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【6】二手に分かれて盗賊の砦を攻略!エイジャーらは人質と下女らの救出に向かうが!

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元女神の妹から「光の力は神の力」と急に言われても!

略して『もといも』です。

     東岡忠良(あずまおか・ただよし)

【6】二手に分かれて盗賊の砦を攻略!エイジャーらは人質と下女らの救出に向かうが!

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 お待ちしています。

──1──

「貴様。隠れ家は近いのか?」
 とケール隊長は案内人の賊に訊く。
「剣の山と魔物の森の境界辺りにある集落が新たな隠れ家でさあ」
 と話した後、
「それと『貴様』はねえだろう。ワシにだって『アクワール』という名前があるんでさあ」
 と言い、
「なあ。ワシは話したんだから罪は軽くなるんだろ?」
 とニタリと笑う。
「そうだな。考えておこう」
 とケール隊長が言うと、遠くの方に集落が見えた。空からだと分かりやすいが、地上からだと道から外れていて、かなり分かりにくい場所である。
 そこは剣の山と魔物の森の境界で、いくつか小屋が建ち並んでいるのが見えた。
「あそこだな。すまないがアユット殿。どこかに取りあえず下りて欲しい」
 と指示した。
「おう!」
 とアユットは言うと、適当な広場に下りて、左右の腕に乗っているケール隊長とアクワールを先に下ろし、首の付け根に乗っているマザリーをゆっくり下ろした。
「アユットさん。首のところって乗るの大変だよう~」
 とマザリーは文句を言う。
「仕方ねえだろ。乗り物じゃねえんだからよ~」
 とアユットは困り顔で返した。
「まったく、あんなところへ勝手に集落を作りおって。魔物の森を切り拓(ひら)いたりしたら、そこに住めなくなった動物が森を離れ、それを食料にしている怪物(モンスター)らが森から農村へ出てきてしまうではないか」
 とケール隊長。
 そして悔しそうに、
「そうなると、村に被害が出てしまう。連中はそんな簡単なことが分からないのか」
 と頭をゆっくりと左右に振った。
「隊長さんよ。ワシも含めて盗賊達なんざ、そんなことなんて想像もしておりまへんでしたわ」
 と言うと俯いて、
「ワシらは知らぬ間に愚かなことを繰り返していたことになりますなあ~。お恥ずかしい……」
 と暗い顔になった。
「まあ、反省してくれることはよいことだ」
 とケール隊長は言うと続けて、
「あのまま、空から下手に近づくと、正面からの戦闘に陥ってしまいます。そうなると人数の少ないこちらが不利になりますね」
 とエイジャーが言うと、全員が頷いた。
「あの様子だとまだ我々の存在に気づいていないだろう」
 とケール隊長。
 エイジャーは、
「間違いなく偵察隊は僕達が空を飛んで向かっていることは確認しているでしょう。ですが偵察隊があの砦(とりで)に到着するまでは時間があります」
 とエイジャー。
「その通り! だから、皆さんが正面から派手に、砦に攻撃を加えている隙に、私はこのアクワールと二人で敵地へ乗り込み、人質を助けようと考えています」
 と言うと、全員の顔色が変わった。
「それは危険です! 見つかれば多勢に無勢ですし、下手をすれば僕達の攻撃に巻き込まれてしまうかもしれません」
 とエイジャーが言うと、アユットが続いて、
「そうだぞ。あたいは本気で連中を攻撃するつもりだ。ドラゴンが本気になったら、あんな砦なんてアッという間に焼け野原にできるぜ」
 と言った。
「ちなみに人質の人数は分かるか?」
 とケール隊長はアクワールに訊(たず)ねた。
「十人くらいだな。あ! 言っとくけど、ワシは一切、女達には手を出してねえぜ。ワシには十五になる娘が砦で下女として働いているんでさあ。何度か親方に女を勧められたんじゃけんども、娘の顔が浮かんじまって、何もできなかったんでさあ……」
 と悲しそうに言った。
 そして、
「娘と変わらねえ歳なのによう……。運悪く盗賊になんぞ、捕まっちまってさあ。親方や総長の魔道師カムラになんぞに捕まっちまって……。可愛そうで見ちゃいられなかったぜ……」
 と鼻をすすった。
「アクワール。お主、真からの悪人ではないのか?」
 とケール隊長が言うと、
「ワシは元々は盗賊連中に襲われた小さな村に住んでいたんでさあ。それで仲間にならなければ、娘を連中の慰(なぐさ)み者にすると言われましてのう……」
 と悔し涙を流した。
「そういうことだったのね……」
 とマザリー。
「盗賊の中にはワシのように、家族を人質に取られていて、無理矢理働かさせられている者も少なくねえんでさあ。騎士樣。どうか、そういう連中もいることを、どうか考えておくんなせえ」
 と頭を下げた。
 ケール隊長は腕を組み、
「となると、方法は決まってくる。私とアユット殿そしてマザリー樣とイーナ樣とで、連中を正面から攻撃し、圧倒的な攻撃で降伏勧告を続けるという方法だ」
 それを訊いたエイジャーは、
「なるほど。それなら僕がアクワールさんとで人質を開放します」
 と言った。
 ケール隊長は、
「降伏勧告は残念ながら治安維持隊の私にしかできないのでな。本当は侵入する危険な仕事は、私がやるべきことなのだが……」
 と申し訳なさそうに言った。
「僕は大丈夫です。では僕はアクワールさんを連れて、低空から砦に近づきます。アユットによる遠距離攻撃が始まったら、中に潜入して人質を助けます。これでよろしいですか?」
 とエイジャーが言うと、
「非常に危険な任務ですが、お願いできますか? エイジャー樣」
「分かりました。微力を尽くします」
 と言い、
「時間がありません」
 と言うと、アクワールを縛っていたロープを、右人差し指先から小さく光力(ビームパワー)を出して切った。
「では皆さん、頼みます」
 と言い残して、エイジャーはアクワールを抱えて低く飛び、消えた。
 その二人を見つめながらマザリーが、
「ケール隊長さん。さっきの話。信じていいんですかね? もし! もしですよ! アクワールさんが助かりたい一心で、ウソを言っていたとしたら? 兄さんの身が危険に晒(さら)されるんじゃないですか?」
 と心配した。
「確かにおっしゃる通りです。ですが、今回の作戦はアクワールを信じるしかありません。さあ、出来るだけ派手に威嚇して、出来たら降伏させるように致しましょう」
 とケール隊長は言った。
「兄さん。どうか、ご無事で……」
 とマザリーが両手を組んで祈ると、イーナもアユットも同じように祈った。

