【R18】無垢な花嫁は、青焔の騎士に囚われる

おうぎまちこ(あきたこまち)

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後日談

後日談7 妻は夫の子どもが欲しい(前編)②※☆

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 翌朝――。

 照りつける太陽の陽ざしで、フィオーレは目を覚ました。
 少し強めの香辛料の香りが、彼女の鼻腔をつく。

(良い香り……ベッド……洞窟から、デュランダル様が運んでくれたの――?)

 いつの間にか、屋敷の寝室に戻ってきていたようだった。
 彼女がぼんやりと考え込んでいると、ちょうどベッドサイドに、人間の姿をしたデュランダルが腰かけて何か作業をしていた。

「デュランダル様……?」

「ああ? 起きたのか、フィオ――?」

 珍しく夫は眼鏡をかけていた。

「ほら、服を着ろ。あとこれも」

「わわ……!」

 何も身に着けていないフィオーレに向かって、デュランダルが白いシュミーズドレスを投げつけてきた。
 ドレスはモスリン素材の薄手で、触れると、とろりと柔らかい。
 フィオーレはさっそく袖を通した。
 ドレスの袖は肩口から肘のあたりまで膨らむパフスリーブになっており、襟元にはフリルが施され、胸元から裾に向かって縦方向のギャザーが出来ている。

「わわわ、胸がきつくないです……どうして……?」

 昨日、屋敷にドレスを取りに行った際には胸に入らなかったのだ。
 フィオーレは、ちらっと夫デュランダルを見やった。
 彼の手には――。

(針と糸……もしかして……)

「俺が補正しておいた」

「ふえええっ――――!?」

 フィオーレは少しだけ驚いたものの、そもそも建築から何から出来る器用な夫だったことを最近思い知っている。

(だいぶ、驚かなくなってきたわ……だけど……う~~ん……デュランダル様、器用……)

 フィオーレの胸下にある紐を、背側に回ったデュランダルがきゅっと縛った。
 ついでとばかりに、クリームイエローのカシミアショールを、彼女の肩に彼はかけてやる。

「こんなもの、持っていましたっけ?」

 フィオーレの問いかけに、デュランダルが答えた。

「昨日、布をもらったから、俺が作ったが――なんだ、気に入らなかったのか?」

「ふわあああ――!」

「端を縫うだけだからな……」

 だんだんと、フィオーレは夫のやることに耐性が出来てきてはいるが――。

(う~~ん……まだまだ、デュランダル様のことをよく知らないのかも……)

 ――フィオーレはそんなことを考えた。

 彼女の倍近く生きているから、それだけ夫は色々な経験をしていて、様々な特技を身に着けてきたのだろう。

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