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第四章 和人とミサ。二人の買い物。
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──1──
カレンダーは九月二十日。時間は午後八時前だった。
「バイクで二十分くらいのところのスーパーが夜中の十二時まで開いてるんだよ。規模はそんなに大きくないけど、大体の物は揃うところなんだよ」
と和人はミサに説明する。
「ただし、デザインとか種類は余りないんだけどいいかい?」
と訊いた。
「私は何でもいい。和人が選んで買ってくれた物なら何でも大丈夫だから」
「そっか。分かったよ」
和人は最初、祖父に小遣いの前借りをしようと思った。
緊張の面持ちで祖父の部屋へ行った。
祖父は旧式の立体テレビを見ている。
今の新型立体テレビは、等身大の三次元画像が表示されるのに、祖父の古いテレビは、小人のように小さな人物がニュースを読んでいる。
和人はいつ祖父に話しかけようかと迷っていた。
一切、興味のないニュース番組が始まり、立体テレビの中にキャスターが現れた。
「東南アジアの建国間もない『ユリチス王国』と『ミーナリス共和国』の交渉が決別しました。戦争を回避するために、ニュー国際連合体は両国の和平交渉に、アリス・青山・カークランド国連大使を派遣しました」
とニュースを読み上げると、
「おお。またこのお嬢さんか。大したものじゃて」
と感心している。
映った画像の人物はスタイルは良くて、かなりの美人であったが、年齢はどう見ても四十代後半である。
若い時はかなりの美人であったに違いないとは思ったが、
「おばさんじゃないか。なのに、じいちゃん、お嬢さんだなんて」
と苦笑した。
ニュースは続く。
「アリス・青山・カークランド国連大使は、今まで中東情勢やアフリカなどの紛争や戦争を、何度も回避と平和交渉をさせてきた実績があり、その手腕に国際的にも大いに期待されての派遣となります」
とキャスターが言った時だった。
「わしに用なんじゃろ。和坊」
と祖父は振り返った。ゆっくりと立ち上がり、引き出しから自分の財布を取り出すと、数枚の札を取り出し、
「これだけあったら足りるじゃろう」
と一人の女性が贅沢を言わなければ、下着から服や靴までを全て揃えることが出来るほどの、お金を渡そうとした。
そして、
「和坊。このお金は返さんでもええ」
「本当かい!」
「ああ。ただし、月曜日からちゃんと高校へ行け。毎日通って高校を卒業したら、あの子との同居を許そう。だが、また高校をサボるなら、あの子は施設へ行ってもらう」
和人の顔色が変わった。
「なんじゃ、その顔は? 和坊は否定しているが、高校に行かない本当の理由はイジメじゃなかろうな?」
と祖父。
「前も言ったけど本当に違うんだ。逆にみんなは優しいよ」
と以前から言っていることを繰り返す。
「ならなぜ、高校に行かない? もう行かなくなってから、二週間にはなるじゃろ」
和人は俯(うつむ)きながら、
「正直、僕、勉強がさっぱり分からないんだよ。特に国語と英語がさっぱりなんだ。数学もだけど。いや、社会も科学もかな」
「それはほとんどの教科が分からないってことかのう」
と祖父が苦虫を噛み潰したような表情になる。
「そういうことになるかな」
との和人の返事に、祖父は大きくため息をついた。
「今、通っている高校はそんなに難しくないはずじゃ。いや、どちらかと言えばレベルは低かったはずじゃが」
和人は歪んだ笑い方をして、
「僕はもうダメなんだよ。頭が悪くてさ。生きていたってしょうがないていうかさ」
そう言われたら、祖父は今までなら黙るしかなかった。だが、
「なら、あの子は養護施設行きだな」
「な! 何でだよ!」
「そりゃそうだろう。勉強がついていけなくて高校を中退した男が、あの娘っ子をどうやって養っていくっていうんだ!」
「そ……。それは……」
と和人は黙ってしまった。
「まさか、わしと同じ漁師とか言わないだろうな!」
祖父はこれでも水産大学を卒業している。この辺りでも有名な腕の良い漁師だった。
「そんなことは言わないよ……。じいちゃんと同じことが出来る訳ないじゃん」
と和人が言うと、
「いや! 出来る!」
と祖父は言い切った。
「わしだって一気に水産大学に行った訳じゃねえ。最初はただの高校へ通っていただけなんじゃ」
和人は黙って聞いていると、今回は違った。