──2──

「そろそろ、監視の櫓(やぐら)から見られてしめえやす。もっと出来たら木々の間を、縫うように飛んでもらえねえですかね」
 と初飛行のエイジャーに難しい要求をした。
「こうか?」
 とエイジャーは森の木々を縫うように飛ぶ。
「凄いですなあ~、旦那は。こんなことが出来るなんて。あっしは神力も魔力も三十ぐれえしかないんで、大したこたあ、できねえんでさあ~」
 と残念そうに言うと、
「僕は神力も魔力も【一】なんだよ。この力は最近分かった特別な力でね。これが分かるまでは家族以外からは無能扱いさ」
「またまた。ご冗談を~」
 と答えた。
 ドン! 
 と大きな音が聞こえた。
「今の音は?」
 と焦るアクワール。
「今のはアユットが竜の姿になって、火の玉を吐いた音だよ」
 とエイジャー。
「恐らく、威嚇のためだけの攻撃だと思うけど、調子に乗って盗賊達を焼き殺さなければいいのだが……」
 と言ったが、
「ドラゴン様でもそれは難しいかもしれやせんぜ。なんせ、盗賊側には」
 とアクワールが言った時に、盗賊の砦に防御魔法がかけられていて、いくつかの火の玉はぶつかると弾んで、剣山の中腹や四方八方に消えていき、そこら中で火柱が上がり、岩が崩れる音がした。
「今の防御魔法は何だ? かなり大掛かりな魔法だな」
 とエイジャーがアクワールに訊くと、
「ユースルの騎士樣達が、大勢で攻め寄せてもびくともしなかったのは、砦には大魔道師カムラ様がいるからでさあ」
 と眉間に皺(しわ)を寄せた。
「大魔道師カムラ。聞いたことある。若い頃は正義のために勇者らと共に旅をしたが、国を苦しめていた魔王幹部を倒したさいに、守った国王から危険人物として扱われたという」
「あっしは直接、聞きましたでさあ。その国王は力を持ち過ぎた勇者一行を、何か無理矢理に理由を付けては独房に入れたり、国外に追放したりしたそうでやす」
「酷い話だな」
「ええ。それでカムラ様が国王を殺した理由ですが、仲間だった美しき神官のメーラル様を」
「まさか……」
「はい……。元々好色だった国王は、メーラル様を強引にもて遊んだんです。それが原因でメーラル様は自ら命を絶ったとのことで……」
「……何ということだ……」
「怒り狂ったカムラ様は、その国のメーラル様を慕っていた人達からの魔力を集めて、城よりも巨大なファイヤー(ボール)を作り上げ、その国王の城を、王様らと共にこの世から消してしまったそうです」
 エイジャーはそれを聞き、
「その話が事実なら、いくらアユットが強いと言っても、無傷では済まないな」
 と言った時だった。
 砦の村の上の空に、一つの火の玉が昇ったかと思うと、村々から光が集まってきた。
「まずいな!」
 とエイジャーは咄嗟に、左右の腕を大きく動かして、アユットの前面に分厚目のバリアを作り出した。

