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【6-2】山場絹(やまばきぬ)。それが彼女の戸籍上の名前となった。
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──【6-2】──
「これだけの大人数でのお昼ご飯は、何だか久しぶり?」
と風子は席に着いて嬉しそうである。
「何を言っているの。学校のお昼に食べてるでしょうが」
と言いながら、フィラはテーブル一杯におかずを並べていく。
「フィラさん。何を言っているのよ。学校で私達がどうやってお昼を食べるのよ」
「え? だって……。あ。そうか」
とフィラは申し訳なさそうに、テーブルへ最後のおかずを置いた。
「私と風子は昼休憩に帰ってカレー店を手伝っているからね。学校のある日は昼食はカレーって固定だからね」
「そうそう。交代でカレーを食べて、手伝って」
と風子は言う。
「仕方がないじゃない。私一人じゃ、昼時のお客さんを回せないんだから」
とフィラは言いながら、自分の席に座った。
「次からは僕も手伝いますから」
と伊織は言った。
「まあ。とにかく食べましょう」
とフィラ。
テーブルには、
ほうれん草のおひたし。
肉じゃが。
鯖の塩焼き。
豚の生姜焼き。
大根の酢漬け。
「味噌汁もあるからね。欲しい人は言ってね」
と雷が厨房から声をかける。
「私は朝に飲んだからパス」
とフィラが言うと、
「私もパス」
と風子。
「じゃあ、味噌汁は二人分だけね」
と雷が言うと被せるように、
「風子。あなたも少しは手伝いなさい!」
とフィラ。
「ふあ~い。ならお茶を用意しま~す」
と席を立ったが、
「お茶なら僕がもうやってるよ」
とお盆には五人分の湯呑みがあり、湯気が上っている。
「あ。私は冷たいのがいい」
と風子が言うと、
「それくらい自分で用意しなさい」
とフィラ。
「は~い」
と冷蔵庫から麦茶を取り出すと、食器洗い機からコップを取り出し注いだ。
「ご飯を置いていきますね」
と言いながら、雷の持つお盆に載る茶碗に装われた白米から湯気が立っている。
「えっと~。これは。誰が誰の分なのかな?」
と座ったままの山姥娘が目を輝かせながら言った。
山姥娘の後ろは店の出入り口になっていて、ガラスを挟んで外の道路の様子が丸見えである。
日曜日の昼間なのでオフィス街は人も車も少ない。
「伊織さんと山姥ちゃんは味噌汁と漬け物も置きますね」
とワカメの味噌汁と白菜の浅漬けが二人の前に置かれた。
すべての準備ができると、
「では席に着いて」
とフィラが言うと、風子の隣りにフィラが座り、山姥娘の横には雷が座った。その四人テーブルの側のカウンターには伊織がスツールに腰掛ける。
「では、頂きます!」
とフィラが言うと、
頂きます!
