【R18】無垢な花嫁は、青焔の騎士に囚われる

おうぎまちこ(あきたこまち)

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第7章 青焔将軍の妻

第59話 夫は嫉妬を隠せない8※

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「デュラン様……?」


 はっとした彼の手を、フィオーレはそっと握る。

「姫様、お部屋にお連れ致します」

 ちらりとイリョスを見た後、フィオーレは夫へと視線を戻す。


「デュラン様、私を部屋に連れて行ってくれますか? ――イリョス、私にはデュランダル様がいらっしゃるから、大丈夫よ」


 その言葉を聞いて、デュランダルは紫の双眸を見開く。


「そう……だな。部屋に戻って休むとするか――」


 フィオーレを抱きかかえながら、デュランダルは立ち上がる。

 二人に向かって、イリョスは謝罪した。
 彼はちらりとデュランダルを見て、言いにくそうに伝える。

「――差し出がましい真似をしました。姫様、その……『デュランダル様がフィオーレ様から見て信頼できる人物ならば、話しても良い』と、陛下より許可をいただいております」

 少しだけ、イリョスの碧色の瞳が険しい。

(信頼できる人物かどうか……今の出来事で、デュランダル様のことを問題があると、イリョスは思ってしまったのかもしれない)

 フィオーレの黄金の瞳が揺れる。


「わかったわ……じゃあ、デュランダル様、お部屋でお話ししますね」

「あ……ああ……」

 呼ばれた夫は、はっとする。

 そうしてフィオーレを抱えたデュランダルは、寝室に向かって歩き出した。

 夫が動揺していることを分かっているフィオーレは、彼を安心させるために微笑む。


「デュランダル様……大好きです。デュラン様は……?」


 彼女の笑みを見て、少しだけデュランダルの表情も和らぐ。


「言うまでもねぇだろうが――好きどころじゃねぇ……お前は俺がいなくても大丈夫そうだが、俺の方はお前がいないと生きていけないぐらい、惚れこんじまってるよ」


 彼の言葉を聞いて、フィオーレはふふふと笑う。

 お互いに信頼し合っている夫婦だというのが伝わったのだろうか、イリョスは息を呑んだ。
 そんなイリョスと、彼の背に乗るローザを残し、今度こそ夫婦は寝室の中へと戻っていったのだった。



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