中へと誘い込んだ。
 一気に貫かれ、艶を孕んだ小さな悲鳴を上げる。

「ふあっ……ああっ……んっ……!」

「ああ、……ティナ……お前の中は暖かいな……もっとお前の中にもぐりこみたい……」

「ああっ……!」

 花弁の部分に彼の肌が張り付いてくる。
 彼が腰を動かすと、肉棒によって隘路の中が抉られていく。
 ずちゅずちゅと、いつも以上に奥深くを抉られ、ティナはたまらず声を上げる。

「あっ、ん……あ、んっ………」

「数月離れてただけだってのに……もう我慢が効かねえ、情けねえな……突いて良いか?」

 ティナがこくこくと頷くと、シグリードが腰を揺さぶり始めた。

「ふあっ、あっ、あっ……」

 彼女の胎の中心目掛けて、熱杭が何度も何度も打ち付けられる。
 彼女の細い両脚が振り子のようにガクガクと揺れ動いた。
 肉壁が肉壁にこすり上げられ、じゅぶじゅぶと水音が立ち込める。

 ぼんやりする意識の中、ティナはシグリードの体力について思った……。

(数年間仮死状態だった帝国の皇子の体のはずなのに、そんなことありえないぐらい、すごく逞しくて……私を両手で抱えたまま動けるなんて、元々のシグリード様以上に、体がお強いような……)

 だけど、考える余裕はなくなってくる。
 彼の腰の揺さぶりが激しくなり、水音も激化する。
 ティナの中を何度も快楽が駆け、どんどん高みに上らされていく。

「あふっ、あっ、はっ、あっ……あっ、あっ……シグリード様っ、これ以上は、もうっ……」

「俺も限界だ……ティナ……一緒に達ってくれ……」

 彼の肉棒が律動をはじめる。
 圧倒的な存在感に、押し広げられたままの蜜口からはあられんばかりの蜜があふれ出す。
 ティナはシグリードの首にある限りの力でしがみついた。
 ぱちゅんと激しくぶつかられ、湿った肌同士が高い音を鳴らす。

「ふあっ、シグリード様っ……ああっ、ああっ……――!」

「ティナっ……っ……」

 そうして、獣のように彼がぶるりと震えると、欲望から大量の熱い精がびゅくびゅくと吐き出された。肉壁が肉棒を激しく締め付ける。すると、さらに何度も精を吐き出された。
 あまりにも熱い精に、ティナの体は内側からトロトロ溶けそうだ。臀部の柔肉を指が食い込むぐらい強く握られ、引き寄せられて、余すことなく精を注ぎ込まれる。
 彼に抱き寄せられると、とろりとした表情のままティナは抱き返した。
 何度か頬に口づけられ、彼女は幸せをかみしめていたのだが……。

「シグリード様?」

 何やらシグリードは憮然とした表情を浮かべている。

「どうなさったのでしょうか?」

「ん? ああ、久しぶりに会ったら、色々ちゃんとしてやろうと思ってたのに……お前見てたら盛っちまって、予定が台無しだなって……まあ、自業自得なんだが……」

 後頭部に手をあてて、やれやれとしているシグリードに向かって、ティナは微笑みかけた。

「そういえば、髪の色、シグリード様は白のままで、私がローズゴールドに戻ってますね」

「いわれてみりゃあ、そうだな……」

「戻るタイミングが分からないと、なんとなく不便なような……」

「まあ、別に本当の城に顔出さずに、お前はここの雪山の中にある城で暮らしたいだけ暮らしたらいいだけだろうさ……」

 シグリードの中ではこの城で二人一緒に暮らすことになっているようだ。

「そんなものでしょうか……」

「まあ、そんなもんだって」

「う~~ん、じゃあ、それなら……」

 納得がいったような行かなかったような気もしたが、ティナは話を流した。
 そうして、改めてシグリードの様子を見ると、ひどく幸せそうに微笑んでいた。

「ティナ……俺にとっては、お前がここにいて生きてくれてるだけで……すごく幸せだ」

「シグリード様……また会えて良かった……もう死なないで、ずっと一緒に生きてくださいね……」

「約束するさ、ティナ、俺の最愛の女……」

 その時――。

「あ……」

 ティナの下腹部の中、熱塊が膨張していくのが分かった。
 しかも。まだ秘所はつながりあったまま、彼にだっこされている状態だったと思いだす。

「あ……」

「ああ、すまない……なんか、格好がつかねえな……ティナ……もう一度だけ、良いか?」

 真摯な問いかけに、ティナは頬を朱に染めながら返す。

「はい!」

「ありがとう、ティナ……これから先も、お前だけを俺は愛するつもりだ……だから、なあ、長生きしてくれよ……俺より先に死ぬのは許さない」

「わかりました、もちろんです、シグリード様……って、ああっ……」

 気づけば、ティナは大きな手によって胸を揉みしだかれはじめた。

「ふあっ、ああっ、あんっ……」

 あえぐ婚約者に向かって、シグリードは悠然と笑んだ。

「健康になったんだ……多少の無茶も効くよな……? だから、俺が満足するまで良かったら手伝ってくれないか?」

「ふあっ、あっ、は、はいっ……」

(シグリード様がにやりと笑ったけれど……何かしら?)

 ――二千間を超えて魂が結びついた二人は、夜空の星々に見守られながら、(魔族の皆に見守れていることには気づかないまま)、シグリードの尽きることのない精をティナは受け止めながら、一晩中愛し合って過ごしたのだった。

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