淫魔と俺の性事情

みき

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拘束 無理矢理2

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翌日、夜が明けてから再びご主人様の家を訪れる。

俺に気付いて、こちらを見上げるご主人様。
ご主人様の目は、赤く腫れてた。手首にも、ベルトが食い込んだ傷痕が生々しく残ったままだった。
胸がズキリと痛んだ。
俺が泣かせて…傷付けた…

俺は主人の前に立ち、深く頭を下げた。

「悪かった…」
「………」
「もう二度としない。ご主人様の…タクミのいうことに全部従う。」
「……アレク…」
「タクミが嫌ならもう触らないし、精気ももらわない。俺の羽根切り落として、誓ってもいい。
なんでもするから……許して欲しい」

「……なんであんなこと…したんだ…」
「……ご主人様が…好きだから………嫉妬した」
「……嫉妬であそこまでする?俺まじで頭おかしくなるかと思ったんだぞ…」
「ごめん……」

返す言葉がない。

「……」
ご主人様はキスマークの痕にそっと触れながら言った。

「………この痕は…ちょっと…知り合いの男に無理矢理付けられたんだよ。告白されて、断ったら襲われかけて…」
「っ…」
「でも未遂だからな?キスマーク付けられる以上のことされる前にぶん殴って逃げたから。だから、アレクが想像してるようなことは、何もなかったから」
「……っ…」

「……はぁーー…」

ご主人様は大きくため息をついた。

契約を、解消したいと言われるだろうか…。
もし言われたら、俺は受け入れるしかない。

ご主人様は俺を暫しの間眺めた。
考えるような素振りを見せて、そして、口を開いた。

「………ちょっと、かがんで」
「……?」
「いいから」
言うとおりに少し身をかがませる。

俺の正面に立ち、背伸びしたご主人様は、チュッと俺の頬にキスをした。
「え…」
「………どーせ昨日から何も食ってなくて、腹減ってんだろ?……もういいから、精気食べろよ」
「でも…」 
「反省してんだったら、もういい。」
「…ご主人様…」

勝手に勘違いして、嫉妬して、あんなに酷いことをした俺を、こんなにもあっさり、許すというのか。

驚きで目を丸くする俺を見ると、ご主人様は少し言いづらそうに目線を外しながら言った。

「……男に、襲われそうになったなんて…お前に、言いたくなかった…。…だから黙ってた俺も悪いし…許す。
あ…でも次勝手に感度上げやがったら許さねーから」
「っ……」

胸がいっぱいになった俺は、ご主人様を腕の中に掻き抱いた。

「ごめん……ありがとう。……好き。好きだよ…ご主人様」
「……はいはい」

俺は、この一人の人間のために生きようと、この時心に誓った。
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