「ほれ。金は持っていけ。それであの子に必要な物は全部、買ってやれ。それでお前は高校へ行け。さあ、約束しろ!」
と祖父は和人を睨んだ。
「ほれ、時間がないぞ! どうする!」
「分かったよ! 分かった。僕、高校へ行くよ。で何とかやり直してみるよ」
すると、ついさっきの厳しい表情が崩れて、いつもの優しい祖父の顔になった。
「そうじゃ。それでええ。お前のためにも、あの子のためにも、和坊は高校へ行き、しっかり勉強することじゃな」
少し沈黙があったが、
「分かった。何とかやってみる」
と言うと、男所帯のこの家にある服や靴をミサに身に着けさせ、外に出た。
空を仰いだが、星や月は見えなかった。雲で隠れてしまっているようである。
自分が最初に買って使わなくなったヘルメットをミサに被るように言った。サイズが大きくて、
「ミサの頭のサイズって、僕よりも小さいのか。身長は僕よりも高いのに」
と感心していると、
「これでいいの?」
と顎のところで止めるベルトをはめても緩そうである。
「ちょっと待ってな。調節するから」
と顎のベルトを短く調節した。
バイクに被せていたカバーを外す。
今時、流行らない黄色のオフロードバイクだった。中古の格安で購入した古いバイクだが、走ることには申し分ない。
和人はバイクに跨(またが)り、タンクに手を当てた。セキュリティセンサーが働いて、エンジンがかかる。
「乗れるかい?」
とミサに言った。
「うん」
と返事をして、ミサは両足をバイクの左に揃えて乗った。
「女の子はそういう乗り方をするかもしれないけど、その乗り方って振り落とされそうになって危ないんだよ」
「そうなの……」
「うん。だから、しっかりと跨いで。……そのう。僕に手を回してしっかりと捕まって欲しいんだ」
ミサは少し考えて、
「抱きつく感じでいい?」
とヘルメットを被っている和人の耳元で言った。
「うん。そうして欲しい。恥ずかしいかも。嫌かもだけど」
と申し訳なさそうに言うと、
「ううん。恥ずかしくないし、嫌じゃないよ」
とミサは一度、バイクから下りた。長い足でバイクを跨って、和人の身体に細く長い腕を回した。
「そう。それでいいよ」
と言いながらも、和人の背中には、ミサの柔らかい豊かな胸の感触がある。
「あ。あのう……。なんか、ごめん……」
と謝ると、
「和人……。もっとくっついてもいい?」
とより腕に力が入り、和人の背中にますます、ミサの胸の感触が増した。
「えっと。その……。落とされないようにするには、それくらいじゃないとダメだからね」
と大声で言い、
「じゃあ、出発するよ」
と出来るだけゆっくりとバイクを走らせた。
田舎の漁港の町並みが後ろに流れて行く。ヘッドライトが照らす先と、ライトアップされた少ない店舗の看板や、街灯に照らされたところだけが、視界に入ってくる。
信号だってそんなにはない。
少し広い道路に出る。和人は今までバイクに乗って、これ程安全運転をしたことはなかった。
それくらい今、自分は誰よりも大切な人を、バイクの後ろに載せているんだと、和人は思った。
信号待ちで、ちらりと空を見上げた。いつの間にか星が少しだけ輝いていたが、雲か山か建物に隠れているからだろう。
月は見えなかった。
──2──
「よし。着いたよ」
と二人は無事にスーパーマーケットへ到着した。
一階にあるバイク専用の駐車場に、バイクを停める。ミサはゆっくりとバイクから降りた。
スーパーマーケットは三階建で、屋上は自動車の駐車場になっているようで、この時間でも屋上に続くであろうスローブに車が時々上っていく。
「まずは」と武田和人はミサの容姿を見つめた。
「その男物の服を何とかしないとな」
と二階の婦人服売り場を目指した。
エスカレーターに乗ろうとすると、ミサは立ち止まった。
「どうしたの?」
「うん。ちょっと怖くって」
と言う。
「じゃあ、手を持ってあげるよ」
とミサの手を引きながら、エスカレーターで昇って行く。
「エスカレーターを知らないのかい。それとも忘れたかな?」
と和人が笑顔で言うと、
「ごめんなさい。分からないの……。ごめんなさい」
と俯いたので、
「いや、こちらこそ、ごめん。きっと忘れただけさ。その歳でエスカレーターに乗ったことがない人なんていないからさ」
と笑った。だが、和人はこの時、エスカレーターに怯(おび)えるミサに、何とも言えない違和感を覚えたのだった。
それでもミサのことは、好きになってしまったこともあり、出来るだけ気にしないようにした。