──3──

 砦の村の盗賊達の魔力をかき集めたファイヤーが放たれた。
「アユット! 避けて!」
 とマザリーが叫んだが、
「ダッ! ダメだ! 早過ぎる!」
 とアユットは身体を丸めて背を向ける。自らを盾にして、マザリー、イーナ、ケール隊長を守ろうとした。
 眩しいくらいの炎がアユットの背中から上がった。
「アユット!」
 とイーナが叫ぶ。
 歯を食いしばっていたドラゴン姿のアユットだったが、
「ん? 痛くねえぞ?」
 と不思議に思い、振り返るとそこには白く光る光力(ビームパワー)で作られた縦長長方形の防御壁(バリア)があった。
「兄さんだわ!」
 とマザリーは笑顔になった。
「今、エイジャー様が砦に近づいたのが見えた……」
 とアユットは言いながら、三人を地上に下ろした。
「さあ! アユット、今から作戦開始よ!」
 とイーナが言うと、
ドラゴン姿のアユットは、
「旦那が……。エイジャー様が、あたいを守ってくれた……。嬉しい……」
 と身体をくねらせ始めた。
「ちょっと、何やっているのよ。早く反撃しなさいよ!」
「え? あ! ああ、分かった!」
 と身体を屈めると、近くにある岩をかき集めて、それを砦に投げ始めた。
「アユット……。あなた、何をやっているの?」
 とイーナ。
「え! 何って、反撃しているんだけど?」
「火を吹けばいいじゃない! 何で岩を投げているのよ!」
「いや、だってさ。もし、吹いた炎がエイジャー様に当たってしまったら、大変なことになるだろう。それだったら、岩を投げた方がいいかな、と思ってさ」
 それを聞いたイーナは呆れながら、
「アユット。あなたね。史上最強と噂されるドラゴンが現れてね」
「うん」
「盗賊の砦を襲おうって時によ」
「うん」
「盗賊側が強力なファイヤーを撃ってきたにも関わらず、かすり傷一つないドラゴンがよ」
「かすり傷もなかったのは、エイジャー様のお陰だけどな」
「そんなことはどうでもいいのよ! 盗賊達からすれば、とっておきのファイヤーを受けても、無傷のあなたに恐怖したはずよ」
「まあ、そうだろうな」
「そのドラゴンがよ」
「うん」
「反撃に岩を投げてどうするのよ!」
 とアユットを見上げているイーナは、怒りの形相である。
「だってさ。万が一、炎を吐いてさ。エイジャー様に当たってしまったらと思うとさ……」
 と俯く。
 イーナは大きくため息をついて、
「アユット。そんなの簡単じゃないの。同じ砦を攻撃するにしてもよ。出来るだけ建物がないところや、人が少ないところをわざと攻撃するのよ。そうすればお兄様には当たらないし、ドラゴンの恐ろしさを見せつけられるし、何より混乱させられるので、お兄様も仕事がやりやすくなるわ」
 と言うと、
「おお!」
 とドラゴン姿で、右手の拳を開いた左手を上にポンと載せた。
「なるほど! イーナ、お前、頭、良いな」
 とアユット。
「頭は良くないわよ! 普通よ! さあ、今言ったことをちゃんと実行なさい!」
 とイーナは砦のある方を指差した。
「おお! 任しとけ!」
 とイーナの指示通りに、上手く炎を吐き始め、盗賊らは混乱を起こし始めた。
「ねえ、イーナ」
「何ですか、お姉様」
「アユットさんって、こういうのは苦手なの?」
 と訊くと、
「アユットは一対一か、完全に相手を殲滅することはやったことはあるでしょうけど、こういう共同作戦は初めてだと思いますよ」
 と言いつつ、
「と言っても、余りに酷いです……」
 とイーナが呆れ気味に言うと、
「まあ、これからね。これから……」
 とマザリーも困り顔になった。
 すると、
「端から見ていると、イーナ様がまるでドラゴンを操っているように見えますね」
 とケール隊長が感心すると、
「隊長様。からかわないで下さい」
 とまだ十二歳のイーナは赤面した。
 