との全員の声の後に、一歩遅れた山姥娘の声が、
「いただきます」
と聞こえた。
食事が始まると、肉じゃがを一口食べた風子が、
「やっぱり、フィラさんの肉じゃがは柔らかくて美味しいね~」
と幸せそうに食べる。
「そう。ありがとう」
とフィラも嬉しそうである。
「豚の生姜焼きも美味しい」
と言うと、
「あ。それは私が作ったの」
と雷が右手を上げる。
「雷ちゃんも腕を上げてるね~」
と言いながら、箸が止まらない。短パンから見える肉付きのよい風子の太腿が段々と開いてくる。
「風子。足は揃えなさい。ちょっとは女の子らしく食べたら?」
「え? 何で?」
「ほら。山姥ちゃんを見てごらんなさい」
とフィラが言うと、山姥娘は色白で長い足をきちんと揃えて、箸と茶碗を持つ手の肘は開いておらず、だからと言って内にも向いていない。箸の持ち方も見事で『上品』という表現がピッタリだった。
「山姥ちゃん。あなた、とても姿勢がいいわね」
と横から見ている雷も感心している。
「そうですか? えへへ~」
と子供っぽく照れている。
「ところで山姥ちゃんはいくつ?」
とフィラが訊ねると、左手の指を折りながら数え出し、
「八月で十六さいです」
と答えると、
「え! あなた、高校一年なの!」
とフィラ。
「……何ですかね」
と俯きながら答える山姥娘。
「ねえ。あなたって五十音が言えるの?」
と訊くと、
「ごじゅう……おん……」
と頭を傾げた。
「学校に行ったことないって言っていたものね……」
と雷が言うと、
「私、学校に通ったことはないですけど、行ったことはあります。窓から覗いたこともありますよ」
と少し自慢げに言った。
「う~ん」
とフィラは右手で箸を持ったまま、左手を顎に当てて唸っている。
「……あの……」
と伊織が少し離れたカウンター席から、フィラに声をかける。
「ん? 何、伊織君? カレー以外のご飯が口に合わない?」
と言うと、
「いえいえ! 美味しいです!」
と絶賛した。
「そう。ありがとう。う~ん」
とフィラはまた唸る。
「あの。フィラさん」
と伊織がまた声をかけると、
「ちょっと、伊織君。言いたいことがあるならハッキリ言ってよ! 何なのよ!」
とフィラは不機嫌になった。
「いや、その……。年齢を訊くのも大切ですけど、まずは名前を訊いたらどうかなと思って……」
と申し訳なさそうに、後ろ頭を掻きながら言った。
「あ! 本当だわ。いつの間にか山姥ちゃんて呼んでいたわ」
とフィラは言い、
「山姥ちゃん。あなたの名前は何て言うの?」
と訊くと、
「キヌです」
と恥ずかしそうに答えた。
「キヌちゃんか」
と風子。
「よろしくね。キヌちゃん」
と雷。
「キヌさんだね。よろしく」
と伊織。
「キヌねえ~。で名字は?」
とフィラが言うと、
「みょうじ? えっと……。それはなんですか?」
と不思議そうな顔をする。
「えっ。だから、名字。私の名前は西園寺・フィラ・梅だから、名字は西園寺なのよ」
と言うと、
「あ! 住んでいる村の名前ですね。山姥村のキヌです」
「いや。違うわよ」
とフィラは丁寧に、
「名字というのは、あなたならキヌの前に付く呼び名よ」
「キヌの前に付く呼び名?」
と言うと、口元に手を当てて考え込んだ。
黙って考え事をしている色白のキヌの姿は、すぐにでも女優かタレントが出来そうな美しさで、都会を知らないせいか仕草にも品がある。
「分かりました。山姥村崖下字(あざ)のキヌです」
と答えると、
「あのう。それ、多分住所だわ」
とフィラはため息をついた。
「つまり、キヌちゃんの山姥村は閉鎖的で名前に関しては、少なくとも明治政府以降の影響を受けていない。または」
と一呼吸置いて、
「その山姥村の最下層の身分の家で、わざと名字を与えなかった可能性があるわね」
とフィラは推測した。
「フィラさん。僕もそう思います」
と伊織も続いた。
「さて。それならどうするか? キヌちゃんを私の養子にするか? それとも引き取って預かる形にするか?」
と言うと、二人の前任者の意見を聞きたいのか、フィラは風子と雷を交互に見つめた。
「私は、モグモグ。どちらでもゴックン。構わないと思うよ、ムシャムシャ」
と答えると、
「風子。食べるか答えるか、どちらかにしなさいな」
と小学校高学年にしか見えないフィラの美人顔が困った表情になった。
「私は養子縁組は正直、反対です」
と雷。
「そうなの? なぜかしら?」
「もし、養子縁組をすれば仮にフィラさんが亡くなられたら、キヌさんがこのビルの所有になりますよね」
「まあ。確かにね。まあ、不死の私が死ぬには頭を砕かれるか、溶岩の中にでも身を投げるしかないけど」
とフィラ。
「そうすると、後日キヌさんの親戚縁者と名乗る赤の他人がやって来て、このビルの所有権を主張する可能性もありますよね」
「そこまで考えたらことはなかったわね」
「それにフィラさんは永遠の命をお持ちなのですから、またフィラさんの娘または孫が現れて、このビルのオーナーにならないといけません。なのに養子のキヌさんが居たら、少なくとも半分に分けないといけなくなりますよ」
と雷は微笑みながら言った。
「確かにそうだわ。うんうん」
とフィラは大いに納得して、
「さすがは雷ちゃんね。頭、いいわ」
と立ち上がって頭を撫でた。
「ちょ! やめて下さいな、フィラさん」
と恥ずかしいのか頬が仄(ほの)かに赤い。
「よし! 決まった! 今からキヌちゃんの名字と名前の字を考えよう」
とフィラが言うと、
「その前に昼食を食べちゃおうよ。せっかくの味噌汁が冷めちゃうからさ」
と風子は、
ズズズッ!
