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第9話② 大事なのはあなたの気持ち※

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「え――?」

「あなたはいつも、周囲の顔色を窺っておいでです。育ってきた環境がそうさせたのかもしれませんが……今回の件も、周囲の反応を気にしすぎてからまわってしまったとご自身でも気づかれているのでしょう? お兄様の言うように、貴方自身がどうしたいのか伝えてください」

 そうして続けた。

「あなたが本心を隠そうが隠すまいが、わたしの気持ちは決まっています……ですから、貴方の本当のお気持ちを教えてくださいませんか?」

 水色の瞳がしばらく揺れた後に、アイゼンはぽつりと呟いた。


「私は……」


 少し間があった後、意を決したように彼が告げる。


「ルビー、君と添い遂げたい。君のそばで、君をずっと守って生きていきたいんだ――」


 彼の言葉を聞いて、胸の中に温かいものが拡がっていくようだった。

 そうして、わたしも彼に答える。


「わたしもです、アイゼン様――村で助けてもらって以来、少しずつ貴方様に惹かれていきました――」

「ルビー」


 わたしの返事を聞いた彼が、ゆっくりと口づけてくる。
 唇が軽く触れ合った後に離れると、どちらともなく互いの唇を求めあった。

「好きだよ、ルビー」

 互いの唇を滑らせ合う。唇の表から裏にかけて、なめらかに彼の舌が動き、粘膜が刺激されてぞくりぞくりと背中に感じる。

「あっ――んっ――んぅっ――」

 口づけあった後、身体の上に乗るアイゼン様が、わたしの左手をそっと取り、ちゅっと口づけた。

「いつも私の好きな花を活けてくれる、料理を作って運んでくれる、手紙を持ってきてくれる――そんな君の手が、ひどく好きなんだ――」

 そういうと、わたしの指の一本一本に口づけを彼が落としていく。全ての指に口づけ終わった彼は、今度は指を一本ずつ舌で丁寧に舐め始めた。


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