婦人服売り場では、小太りで中年女性店員に、今ここにある服飾の組み合わせで、靴以外の物で三セット揃えて欲しいと頼んだ。
「分かりました。任せて下さい。時間内に何とかしますので」
と親切そうなそのおばさんは、軽く両手でガッツポーズをした。名札には『村上』とあったので、
「では、よろしくお願いします。村上さん」
と女性の服を全く分からない和人は頭を下げてお願いした。
「素敵な彼女さんを、より一層素敵にしてみせますからね」
と言われ、
「そ! そんな、彼女じゃないですから。その何と言うか同級生で……」
とウソをついてしまった。
「あら。これは失礼しました。ではお嬢さん、こちらへ。ちょっと失礼するわね」
とメジャーで採寸を始めた。
「問題は、あなたは女性の中ではスタイルが良過ぎなことね。羨ましいくらいだわ」
と言いながら、テキパキと測った数字をメモに書いていく。
「これは、今ここにある商品だと、このお綺麗なお嬢さんの普段着なら、何とか揃えることが出来ますけど、お洒落な外出着はお取り寄せになります?」
と言った。
「すべて普段着で大丈夫です」
と和人が言うと、
「それと男性には言いにくいのですけど、その下着なんですが……」
と村上は心苦しそうな表情になり、
「お嬢さんはとても胸が大きくていらっしゃって、胸と下の両方セットで三着共、白色になりますがよろしいでしょうか?」
と言った。
和人は女性下着の話をされ緊張し、
「それでよろしいです」
と返した。
「分かりました。お任せ下さい。ではお嬢さんと彼氏さん、こちらに」
と言われ、
「僕、彼氏じゃないです……」
と言ったが、小声だったからか、村上には聞こえなかったのか、これ以降は和人は『彼氏さん』と言われた。
二人は下着売り場に誘導されて、村上が用意した下着を試着した。
「うん。大きな胸のお嬢さんですが、サイズがピッタリのブラジャーですね。彼氏さん、確認されますか?」
と和人は、村上に言われたが、
「いえ。村上さんにお任せします」
と背を向けたが、
「和人。見て。私にピッタリよ」
とミサの嬉しそうな声がした。
「そんなの見れないよ!」
と言った後、
「それと村上さん。申し訳ないのですが、一着セットは値札を外して、彼女に着せて欲しいんです。それとバイクできているので、下はズボンつまりパンツでお願いします」
と言った。続けて、
「すべてが揃うまで、あそこの休憩スペースにいます。揃ったら呼んで下さい」
と逃げるように、行こうとすると、
「和人。一緒に選んでくれないの?」
とミサは不安そうに言ったが、
「男の僕がミサの下着姿を見る訳には行かないからね。今は席を外すよ。でも普通の服は見させてもらうから安心してよ」
と笑うと、
「分かったわ。下着の方は早く終わらせるわ」
と言った。
和人は休憩スペースに着くと、大きなため息をしながら空いている椅子に座った。
「一回、うっかりミサの下着姿を見ちゃってるからな。いくら何でも二回も見たらダメだろ」
と独り言を言いながら、そこに置かれている三次元テレビを見た。
等身大の立体画像のタレントが、食レポをしていた。
「買い物が終わってお金が余ったら、食事にでも行くかな」
とつぶやきながら見ていると、ニュース速報が画像の上に表示された。
アリス・青山・カークランド国連大使を狙った爆弾テロがミーナリスの国際空港で発生。
と二度、字幕が流れた。
爆弾テロという過激なニュースであるにも関わらず、テレビのタレントはつまらない話に腹を抱えて笑っている。
「こういう速報って、好きな映画やアニメの時に流れると嫌なんだよね……」
と和人は独り言を言った。
するとしばらくしてから、店員の村上がやって来た。
「彼氏さん。下着の買い物が終わりましたので、今から服を選びます。お嬢さんが服はどうしても彼氏さんと一緒に選びたいとのことで、来ていただけますか?」
と声をかけてきた。
「はっ、はい! 今すぐ行きます!」
と慌てて立ち上がった。
──3──
九月二十日午後十時頃、九条亮介SSA(エス・エス・エー)事務所に一本の電話が入った。
「はい。こちら九条亮介Sランクシークレットエージェント事務所です」
とまだ、中学校の制服姿のままの柏木ミオが電話を取った。
「こんなに遅い時間にミオが電話を取らなくてもいい。俺が取るから」
と亮介は言ったが、ちょうど酒でも飲もうと冷蔵庫の近くに立っていたタイミングであった。
