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火花散る。
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時刻は午後20時を少し回ったところ
浩介は洋一との待ち合わせ場所である新しく出来た居酒屋近くの駅前で一人
洋一が来るのを今か今かと待っていた
―――おっそいなぁ~…洋一のヤツ…
浩介がなかなか来ない洋一にやきもきしだしたその時
「浩介!」
自分の名を呼ぶ弾むような洋一の声に浩介は声のした方を見る
するとそこには自分に向かって笑顔で足早に近寄って来る洋一と
その背後を颯爽と歩く命の姿が見え――
―――げっ、副社長?!なんでっ?!
その場に来る事を想像もして居なかった人物が
待ち人と一緒に姿を現した事に、浩介は焦る
「悪い浩介…ちょっと遅れちゃって…」
洋一が軽く息を切らせながら浩介に遅れたのを詫びる
「いや…それは~…いいんだけどさ…なんで――」
副社長が此処にいんの?――と
洋一の後から悠遊と歩き、浩介たちの前で立ち止まった命を見ながら浩介が戸惑い
その様子に気づいた洋一が、慌てて言い繕う
「あ、あのさぁ…浩介からのメールの内容を命…さんに話したら――
『俺も付き合う。』って言って…着いてきちゃった…」
「へ…へぇ~…」
浩介が洋一の隣で綺麗な姿勢で立つ命をチラリと見る
すると命の眉がピクッと動き――
「何だ?俺が一緒では何かマズかったか?」
「い、いえっ!そんな事は――」
「そうか…なら早速お前の言う居酒屋に行こう。時間が惜しい。」
「わ、分かりました!こちらです…」
(ヒソ…洋一テメーこのやろう!)
(ヒソ…ゴメンて!)
「?何をしている?早く行くぞ。」
「は、はいっ!」
そう言うと3人は浩介の案内で駅前近くに新しく出来た居酒屋へと向かった…
3人が店内に入ると
新しく出来たばかりだという事と丁度居酒屋の書き入れ時という事もあって
店内は非常に賑わっており――
―――あちゃ~…こりゃあ今日この居酒屋を選んだのはマズかったか…?
と…浩介が若干後悔し始めた時
店員が忙しい中3人に気が付き、足早に駆けつけ確認を取る
「3名様ですか?今丁度、奥の座敷席の方が空きましたので
ソチラにご案内致します。」
「お、ラッキーw」
店員の言葉に浩介がホッと胸を撫で下ろすと
三人は混み合う店内を店員に案内されながら奥の座敷席へ――
この間僅か一分にも満たなかったが
座敷席やテーブル席で楽し気に飲み食いしてたOLやサラリーマンらの視線が
その場を通り過ぎていく命達に集まり、箸や酒を飲む手が一瞬止まる
(やっぱこの副社長…目立ち過ぎ…視線がイテぇ…)
(確かにw――でも浩介も人の事言えないよ?)
(あ?俺が??なんで???)
(…無自覚って怖いよねぇ~…)
(???)
「…お前たち。さっきから何をヒソヒソと話ている?早く席に着かんか。」
もう既に座敷に上がって席に着いていた命が
通路で話していた2人に少し不機嫌そうに声をかけ
2人は慌てて靴を脱ぎ、命と対面側の席に2人して座ろうとしたが――
「皆瀬。お前はコッチに座れ。」――と
命がムッとした様子で自分の隣に置いてある座布団をポンポンと叩く
「え…でも…」
「いいからコッチに来い。」
「あ…はい…」
命に言われるがまま、洋一は命の隣に座りなおすが――
―――なんだコレ…なんか――スッゲームカつく…
今度は浩介が若干不機嫌な様子になり…
妙に不穏な空気が命と浩介の2人の間に漂い始め
洋一はそんな2人をチラチラと見やりながらこの何ともいえない空気に
どうしたらいいのかが分からず
ただひたすら『店員さん早くキテー!』と心の中で願うしかなかった…
浩介は洋一との待ち合わせ場所である新しく出来た居酒屋近くの駅前で一人
洋一が来るのを今か今かと待っていた
―――おっそいなぁ~…洋一のヤツ…
浩介がなかなか来ない洋一にやきもきしだしたその時
「浩介!」
自分の名を呼ぶ弾むような洋一の声に浩介は声のした方を見る
するとそこには自分に向かって笑顔で足早に近寄って来る洋一と
その背後を颯爽と歩く命の姿が見え――
―――げっ、副社長?!なんでっ?!
