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波乱の予感?1
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「ようこそお越しくださいました鬼生道様。
社長が最上階の社長室にてお待ちです。――それではコチラへ…」
命を先頭に洋一たちがビルのエントランス内に入ると
正面の受け付け手前で秘書と思われる女性が命たちにお辞儀をした後
エレベーターに向けて手を伸ばしながら命たちをエレベーターへと案内する
命たちが秘書に案内されるがままエレベーターに乗り込むと
秘書は階を示したボタンでは無く
指紋を照合する為のセンサーに親指を押し宛てる
するとドアは閉まり、命たちを乗せたエレベーターは静かに上昇を開始した…
どの階にも止まる事無く上昇していくエレベーター…
暫くして階の表示されないこのビルの最上階にエレベーターは止まり
ドアが命達の前で静かに開く…
―――うわ…
開いたドアの先には一本の長い廊下と、その奥に重厚な扉が見え
洋一の足が緊張で竦(すく)む
「では、どうぞコチラへ。」
命達はエレベーターを降り
グレーのカーペットが敷かれた長い廊下を秘書の案内の元、無言でその後に続く
そして扉の前につくと秘書が
コンコン…
と控えめなノックをし、中から「――入れ。」と言う返事が聞こえ
秘書がゆっくりと扉を開けて命達より先に一歩社長室へと入ると
広い社長室の正面に置かれた机の前に立つ長身の男性に向けて一礼してから声をかけた
「――社長、鬼生道様達をお連れいたしました。」
「あ…」
洋一が正面に立つ男性の姿を見て、思わず小さな声を上げる
「ご苦労だったな近衛(このえ)。もう下がっていいぞ。」
「――かしこまりました。それでは失礼いたします。」
秘書は命達を部屋に通すと、再び頭を下げその扉を閉めた…
「――お待ちしておりました。命さん。
それと…」
男性は吸い寄せられるようにして命では無く
その斜め後ろに控えていた洋一へと歩み寄る
「また会ったな。皆瀬洋一…」
「――神代…さん…」
男性は洋一に向け
その端正な顔立ちに合った誰もが見惚れるような優し気な微笑を浮かべるが
洋一はその笑みを見て、何故か蛇に睨まれているかのように全身が強張る…
「…何だ…お前達――知り合いか…?」
命が自分を無視し、洋一を見つめる男性――神代にムッとしながら口を開く
「――ええ…この間“nymphee”で一人、服を見ていた彼に
私が声をかけたんです。それにしても――」
「ッ、――ぅ…」
更に近づいて来た神代に、洋一は思わず後ずさろうとするが――
―――逃げてどーするんだバカ!
と、自分を叱咤してそこを何とか耐える…
「相変わらず良い匂いだ…」
神代は緊張と畏縮で固まっている洋の首筋に顔を近づけ、その匂いを嗅ぐ
するとそこに命が洋一を庇うようにして神代と洋一の間に割って入り――
「…要件を言え、神代…
まさかとは思うが――
“俺の”秘書にセクハラする為にわざわざ俺達を此処に
呼んだ訳ではあるまい?」
「…」
自分と洋一の間に割って入ってきた命に神代の表情が一瞬…
ほんの一瞬だけ険しくなるが――
「――勿論ですよ。命さん…
それでは皆さん、ソチラにおかけください。」
すぐに元の穏やかな…しかし何を考えているか分から無い笑みを
その整った顔に浮かべると
命たちに椅子に座る様促した…
社長が最上階の社長室にてお待ちです。――それではコチラへ…」
命を先頭に洋一たちがビルのエントランス内に入ると
正面の受け付け手前で秘書と思われる女性が命たちにお辞儀をした後
エレベーターに向けて手を伸ばしながら命たちをエレベーターへと案内する
命たちが秘書に案内されるがままエレベーターに乗り込むと
秘書は階を示したボタンでは無く
指紋を照合する為のセンサーに親指を押し宛てる
するとドアは閉まり、命たちを乗せたエレベーターは静かに上昇を開始した…
どの階にも止まる事無く上昇していくエレベーター…
暫くして階の表示されないこのビルの最上階にエレベーターは止まり
ドアが命達の前で静かに開く…
―――うわ…
開いたドアの先には一本の長い廊下と、その奥に重厚な扉が見え
洋一の足が緊張で竦(すく)む
「では、どうぞコチラへ。」
命達はエレベーターを降り
グレーのカーペットが敷かれた長い廊下を秘書の案内の元、無言でその後に続く
そして扉の前につくと秘書が
コンコン…
と控えめなノックをし、中から「――入れ。」と言う返事が聞こえ
秘書がゆっくりと扉を開けて命達より先に一歩社長室へと入ると
広い社長室の正面に置かれた机の前に立つ長身の男性に向けて一礼してから声をかけた
「――社長、鬼生道様達をお連れいたしました。」
「あ…」
洋一が正面に立つ男性の姿を見て、思わず小さな声を上げる
「ご苦労だったな近衛(このえ)。もう下がっていいぞ。」
「――かしこまりました。それでは失礼いたします。」
秘書は命達を部屋に通すと、再び頭を下げその扉を閉めた…
「――お待ちしておりました。命さん。
それと…」
男性は吸い寄せられるようにして命では無く
その斜め後ろに控えていた洋一へと歩み寄る
「また会ったな。皆瀬洋一…」
「――神代…さん…」
男性は洋一に向け
その端正な顔立ちに合った誰もが見惚れるような優し気な微笑を浮かべるが
洋一はその笑みを見て、何故か蛇に睨まれているかのように全身が強張る…
「…何だ…お前達――知り合いか…?」
命が自分を無視し、洋一を見つめる男性――神代にムッとしながら口を開く
「――ええ…この間“nymphee”で一人、服を見ていた彼に
私が声をかけたんです。それにしても――」
「ッ、――ぅ…」
更に近づいて来た神代に、洋一は思わず後ずさろうとするが――
―――逃げてどーするんだバカ!
と、自分を叱咤してそこを何とか耐える…
「相変わらず良い匂いだ…」
神代は緊張と畏縮で固まっている洋の首筋に顔を近づけ、その匂いを嗅ぐ
するとそこに命が洋一を庇うようにして神代と洋一の間に割って入り――
「…要件を言え、神代…
まさかとは思うが――
“俺の”秘書にセクハラする為にわざわざ俺達を此処に
呼んだ訳ではあるまい?」
「…」
自分と洋一の間に割って入ってきた命に神代の表情が一瞬…
ほんの一瞬だけ険しくなるが――
「――勿論ですよ。命さん…
それでは皆さん、ソチラにおかけください。」
すぐに元の穏やかな…しかし何を考えているか分から無い笑みを
その整った顔に浮かべると
命たちに椅子に座る様促した…
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