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楽しい楽しい新生活7
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「ごちそうさまでした。とても美味しかったです。」
「有難うございます。」
食事を終え、白ワインを嗜(たしな)みつつ
ほんのりと頬を赤らめながらシェフに礼を言う洋一に対し
シェフも笑顔を返し、軽く頭を下げる
「それでは命様。私はそろそろ――」
「ご苦労だったな鎌足(かまたり)
今日の白甘鯛、とても美味しかったぞ。」
「命様に喜んで頂けて何よりです。では、失礼いたします…」
シェフはそう言うと命たちにもう一度頭を下げ、その場を後にした…
「――それにしても驚きました…専属シェフの方が来られていた何て…
全然気づきませんでした。」
「ああ…お前に言い忘れていたが――
俺の家にはああしてほぼ毎日のように専属シェフが夕食を作りに訪れる。
時間は大体夜の18時から20時までの間。
あとハウスキーパーも俺が家にいなくても、毎日昼の時間帯に訪れる。
どちらもフロントのコンシェルジュを通してロックを解除して家に上がるのだが――
そうだ。」
「?」
「お前が誰かの突然の来訪を嫌うのであれば
お前のスマホにコンシェルジュから
直接彼等が到着した事を伝えさせる事も出来るが――どうする?」
「あ…そこまでしていただかなくても大丈夫です。」
「…そうか?だがもし気が変わったら何時でも言ってくれ。
お前はこれから俺と一緒にココで生活を共に過ごすワケだし――
ストレスを感じさせるような事はなるべく避けたい。」
「お心遣いに感謝します。でも、本当に大丈夫なんで…」
「…お前がそこまで言うのであれば――ところで皆瀬。」
「はい。」
「今日は引っ越しなどで色々と疲れただろ?
先に風呂にでも入ってきたらどうだ?」
「あ、でしたら俺は命さんの後で――」
「いや、俺はまだワインが残っているので後でいい。」
「そうですか?ならお言葉に甘えて…先に湯を使わせて頂きますね?」
洋一は命にそう言うと
先程片づけたパジャマを取りに一旦自分の部屋へと戻り
その足でバスルームへと向かった
一時間位が経ち――
「ふぅ~…良いお湯でした…って――あああっ!」
水色で少し大きめのパジャマを着て
首にかけたタオルで頬なんかを拭きながらダイニングに戻った洋一は
キッチンでビルトイン式の食洗器の中に
先程使った食器を詰め込んでいる命の姿を見て、思わず大声を上げた
「す、すみませんっ!
俺、後片付けもしないで先に風呂なんかに入っちゃったりしてっ、
命さんにこんな…っ!」
「いや、いいんだ………ッ!?」
思わず自分の傍へと駆け寄って来た洋一に
命の身体が一瞬ビキッと硬直する
「…?どうかしましたか?」
「皆瀬…お前…」
異変を感じて洋一が命の方を見ると、突然命に両肩を掴まれ
驚いた洋一は思わずシンクの縁に両手を着いてのけ反る
「あ…命…さん…?」
「お前…何か匂いが…」
命はそう呟きながら
風呂上がりでピンク色に染まる洋一の首筋に顔を埋め
少し熱を帯びた命の吐息が、洋一の首筋を掠め、擽る
「あ…命さんちょっと…っ、」
いよいよ吐息だけでは無く、柔らかい命の唇が首筋をなぞり出し
洋一は思わず命の胸を軽く押した
「――ッ、済まない…
何かお前の匂いが普段と違って濃くなったというか何と言うか…
と、兎に角俺も風呂に入って来る…」
そう言うと命はその場から逃げる様にして立ち去り
後に残された洋一はシンクに寄り掛かったまま、茫然と命の背を見送った…
命はバスルームに入ると、洗面台の前で片手を口に当て動揺する
―――あの匂いは何だ…?あいつの匂いに発情効果は無いハズなのに――
なのに何で俺は…勃起し始めているんだ…?