と味噌汁を飲み干すと、
「風子。あなた、本当に行儀が悪いわよね」
とフィラは眉を顰(ひそ)めた。
食事を食べ終えて、三十分ほどの時間で、山姥のキヌの名前が決まった。
山場絹(やまばきぬ)。
それが彼女の戸籍上の名前となった。
「明日の月曜日は大急ぎで馴染みの弁護士さんに相談だわ。幼い時の風子と雷と違って、もう十六歳だものね。手続きがややこしそうだわ」
とフィラは大きくため息をついたが、
「あのう! 私、片付けを手伝います。教えて下さい、雷さん」
と身体は雷よりも少し大柄なのに、チョコチョコと雷の背中を追いかける様子を見てフィラは微笑んだ。
そこを偶然に、伊織に見られると、
「何、見てんのよ!」
とフィラは伊織に当たるのだった。
2025年5月7日
※当サイトの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
また、まとめサイト等への引用をする場合は無断ではなく、こちらへお知らせ下さい。許可するかを判断致します。
「これだけの大人数でのお昼ご飯は、何だか久しぶり?」
と風子は席に着いて嬉しそうである。
「何を言っているの。学校のお昼に食べてるでしょうが」
と言いながら、フィラはテーブル一杯におかずを並べていく。
「フィラさん。何を言っているのよ。学校で私達がどうやってお昼を食べるのよ」
「え? だって……。あ。そうか」
とフィラは申し訳なさそうに、テーブルへ最後のおかずを置いた。
「私と風子は昼休憩に帰ってカレー店を手伝っているからね。学校のある日は昼食はカレーって固定だからね」
「そうそう。交代でカレーを食べて、手伝って」
と風子は言う。
「仕方がないじゃない。私一人じゃ、昼時のお客さんを回せないんだから」
とフィラは言いながら、自分の席に座った。
「次からは僕も手伝いますから」
と伊織は言った。
「まあ。とにかく食べましょう」
とフィラ。
テーブルには、
ほうれん草のおひたし。
肉じゃが。
鯖の塩焼き。
豚の生姜焼き。
大根の酢漬け。
「味噌汁もあるからね。欲しい人は言ってね」
と雷が厨房から声をかける。
「私は朝に飲んだからパス」
とフィラが言うと、
「私もパス」
と風子。
「じゃあ、味噌汁は二人分だけね」
と雷が言うと被せるように、
「風子。あなたも少しは手伝いなさい!」
とフィラ。
「ふあ~い。ならお茶を用意しま~す」
と席を立ったが、
「お茶なら僕がもうやってるよ」
とお盆には五人分の湯呑みがあり、湯気が上っている。
「あ。私は冷たいのがいい」
と風子が言うと、
「それくらい自分で用意しなさい」
とフィラ。
「は~い」
と冷蔵庫から麦茶を取り出すと、食器洗い機からコップを取り出し注いだ。
「ご飯を置いていきますね」
と言いながら、雷の持つお盆に載る茶碗に装われた白米から湯気が立っている。
「えっと~。これは。誰が誰の分なのかな?」
と座ったままの山姥娘が目を輝かせながら言った。
山姥娘の後ろは店の出入り口になっていて、ガラスを挟んで外の道路の様子が丸見えである。
日曜日の昼間なのでオフィス街は人も車も少ない。
「伊織さんと山姥ちゃんは味噌汁と漬け物も置きますね」
とワカメの味噌汁と白菜の浅漬けが二人の前に置かれた。
すべての準備ができると、
「では席に着いて」
とフィラが言うと、風子の隣りにフィラが座り、山姥娘の横には雷が座った。その四人テーブルの側のカウンターには伊織がスツールに腰掛ける。
「では、頂きます!」
とフィラが言うと、
頂きます!