「はい……。はい……」と何度も返事をする。
そして、
「分かりました。九条さんに変わります」
と電話の転送ボタンを押した。
「ミオ。いつも言っているが『さん』は付けなくていいぞ」
と言うが、なかなか直してくれない。
「亮介さん。緊急の連絡みたいです。相手の方はニュー国際連合体日本支部の堂本様です」
とミオが伝えると、亮介は持っていたウイスキーの瓶を元の冷蔵庫の上の棚に戻すと、急いで自分の机に戻り、電話を取った。
「代わりました。九条です」
しばらく話を聞いていた亮介は、
「分かりました。では詳しい内容と資料があったらメールで送って下さい。目を通してから、こちらから必ず連絡します」
と言い、電話を切った。
「何だか、大変そうな依頼みたいだね」
とミオ。
「ああ。今、分かっていることは」
と言いながら、亮介はパソコンでニュースを確認する。
「これだな」と言うと、「私も見ていい?」と好奇心旺盛なミオが亮介の側までやってきた。
「ああ。普通に開示されているニュースは問題ないが……」
と言ったタイミングでちょうど、依頼者からメールが届いた。
「すまん。メールが読みたいんで、そのニュースは空間画像で見よう」
と亮介は、何もない空間を操作した。すると空間から画面が出てきた。画面の検索項目に『ユリチス王国』と『ミーナリス共和国』と入力すると出てきた。
速報だった。
アジアに新しく建国された隣り同士の国『ユリチス王国』と『ミーナリス共和国』だが、水源を巡って何度か紛争が起こっていた。
そしてついにユリチス王国が軍事行動を起こそうとした矢先、ミーナリス共和国の外務大臣が『ニュー国際連合体』へ相談した。
ニュー国際連合体からは、いくつもの紛争と戦争の勃発を止めた手腕のある『アリス・青山・カークランド』国連大使が早速、派遣された。
彼女は両国との平和交渉のために、ミーナリスのカルミ国際空港へ専用機で到着したが、爆発物によるテロが行われ、少なくとも国連大使スタッフらと、空港関係者ら合計三十人ほどの死傷者が出た。
被害者は病院に搬送されているが、アリス・青山・カークランド国連大使の生死は今のところ不明である。
なお、ミーナリスは警察と軍隊を使い、原因究明と犯人逮捕を急いでいる。
と言うものだった。
「爆弾テロかあ。怖いね」
とミオは素直な感想を口にした。
そして、
「国連大使の人は大丈夫なのかな? 助かっていて欲しいな。それで戦争をしっかりと止めて欲しいよ」
と中学生らしい感想を言った。
亮介は黙っていた。
普通に考えたら、国連大使という要人には、必ず予備の身体の医療器具『セカンド・サピエンス』が用意されている。
極端に言えば、脳だけでも助かっていたら、脳をセカンド・サピエンスに埋め込めば助かる。
余程の外科手術による失敗がない限り、命は助かり肉体も若返る。
言葉を発するくらいなら一日もかからないが、身体を激しく動かせるようになるには、少しリハビリは必要らしい。
そこで亮介は「まさか!」と感じる懸念を持った。
「この俺にニュー国際連合体から直接、依頼があるとしたら、この国連大使のセカンドが速やかに用意出来ないという事なのか?」
パソコンでメールを開いた。
このメールは特殊なセキュリティが掛けられています。解除するにはパスワードを入力して下さい。
と出た。
素早く長いパスワードを入力し、指紋認証をする。
ちなみにこのパスワードは、Sランクシークレットエージェントにだけ配られるものである。
つまり、SSA(エス・エス・エー)である九条亮介本人しか開けられないメールであった。
「ビンゴか」
と亮介はつぶやいた。
「ニュー国際連合体日本支部支部長の堂本です。
お世話になります。
ニュースでもうご存じだとは思いますが、アリス・青山・カークランド国連大使が、爆弾テロの被害に遭いました。
容態は芳(かんば)しくなく、すぐにでもセカンド・サピエンスへの脳移植が必要です。
ところがカークランド国連大使のセカンドを培養していたはずの、『日本セカンド培養カンパニー』に、すぐさま国連大使のセカンドをミーナリス共和国に搬送するよう依頼をしたが、一向に返事がありません。
このままでは国連大使は一週間以内に亡くなってしまいます。
そこで依頼ですが、
『アリス・青山・カークランド国連大使のセカンド・サピエンスを一週間以内にミーナリス共和国へ搬送して欲しい』
と言うものだった。
報酬は一流プロ野球選手の年俸ほどはあった。