──4──

 その頃、盗賊の砦内への侵入に成功したエイジャーとアクワールは、真っ直ぐに人質の女達のところに辿り着いた。
「旦那! 監視がおりやせん。多分、応援に外へ行ったのでしょうな」
「そうみたいだな。これは助かる」
 とエイジャー。
 すると真っ先にアクワールは檻(おり)に近づき、
「お前達! 助けにきたぞ!」
 と鉄格子(てつこうし)を叩いた。
「アクワールさん……」
 と言った一人の若い女性が、重い足取りで歩いてきた。
「おお、サフィー。無事か!」
「アクワールさん……。みんなを助けて下さい……」
「おお。分かっている」
 と周りを見渡すと、
「畜生! 監視の奴ら、鍵を持って行ってやがる! クソッ!」
 と鉄製の檻の前に座り込んだ。
「アクワールさん……。こうして助けに来てくれただけでも嬉しいです……。ありがとう。本当にありがとうございます……」
 とサフィーと呼ばれた女は絶望のせいか、崩れ落ちるようにして、膝を地面に付けた。
「ここまで来て……。情けない……」
 と鉄格子を前に二人が悲しんでいると、
「二人共、檻(おり)から離れて! 早く!」
 とエイジャーは言って、近くにあったロープを鉄格子に結んだ。
「もしや、旦那はこの鉄でも切れるんですかい!」
 とアクワールは驚いている。
「それは分からない。やったことがないからね。今から切るから切れたのを見たら、このロープを引っ張って欲しい」
「なるほど。内側に倒れて、女達を怪我させないためでやんすね」
 とロープをピンと張って待った。
「皆さん、もっと後ろに下がって」
 と言うと、女達は一番奥に集まった。
 エイジャーは立てた右腕の先から銀の光の円盤を出した。
「『円盤光輪』」
 と言い、その銀の光の円盤を投げるようにすると鉄格子の上を通過し、エイジャーが右腕を引くような仕草をすると、光の円盤は鉄格子の下を通過して消えた。
「今です! 引っ張って!」
「よっしゃ!」
 とアクワールが力いっぱいに引くと、鉄格子は綺麗な切り口で切られていて、外側に大きな音を立てて倒れた。
「……凄い。今のは魔法ですか? でもあんな魔法は見たことがありません」
 とサフィーと女達は驚きを隠せないでいる。
「さあ、そんなことはどうでもいい。急いでここから離れて下さい」
 とエイジャーは指示した。
 サフィーを含めた比較的元気な女らは、弱って立つのもやっとの女三人を、両側から支えたりして、全員がそこからゆっくりだが脱出していく。
 だが、
「アクワールさん。あなたの娘さんは今はどこに?」
 とエイジャーが尋ねると、
「娘はここの砦で下女(げじょ)をしておりやす。いるとしたら、反対側の飯炊きの小屋だと思いやす」
「よし! すぐに助けに行こう!」
 と檻のあった小屋から出た。
 炎が飛んでくる方向を見ると、小屋と人を避けるように、アユットが炎を吐いていた。
 その時だった。
「ドラゴンよ! 我の命令に従い、動きを停止せよ!」
 と言う声がした。
 すると、ドラゴン姿のアユットの動きが止まった。いや、正確には動こうとしているのに、動けない状態と言ってよかった。
 見ると、数十人に囲まれた賊らの真ん中に、黒装束でうねった杖を持つ男が、何か呪文を唱えていた。
「あれは、カムラ様……」
 とアクワールは恐ろしさからなのか、震えながらその場に座り込んでしまった。
「あれが元凶の魔道師カムラか」
 エイジャーはこの男と命懸けの対決をする決心をつけた。 