との全員の声の後に、一歩遅れた山姥娘の声が、
「いただきます」
と聞こえた。
食事が始まると、肉じゃがを一口食べた風子が、
「やっぱり、フィラさんの肉じゃがは柔らかくて美味しいね~」
と幸せそうに食べる。
「そう。ありがとう」
とフィラも嬉しそうである。
「豚の生姜焼きも美味しい」
と言うと、
「あ。それは私が作ったの」
と雷が右手を上げる。
「雷ちゃんも腕を上げてるね~」
と言いながら、箸が止まらない。短パンから見える肉付きのよい風子の太腿が段々と開いてくる。
「風子。足は揃えなさい。ちょっとは女の子らしく食べたら?」
「え? 何で?」
「ほら。山姥ちゃんを見てごらんなさい」
とフィラが言うと、山姥娘は色白で長い足をきちんと揃えて、箸と茶碗を持つ手の肘は開いておらず、だからと言って内にも向いていない。箸の持ち方も見事で『上品』という表現がピッタリだった。
「山姥ちゃん。あなた、とても姿勢がいいわね」
と横から見ている雷も感心している。
「そうですか? えへへ~」
と子供っぽく照れている。
「ところで山姥ちゃんはいくつ?」
とフィラが訊ねると、左手の指を折りながら数え出し、
「八月で十六さいです」
と答えると、
「え! あなた、高校一年なの!」
とフィラ。
「……何ですかね」
と俯きながら答える山姥娘。
「ねえ。あなたって五十音が言えるの?」
と訊くと、
「ごじゅう……おん……」
と頭を傾げた。
「学校に行ったことないって言っていたものね……」
と雷が言うと、
「私、学校に通ったことはないですけど、行ったことはあります。窓から覗いたこともありますよ」
と少し自慢げに言った。
「う~ん」
とフィラは右手で箸を持ったまま、左手を顎に当てて唸っている。
「……あの……」
と伊織が少し離れたカウンター席から、フィラに声をかける。
「ん? 何、伊織君? カレー以外のご飯が口に合わない?」
と言うと、
「いえいえ! 美味しいです!」
と絶賛した。
「そう。ありがとう。う~ん」
とフィラはまた唸る。
「あの。フィラさん」
と伊織がまた声をかけると、
「ちょっと、伊織君。言いたいことがあるならハッキリ言ってよ! 何なのよ!」
とフィラは不機嫌になった。
「いや、その……。年齢を訊くのも大切ですけど、まずは名前を訊いたらどうかなと思って……」
と申し訳なさそうに、後ろ頭を掻きながら言った。
「あ! 本当だわ。いつの間にか山姥ちゃんて呼んでいたわ」
とフィラは言い、
「山姥ちゃん。あなたの名前は何て言うの?」
と訊くと、
「キヌです」
と恥ずかしそうに答えた。
「キヌちゃんか」
と風子。
「よろしくね。キヌちゃん」
と雷。
「キヌさんだね。よろしく」
と伊織。
「キヌねえ~。で名字は?」
とフィラが言うと、
「みょうじ? えっと……。それはなんですか?」
と不思議そうな顔をする。
「えっ。だから、名字。私の名前は西園寺・フィラ・梅だから、名字は西園寺なのよ」
と言うと、
「あ! 住んでいる村の名前ですね。山姥村のキヌです」
「いや。違うわよ」
とフィラは丁寧に、
「名字というのは、あなたならキヌの前に付く呼び名よ」
「キヌの前に付く呼び名?」
と言うと、口元に手を当てて考え込んだ。
黙って考え事をしている色白のキヌの姿は、すぐにでも女優かタレントが出来そうな美しさで、都会を知らないせいか仕草にも品がある。
「分かりました。山姥村崖下字(あざ)のキヌです」
と答えると、
「あのう。それ、多分住所だわ」
とフィラはため息をついた。
