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後日談
後日談7 妻は夫の子どもが欲しい(前編)③※☆
しおりを挟む(いつもデュランダル様に甘やかされてばかりだけど、ちゃんと私もデュランダル様のことをもっと知りたい……)
フィオーレは夫を振り向くと、彼の逞しい胸板に飛び込んだ。
「ふふふ、今度、デュランダル様の昔話を聞きたいです。断片的にしかうかがったことがありませんし」
「ああ? あんまり知られても良いことはねぇな……」
眼鏡の奥にあるデュランダルの紫色の瞳が、少しだけかげった。
彼女の肩先まで伸びかけていた両手の動きも止まる。
(王太后様に、ひどい目にあわされていたみたいだし……あまり触れない方が良いのかしら……?)
不安げに揺れる夫の紫色の瞳を、黄金色の瞳でのぞきながらフィオーレは告げた。
「どんなデュランダル様でも、私は大好きです――そうだ! だけどデュランダル様、お布団の上で針作業は危ないですよ」
「ああ? 言うことがそれかよ……」
「ふふふ、こんなに良いショールを作っていただけて、とても嬉しいです。ありがとうございます」
デュランダルはフィオーレを抱き寄せる。
彼女の額に、彼はそっと口づけを落とした。
「フィオが喜ぶなら、何でもやれそうだよ、俺は――自分から何かをしてやりたいと思えた女は、俺にはお前だけだ――そうだ、スープを作ってて、台所から持ってきてるから、それを食え」
デュランダルは、フィオーレの唇に一度軽く口づけると、彼女を近くの猫脚のテーブルと椅子に促した。
テーブルの上には、綺麗な純白の陶器と、木製のスプーンが置かれている。皿の中には、ふわふわとした卵が浮かんだスープが用意されていた。他に、ショートブレッドも置かれている。
「わわわ、デュランダル様が作ってくれたんですね――!」
フィオーレは、スプーンでスープをすくうと口に運び入れた。
スパイスの良い香りが鼻腔に拡がり、舌先にぴりっとした辛みを感じる。卵のふんわりとした触感に、フィオーレは黄金の瞳をとろんとさせた。
「美味しいです、デュランダル様」
「そうかよ、それなら良かった」
ほっぺを膨らませて幸せそうな表情を浮かべる妻を見たデュランダルが口を開いた。
「まだ休暇はもらってあるから、今日はどうする? 庭でも改造するか?」
「う~~ん、そうですね……きゃっ……!」
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