登場人物。

エイジャー・ヘルムス。
 ハーブラブル王国御三家貴族の一つ、ヘルムス公爵家の父カロンデロス・ヘルムスと、母ソフィアの両親から生まれたヘルムス家唯一の嫡男。 
 十五歳現在の能力値(ステータス)は、
 知力『一三〇』。
 体力『一二〇』。
 精神力『一一五』。
 防御力『一〇八』。
 神力『一』。
 魔力『一』。
 そして能力計測器には現れない能力。
 光力『二九九九』
 を持っている。
 神力『一』魔力『一』は宿無しか奴隷くらいしかいないほど最弱の数字。
 しかし、実際には神しか持たない光力(ビームパワー)を中級の神レベルほど持っている。
 三兄妹はアユットらと共に、国立ユースル高等魔法学校に入学した。
セブンの技。
『エメリー光線』アユットを一撃で死に追いやった必殺技。光力(ビームパワー)を圧縮した額から出る光線技。
ウルトラの技。
『円盤光輪』
 右手に光の円盤が現れる。イーナから教わった光力(ビームパワー)を使った技。思ったところに投げられ、物を簡単に切り裂くことができる。生き物を切ると高熱のために血は一滴も出ない。
『スペシュー光線』
立てた右手の手首辺りに、左手先を添え発射される銀色または白色の熱線。
 ユースル高等魔法学校に姉妹のオマケ同然の状態で合格し、妹ら二人と通う。
 旅をする場合は、危険を避けるために偽名「サーダスト」を使っている。
 現在、馬車で首都『ユースル』に向かっている。一日目はヘルムス領『ニカル村』で宿泊。二日目は『剣の山』を避けて『魔物の森』での野宿をした。

マザリー・ヘルムス。
エイジャー・ヘルムスの双子の妹。
赤ん坊時の能力計測器の数値は、
 知力『一二八』。
 体力『一二〇』。
 精神力『四〇』。
 防御力『一三』。
 神力『ニ三〇』。
 魔力『ニ〇九』。
 献身的に兄エイジャー・ヘルムスを助ける秀才。男性から見て、胸と腰のサイズが大きいのが魅力だが、本人は気にしている。

イーナ・ヘルムス。
 エイジャー・ヘルムスの三つ下の妹。
 イーナ・ヘルムスの正体はエイジャーの転生を担当した女神イーナ。
 女神時代の記憶と光力を持つが、まだ新人である下級神であるために、
 能力計測器の数値は、
 知力『一〇〇』。
 体力『一三〇』。
 精神力『一〇〇』。
 防御力『一〇〇』。
 神力『二〇〇』。
 魔力『一〇〇』。
 光力『七五』。
 駆け出しの神であるために、元々神力『一七五』であったが、人として転生するために、光力『五〇』を神力『二〇〇』に、光力『五〇』を魔力『一〇〇』に変換して、この世界の平均値に合わせている。
 このため光力が使える人間は現在、エイジャー・ヘルムスと妹イーナ・ヘルムスだけである。
 イーナが人間として転生した理由は「エイジャーに光力の使い方を教えるため」だった。
 十二歳で可愛い顔立ちでまだ幼(おさな)さが残るが、その歳にしては大きな胸なのが悩み。