亮介はすぐさま、自身のチップ式スマートフォンを空中に出し、超短距離転送でこのメールをコピーしてから、パソコンのメールを完全消去した。
「まずは『日本セカンド培養カンパニー』本社だな」
とつふやくと、
「ミオ。今から出る。結果によってはこちらに一週間ほどは帰ることが出来ないかもしれん」
と言いながら、掛けてあった上着を羽織り、いつも持ち歩いているスーツケースを掴んだ。
エレベーターの前に立つと、亮介はチップ式のスマートフォンを空中に出して電話をかけた。
「堂本さんですか? 九条です。ご依頼をお受けいたします」
2022年12月2日
※当サイトの内容、テキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
また、まとめサイト等への引用をする場合は無断ではなく、こちらへお知らせ下さい。許可するかを判断致します。
カレンダーは九月二十日。時間は午後八時前だった。
「バイクで二十分くらいのところのスーパーが夜中の十二時まで開いてるんだよ。規模はそんなに大きくないけど、大体の物は揃うところなんだよ」
と和人はミサに説明する。
「ただし、デザインとか種類は余りないんだけどいいかい?」
と訊いた。
「私は何でもいい。和人が選んで買ってくれた物なら何でも大丈夫だから」
「そっか。分かったよ」
和人は最初、祖父に小遣いの前借りをしようと思った。
緊張の面持ちで祖父の部屋へ行った。
祖父は旧式の立体テレビを見ている。
今の新型立体テレビは、等身大の三次元画像が表示されるのに、祖父の古いテレビは、小人のように小さな人物がニュースを読んでいる。
和人はいつ祖父に話しかけようかと迷っていた。
一切、興味のないニュース番組が始まり、立体テレビの中にキャスターが現れた。
「東南アジアの建国間もない『ユリチス王国』と『ミーナリス共和国』の交渉が決別しました。戦争を回避するために、ニュー国際連合体は両国の和平交渉に、アリス・青山・カークランド国連大使を派遣しました」
とニュースを読み上げると、
「おお。またこのお嬢さんか。大したものじゃて」
と感心している。
映った画像の人物はスタイルは良くて、かなりの美人であったが、年齢はどう見ても四十代後半である。
若い時はかなりの美人であったに違いないとは思ったが、
「おばさんじゃないか。なのに、じいちゃん、お嬢さんだなんて」
と苦笑した。
ニュースは続く。
「アリス・青山・カークランド国連大使は、今まで中東情勢やアフリカなどの紛争や戦争を、何度も回避と平和交渉をさせてきた実績があり、その手腕に国際的にも大いに期待されての派遣となります」
とキャスターが言った時だった。
「わしに用なんじゃろ。和坊」
と祖父は振り返った。ゆっくりと立ち上がり、引き出しから自分の財布を取り出すと、数枚の札を取り出し、
「これだけあったら足りるじゃろう」
と一人の女性が贅沢を言わなければ、下着から服や靴までを全て揃えることが出来るほどの、お金を渡そうとした。
そして、
「和坊。このお金は返さんでもええ」
「本当かい!」
「ああ。ただし、月曜日からちゃんと高校へ行け。毎日通って高校を卒業したら、あの子との同居を許そう。だが、また高校をサボるなら、あの子は施設へ行ってもらう」
和人の顔色が変わった。
「なんじゃ、その顔は? 和坊は否定しているが、高校に行かない本当の理由はイジメじゃなかろうな?」
と祖父。
「前も言ったけど本当に違うんだ。逆にみんなは優しいよ」
と以前から言っていることを繰り返す。
「ならなぜ、高校に行かない? もう行かなくなってから、二週間にはなるじゃろ」
和人は俯(うつむ)きながら、
「正直、僕、勉強がさっぱり分からないんだよ。特に国語と英語がさっぱりなんだ。数学もだけど。いや、社会も科学もかな」
「それはほとんどの教科が分からないってことかのう」
と祖父が苦虫を噛み潰したような表情になる。
「そういうことになるかな」
との和人の返事に、祖父は大きくため息をついた。
「今、通っている高校はそんなに難しくないはずじゃ。いや、どちらかと言えばレベルは低かったはずじゃが」
和人は歪んだ笑い方をして、
「僕はもうダメなんだよ。頭が悪くてさ。生きていたってしょうがないていうかさ」
そう言われたら、祖父は今までなら黙るしかなかった。だが、
「なら、あの子は養護施設行きだな」
「な! 何でだよ!」
「そりゃそうだろう。勉強がついていけなくて高校を中退した男が、あの娘っ子をどうやって養っていくっていうんだ!」