「有難うございます。」
食事を終え、白ワインを嗜(たしな)みつつ
ほんのりと頬を赤らめながらシェフに礼を言う洋一に対し
シェフも笑顔を返し、軽く頭を下げる
「それでは命様。私はそろそろ――」
「ご苦労だったな鎌足(かまたり)
今日の白甘鯛、とても美味しかったぞ。」
「命様に喜んで頂けて何よりです。では、失礼いたします…」
シェフはそう言うと命たちにもう一度頭を下げ、その場を後にした…
「――それにしても驚きました…専属シェフの方が来られていた何て…
全然気づきませんでした。」
「ああ…お前に言い忘れていたが――
俺の家にはああしてほぼ毎日のように専属シェフが夕食を作りに訪れる。
時間は大体夜の18時から20時までの間。
あとハウスキーパーも俺が家にいなくても、毎日昼の時間帯に訪れる。
どちらもフロントのコンシェルジュを通してロックを解除して家に上がるのだが――
そうだ。」
「?」
「お前が誰かの突然の来訪を嫌うのであれば
お前のスマホにコンシェルジュから
直接彼等が到着した事を伝えさせる事も出来るが――どうする?」
「あ…そこまでしていただかなくても大丈夫です。」
「…そうか?だがもし気が変わったら何時でも言ってくれ。
お前はこれから俺と一緒にココで生活を共に過ごすワケだし――
ストレスを感じさせるような事はなるべく避けたい。」
「お心遣いに感謝します。でも、本当に大丈夫なんで…」
「…お前がそこまで言うのであれば――ところで皆瀬。」
「はい。」
「今日は引っ越しなどで色々と疲れただろ?
先に風呂にでも入ってきたらどうだ?」
「あ、でしたら俺は命さんの後で――」
「いや、俺はまだワインが残っているので後でいい。」
「そうですか?ならお言葉に甘えて…先に湯を使わせて頂きますね?」
洋一は命にそう言うと
先程片づけたパジャマを取りに一旦自分の部屋へと戻り
その足でバスルームへと向かった
一時間位が経ち――
「ふぅ~…良いお湯でした…って――あああっ!」
水色で少し大きめのパジャマを着て
首にかけたタオルで頬なんかを拭きながらダイニングに戻った洋一は
キッチンでビルトイン式の食洗器の中に
先程使った食器を詰め込んでいる命の姿を見て、思わず大声を上げた
「す、すみませんっ!
俺、後片付けもしないで先に風呂なんかに入っちゃったりしてっ、
命さんにこんな…っ!」
「いや、いいんだ………ッ!?」
思わず自分の傍へと駆け寄って来た洋一に
命の身体が一瞬ビキッと硬直する
「…?どうかしましたか?」
「皆瀬…お前…」
異変を感じて洋一が命の方を見ると、突然命に両肩を掴まれ
驚いた洋一は思わずシンクの縁に両手を着いてのけ反る
「あ…命…さん…?」
「お前…何か匂いが…」
命はそう呟きながら
風呂上がりでピンク色に染まる洋一の首筋に顔を埋め
少し熱を帯びた命の吐息が、洋一の首筋を掠め、擽る
「あ…命さんちょっと…っ、」
いよいよ吐息だけでは無く、柔らかい命の唇が首筋をなぞり出し
洋一は思わず命の胸を軽く押した
「――ッ、済まない…
何かお前の匂いが普段と違って濃くなったというか何と言うか…
と、兎に角俺も風呂に入って来る…」
そう言うと命はその場から逃げる様にして立ち去り
後に残された洋一はシンクに寄り掛かったまま、茫然と命の背を見送った…
命はバスルームに入ると、洗面台の前で片手を口に当て動揺する
―――あの匂いは何だ…?あいつの匂いに発情効果は無いハズなのに――
なのに何で俺は…勃起し始めているんだ…?
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