「つまり、キヌちゃんの山姥村は閉鎖的で名前に関しては、少なくとも明治政府以降の影響を受けていない。または」
と一呼吸置いて、
「その山姥村の最下層の身分の家で、わざと名字を与えなかった可能性があるわね」
とフィラは推測した。
「フィラさん。僕もそう思います」
と伊織も続いた。
「さて。それならどうするか? キヌちゃんを私の養子にするか? それとも引き取って預かる形にするか?」
と言うと、二人の前任者の意見を聞きたいのか、フィラは風子と雷を交互に見つめた。
「私は、モグモグ。どちらでもゴックン。構わないと思うよ、ムシャムシャ」
と答えると、
「風子。食べるか答えるか、どちらかにしなさいな」
と小学校高学年にしか見えないフィラの美人顔が困った表情になった。
「私は養子縁組は正直、反対です」
と雷。
「そうなの? なぜかしら?」
「もし、養子縁組をすれば仮にフィラさんが亡くなられたら、キヌさんがこのビルの所有になりますよね」
「まあ。確かにね。まあ、不死の私が死ぬには頭を砕かれるか、溶岩の中にでも身を投げるしかないけど」
とフィラ。
「そうすると、後日キヌさんの親戚縁者と名乗る赤の他人がやって来て、このビルの所有権を主張する可能性もありますよね」
「そこまで考えたらことはなかったわね」
「それにフィラさんは永遠の命をお持ちなのですから、またフィラさんの娘または孫が現れて、このビルのオーナーにならないといけません。なのに養子のキヌさんが居たら、少なくとも半分に分けないといけなくなりますよ」
と雷は微笑みながら言った。
「確かにそうだわ。うんうん」
とフィラは大いに納得して、
「さすがは雷ちゃんね。頭、いいわ」
と立ち上がって頭を撫でた。
「ちょ! やめて下さいな、フィラさん」
と恥ずかしいのか頬が仄(ほの)かに赤い。
「よし! 決まった! 今からキヌちゃんの名字と名前の字を考えよう」
とフィラが言うと、
「その前に昼食を食べちゃおうよ。せっかくの味噌汁が冷めちゃうからさ」
と風子は、
ズズズッ!
と味噌汁を飲み干すと、
「風子。あなた、本当に行儀が悪いわよね」
とフィラは眉を顰(ひそ)めた。
食事を食べ終えて、三十分ほどの時間で、山姥のキヌの名前が決まった。
山場絹(やまばきぬ)。
それが彼女の戸籍上の名前となった。
「明日の月曜日は大急ぎで馴染みの弁護士さんに相談だわ。幼い時の風子と雷と違って、もう十六歳だものね。手続きがややこしそうだわ」
とフィラは大きくため息をついたが、
「あのう! 私、片付けを手伝います。教えて下さい、雷さん」
と身体は雷よりも少し大柄なのに、チョコチョコと雷の背中を追いかける様子を見てフィラは微笑んだ。
そこを偶然に、伊織に見られると、
「何、見てんのよ!」
とフィラは伊織に当たるのだった。
2025年5月7日
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私も伊織ですが、「伊織」は男女どっちもある名前ですよね。宮本伊織とか。
感想をありがとうございます。おしゃれでかっこ良く、男女で使える名前を考えました。伊織。とても良いお名前ですね。僕の本名はショボいので羨ましいです。
3ページまで読了です。
楽しそうな登場人物がたくさん出てくる予感。これから主人公がどんな物語に巻き込まれていくのか、楽しみですね!
感想をありがとうございます。楽しくて、少し切ない作品にしようと思っています。キャラ文芸大賞にエントリーしていますので、応援して頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。