「そ……。それは……」
と和人は黙ってしまった。
「まさか、わしと同じ漁師とか言わないだろうな!」
祖父はこれでも水産大学を卒業している。この辺りでも有名な腕の良い漁師だった。
「そんなことは言わないよ……。じいちゃんと同じことが出来る訳ないじゃん」
と和人が言うと、
「いや! 出来る!」
と祖父は言い切った。
「わしだって一気に水産大学に行った訳じゃねえ。最初はただの高校へ通っていただけなんじゃ」
和人は黙って聞いていると、今回は違った。
「ほれ。金は持っていけ。それであの子に必要な物は全部、買ってやれ。それでお前は高校へ行け。さあ、約束しろ!」
と祖父は和人を睨んだ。
「ほれ、時間がないぞ! どうする!」
「分かったよ! 分かった。僕、高校へ行くよ。で何とかやり直してみるよ」
すると、ついさっきの厳しい表情が崩れて、いつもの優しい祖父の顔になった。
「そうじゃ。それでええ。お前のためにも、あの子のためにも、和坊は高校へ行き、しっかり勉強することじゃな」
少し沈黙があったが、
「分かった。何とかやってみる」
と言うと、男所帯のこの家にある服や靴をミサに身に着けさせ、外に出た。
空を仰いだが、星や月は見えなかった。雲で隠れてしまっているようである。
自分が最初に買って使わなくなったヘルメットをミサに被るように言った。サイズが大きくて、
「ミサの頭のサイズって、僕よりも小さいのか。身長は僕よりも高いのに」
と感心していると、
「これでいいの?」
と顎のところで止めるベルトをはめても緩そうである。
「ちょっと待ってな。調節するから」
と顎のベルトを短く調節した。
バイクに被せていたカバーを外す。
今時、流行らない黄色のオフロードバイクだった。中古の格安で購入した古いバイクだが、走ることには申し分ない。
和人はバイクに跨(またが)り、タンクに手を当てた。セキュリティセンサーが働いて、エンジンがかかる。
「乗れるかい?」
とミサに言った。
「うん」
と返事をして、ミサは両足をバイクの左に揃えて乗った。
「女の子はそういう乗り方をするかもしれないけど、その乗り方って振り落とされそうになって危ないんだよ」
「そうなの……」
「うん。だから、しっかりと跨いで。……そのう。僕に手を回してしっかりと捕まって欲しいんだ」
ミサは少し考えて、
「抱きつく感じでいい?」
とヘルメットを被っている和人の耳元で言った。
「うん。そうして欲しい。恥ずかしいかも。嫌かもだけど」
と申し訳なさそうに言うと、
「ううん。恥ずかしくないし、嫌じゃないよ」
とミサは一度、バイクから下りた。長い足でバイクを跨って、和人の身体に細く長い腕を回した。
「そう。それでいいよ」
と言いながらも、和人の背中には、ミサの柔らかい豊かな胸の感触がある。
「あ。あのう……。なんか、ごめん……」
と謝ると、
「和人……。もっとくっついてもいい?」
とより腕に力が入り、和人の背中にますます、ミサの胸の感触が増した。
「えっと。その……。落とされないようにするには、それくらいじゃないとダメだからね」
と大声で言い、
「じゃあ、出発するよ」
と出来るだけゆっくりとバイクを走らせた。
田舎の漁港の町並みが後ろに流れて行く。ヘッドライトが照らす先と、ライトアップされた少ない店舗の看板や、街灯に照らされたところだけが、視界に入ってくる。
信号だってそんなにはない。
少し広い道路に出る。和人は今までバイクに乗って、これ程安全運転をしたことはなかった。
それくらい今、自分は誰よりも大切な人を、バイクの後ろに載せているんだと、和人は思った。
信号待ちで、ちらりと空を見上げた。いつの間にか星が少しだけ輝いていたが、雲か山か建物に隠れているからだろう。
月は見えなかった。
──2──
「よし。着いたよ」
と二人は無事にスーパーマーケットへ到着した。
一階にあるバイク専用の駐車場に、バイクを停める。ミサはゆっくりとバイクから降りた。
スーパーマーケットは三階建で、屋上は自動車の駐車場になっているようで、この時間でも屋上に続くであろうスローブに車が時々上っていく。
「まずは」と武田和人はミサの容姿を見つめた。
「その男物の服を何とかしないとな」
と二階の婦人服売り場を目指した。
エスカレーターに乗ろうとすると、ミサは立ち止まった。
「どうしたの?」
「うん。ちょっと怖くって」
と言う。
「じゃあ、手を持ってあげるよ」