その場に来る事を想像もして居なかった人物が
待ち人と一緒に姿を現した事に、浩介は焦る
「悪い浩介…ちょっと遅れちゃって…」
洋一が軽く息を切らせながら浩介に遅れたのを詫びる
「いや…それは~…いいんだけどさ…なんで――」
副社長が此処にいんの?――と
洋一の後から悠遊と歩き、浩介たちの前で立ち止まった命を見ながら浩介が戸惑い
その様子に気づいた洋一が、慌てて言い繕う
「あ、あのさぁ…浩介からのメールの内容を命…さんに話したら――
『俺も付き合う。』って言って…着いてきちゃった…」
「へ…へぇ~…」
浩介が洋一の隣で綺麗な姿勢で立つ命をチラリと見る
すると命の眉がピクッと動き――
「何だ?俺が一緒では何かマズかったか?」
「い、いえっ!そんな事は――」
「そうか…なら早速お前の言う居酒屋に行こう。時間が惜しい。」
「わ、分かりました!こちらです…」
(ヒソ…洋一テメーこのやろう!)
(ヒソ…ゴメンて!)
「?何をしている?早く行くぞ。」
「は、はいっ!」
そう言うと3人は浩介の案内で駅前近くに新しく出来た居酒屋へと向かった…
3人が店内に入ると
新しく出来たばかりだという事と丁度居酒屋の書き入れ時という事もあって
店内は非常に賑わっており――
―――あちゃ~…こりゃあ今日この居酒屋を選んだのはマズかったか…?
と…浩介が若干後悔し始めた時
店員が忙しい中3人に気が付き、足早に駆けつけ確認を取る
「3名様ですか?今丁度、奥の座敷席の方が空きましたので
ソチラにご案内致します。」
「お、ラッキーw」
店員の言葉に浩介がホッと胸を撫で下ろすと
三人は混み合う店内を店員に案内されながら奥の座敷席へ――
この間僅か一分にも満たなかったが
座敷席やテーブル席で楽し気に飲み食いしてたOLやサラリーマンらの視線が
その場を通り過ぎていく命達に集まり、箸や酒を飲む手が一瞬止まる
(やっぱこの副社長…目立ち過ぎ…視線がイテぇ…)
(確かにw――でも浩介も人の事言えないよ?)
(あ?俺が??なんで???)
(…無自覚って怖いよねぇ~…)
(???)
「…お前たち。さっきから何をヒソヒソと話ている?早く席に着かんか。」
もう既に座敷に上がって席に着いていた命が
通路で話していた2人に少し不機嫌そうに声をかけ
2人は慌てて靴を脱ぎ、命と対面側の席に2人して座ろうとしたが――
「皆瀬。お前はコッチに座れ。」――と
命がムッとした様子で自分の隣に置いてある座布団をポンポンと叩く
「え…でも…」
「いいからコッチに来い。」
「あ…はい…」
命に言われるがまま、洋一は命の隣に座りなおすが――
―――なんだコレ…なんか――スッゲームカつく…
今度は浩介が若干不機嫌な様子になり…
妙に不穏な空気が命と浩介の2人の間に漂い始め
洋一はそんな2人をチラチラと見やりながらこの何ともいえない空気に
どうしたらいいのかが分からず
ただひたすら『店員さん早くキテー!』と心の中で願うしかなかった…
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