アユット・フォン・レッドドラゴン(レッドドラゴン竜族)。
 竜人族でもブラック・ホワイト・レッドが存在し、最も神に近い知的ドラゴン種族の一人。
 ヘルムス兄妹を突然襲うが、それはイーナに頼まれて、エイジャーの光力を目覚めさせるためだったが、エイジャーの光力(ビームパワー)が余りに強く死亡してしまう。
 だがエイジャーの光力を神力へ変換して、蘇生により生き返る。
 エイジャーは命の恩人であり、そして蘇生時に男子のエイジャーに胸を直接触られたこと(不可抗力でエイジャーに罪はない。)を運命の出会いだと感じている。
 胸のサイズはマザリーよりも大きくて立派。スタイルは完全に大人の女性で、顔も美しい。
 能力値(ステータス)は、
 知力『?』。
 体力『一〇〇〇』。
 精神力『?』。
 防御力『一三〇〇』。
 神力『?』。
 魔力『?』。
 光力はない。
 ※実際には体力と防御力を合わせた数値を、攻撃によってマイナスにされると死亡する。
 ※防御力は防具によって上昇する。実際、銀の鎧の力で防御力は『九〇』上がっていた。
 竜人族を蘇生させるには、神力『七〇〇〇』が必要。
 言葉遣いは場面によって使い分けている。
 レッドドラゴンの村長(むらおさ)の娘であり、姫なのだが本人の本当の性格は粗暴で、普段は「あたい」を使う。だが大切な場面や目上の者や重要な場面では「私」に変化する。
 
カロンデロス・ヘルムス。
 カロンデロス・ヘルムス公。通称カロン公爵と呼ばれている。
 ハーブラブル王国の御三家の一つのヘルムス家の現領主。
 慈悲深く、家族と領民を大切にする名君。    王宮の政(まつりごと)には関心があるが、宮廷内の謀略や陰謀などには、ほとんど興味がなく、逆に疎(うと)ましいと思っている。真面目で誠実で正義感が強い。

ソフィア。
 カロンデロス・ヘルムス公爵の正妻。他の貴族らには当たり前に存在する側室や妾がカロン公にはおらず、子供は全員、ソフィアから生まれた。心優しく慈悲深く絵に描いたような良妻賢母である。

キャスター。
 ヘルムス公爵家に使えるメイド。二十代後半の未婚女性で住み込みで働いている。
 家事は完璧で、特に料理が得意で、よくカロン公の妻ソフィアと共に、台所に立つことが多い。

剣山(つるぎやま)の盗賊。
 男ばかりの盗人(ぬすっと)の集団。
『魔法痕跡発見器』という青銅でできた真四角で、そこには半円に目盛りがあり、その目盛りを刺す針がついている魔法道具を持つ。
『魔力無効化石』という紫色に光る石を持つ。この石の大きさだと半径十五メート(十五メートル)では魔力を源とする魔法が使えなくなる。石の大きさにより、影響範囲が変わる。
 普段は特殊な鉛製の箱に入れられている。理由は魔力を無力化する力は鉛を通さないからである。
 二つ共、レアまでいかないが、珍しい魔法道具である。

ビース・ケール。
 ハーブラブル王国首都ユースル騎士団所属。第二治安維持隊長。
 エイジャーを「エイジャー樣」と呼ぶ。
 マザリーを「マザリー樣」と呼ぶ。
 イーナを「イーナお嬢様」と呼ぶ。
 アユットを「アユット殿」と呼ぶ。竜人は人間よりも神に近いとされているために、『殿』を付ける。
 第三者や部下にヘルムス家の者を紹介する場合は全員に『殿』を付けることもある。

マルクスリ・ヤーカス。
 ハーブラブル王国首都ユースル騎士団所属。第二治安維持副隊長。

アクワール。
 剣山の山賊だが、隠れ家への道案内をしているうちに、心から反省しケール隊長やエイジャーらに尽すことになる。
 元々、悪人ではなく娘を人質に取られ、仕方なく盗賊をしていた。
一人称は『ワシ』。

魔道師カムラ。
名のある有名魔道師。

サフィー。
盗賊に捕らえられていた女性。

2023年10月1日

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