とミサの手を引きながら、エスカレーターで昇って行く。
「エスカレーターを知らないのかい。それとも忘れたかな?」
と和人が笑顔で言うと、
「ごめんなさい。分からないの……。ごめんなさい」
と俯いたので、
「いや、こちらこそ、ごめん。きっと忘れただけさ。その歳でエスカレーターに乗ったことがない人なんていないからさ」
と笑った。だが、和人はこの時、エスカレーターに怯(おび)えるミサに、何とも言えない違和感を覚えたのだった。
それでもミサのことは、好きになってしまったこともあり、出来るだけ気にしないようにした。
婦人服売り場では、小太りで中年女性店員に、今ここにある服飾の組み合わせで、靴以外の物で三セット揃えて欲しいと頼んだ。
「分かりました。任せて下さい。時間内に何とかしますので」
と親切そうなそのおばさんは、軽く両手でガッツポーズをした。名札には『村上』とあったので、
「では、よろしくお願いします。村上さん」
と女性の服を全く分からない和人は頭を下げてお願いした。
「素敵な彼女さんを、より一層素敵にしてみせますからね」
と言われ、
「そ! そんな、彼女じゃないですから。その何と言うか同級生で……」
とウソをついてしまった。
「あら。これは失礼しました。ではお嬢さん、こちらへ。ちょっと失礼するわね」
とメジャーで採寸を始めた。
「問題は、あなたは女性の中ではスタイルが良過ぎなことね。羨ましいくらいだわ」
と言いながら、テキパキと測った数字をメモに書いていく。
「これは、今ここにある商品だと、このお綺麗なお嬢さんの普段着なら、何とか揃えることが出来ますけど、お洒落な外出着はお取り寄せになります?」
と言った。
「すべて普段着で大丈夫です」
と和人が言うと、
「それと男性には言いにくいのですけど、その下着なんですが……」
と村上は心苦しそうな表情になり、
「お嬢さんはとても胸が大きくていらっしゃって、胸と下の両方セットで三着共、白色になりますがよろしいでしょうか?」
と言った。
和人は女性下着の話をされ緊張し、
「それでよろしいです」
と返した。
「分かりました。お任せ下さい。ではお嬢さんと彼氏さん、こちらに」
と言われ、
「僕、彼氏じゃないです……」
と言ったが、小声だったからか、村上には聞こえなかったのか、これ以降は和人は『彼氏さん』と言われた。
二人は下着売り場に誘導されて、村上が用意した下着を試着した。
「うん。大きな胸のお嬢さんですが、サイズがピッタリのブラジャーですね。彼氏さん、確認されますか?」
と和人は、村上に言われたが、
「いえ。村上さんにお任せします」
と背を向けたが、
「和人。見て。私にピッタリよ」
とミサの嬉しそうな声がした。
「そんなの見れないよ!」
と言った後、
「それと村上さん。申し訳ないのですが、一着セットは値札を外して、彼女に着せて欲しいんです。それとバイクできているので、下はズボンつまりパンツでお願いします」
と言った。続けて、
「すべてが揃うまで、あそこの休憩スペースにいます。揃ったら呼んで下さい」
と逃げるように、行こうとすると、
「和人。一緒に選んでくれないの?」
とミサは不安そうに言ったが、
「男の僕がミサの下着姿を見る訳には行かないからね。今は席を外すよ。でも普通の服は見させてもらうから安心してよ」
と笑うと、
「分かったわ。下着の方は早く終わらせるわ」
と言った。
和人は休憩スペースに着くと、大きなため息をしながら空いている椅子に座った。
「一回、うっかりミサの下着姿を見ちゃってるからな。いくら何でも二回も見たらダメだろ」
と独り言を言いながら、そこに置かれている三次元テレビを見た。
等身大の立体画像のタレントが、食レポをしていた。
「買い物が終わってお金が余ったら、食事にでも行くかな」
とつぶやきながら見ていると、ニュース速報が画像の上に表示された。
アリス・青山・カークランド国連大使を狙った爆弾テロがミーナリスの国際空港で発生。
と二度、字幕が流れた。
爆弾テロという過激なニュースであるにも関わらず、テレビのタレントはつまらない話に腹を抱えて笑っている。
「こういう速報って、好きな映画やアニメの時に流れると嫌なんだよね……」
と和人は独り言を言った。
するとしばらくしてから、店員の村上がやって来た。
「彼氏さん。下着の買い物が終わりましたので、今から服を選びます。お嬢さんが服はどうしても彼氏さんと一緒に選びたいとのことで、来ていただけますか?」
と声をかけてきた。
「はっ、はい! 今すぐ行きます!」
と慌てて立ち上がった。
──3──
九月二十日午後十時頃、九条亮介SSA(エス・エス・エー)事務所に一本の電話が入った。
「はい。こちら九条亮介Sランクシークレットエージェント事務所です」
とまだ、中学校の制服姿のままの柏木ミオが電話を取った。
「こんなに遅い時間にミオが電話を取らなくてもいい。俺が取るから」
と亮介は言ったが、ちょうど酒でも飲もうと冷蔵庫の近くに立っていたタイミングであった。
「はい……。はい……」と何度も返事をする。
そして、
「分かりました。九条さんに変わります」
と電話の転送ボタンを押した。
「ミオ。いつも言っているが『さん』は付けなくていいぞ」
と言うが、なかなか直してくれない。
「亮介さん。緊急の連絡みたいです。相手の方はニュー国際連合体日本支部の堂本様です」
とミオが伝えると、亮介は持っていたウイスキーの瓶を元の冷蔵庫の上の棚に戻すと、急いで自分の机に戻り、電話を取った。
「代わりました。九条です」
しばらく話を聞いていた亮介は、
「分かりました。では詳しい内容と資料があったらメールで送って下さい。目を通してから、こちらから必ず連絡します」
と言い、電話を切った。
「何だか、大変そうな依頼みたいだね」
とミオ。
「ああ。今、分かっていることは」
と言いながら、亮介はパソコンでニュースを確認する。
「これだな」と言うと、「私も見ていい?」と好奇心旺盛なミオが亮介の側までやってきた。
「ああ。普通に開示されているニュースは問題ないが……」
と言ったタイミングでちょうど、依頼者からメールが届いた。
「すまん。メールが読みたいんで、そのニュースは空間画像で見よう」
と亮介は、何もない空間を操作した。すると空間から画面が出てきた。画面の検索項目に『ユリチス王国』と『ミーナリス共和国』と入力すると出てきた。
速報だった。
アジアに新しく建国された隣り同士の国『ユリチス王国』と『ミーナリス共和国』だが、水源を巡って何度か紛争が起こっていた。
そしてついにユリチス王国が軍事行動を起こそうとした矢先、ミーナリス共和国の外務大臣が『ニュー国際連合体』へ相談した。
ニュー国際連合体からは、いくつもの紛争と戦争の勃発を止めた手腕のある『アリス・青山・カークランド』国連大使が早速、派遣された。
彼女は両国との平和交渉のために、ミーナリスのカルミ国際空港へ専用機で到着したが、爆発物によるテロが行われ、少なくとも国連大使スタッフらと、空港関係者ら合計三十人ほどの死傷者が出た。
被害者は病院に搬送されているが、アリス・青山・カークランド国連大使の生死は今のところ不明である。
なお、ミーナリスは警察と軍隊を使い、原因究明と犯人逮捕を急いでいる。
と言うものだった。
「爆弾テロかあ。怖いね」
とミオは素直な感想を口にした。
そして、
「国連大使の人は大丈夫なのかな? 助かっていて欲しいな。それで戦争をしっかりと止めて欲しいよ」
と中学生らしい感想を言った。
亮介は黙っていた。
普通に考えたら、国連大使という要人には、必ず予備の身体の医療器具『セカンド・サピエンス』が用意されている。
極端に言えば、脳だけでも助かっていたら、脳をセカンド・サピエンスに埋め込めば助かる。
余程の外科手術による失敗がない限り、命は助かり肉体も若返る。
言葉を発するくらいなら一日もかからないが、身体を激しく動かせるようになるには、少しリハビリは必要らしい。
そこで亮介は「まさか!」と感じる懸念を持った。
「この俺にニュー国際連合体から直接、依頼があるとしたら、この国連大使のセカンドが速やかに用意出来ないという事なのか?」
パソコンでメールを開いた。
このメールは特殊なセキュリティが掛けられています。解除するにはパスワードを入力して下さい。
と出た。
素早く長いパスワードを入力し、指紋認証をする。
ちなみにこのパスワードは、Sランクシークレットエージェントにだけ配られるものである。
つまり、SSA(エス・エス・エー)である九条亮介本人しか開けられないメールであった。
「ビンゴか」
と亮介はつぶやいた。
「ニュー国際連合体日本支部支部長の堂本です。
お世話になります。
ニュースでもうご存じだとは思いますが、アリス・青山・カークランド国連大使が、爆弾テロの被害に遭いました。
容態は芳(かんば)しくなく、すぐにでもセカンド・サピエンスへの脳移植が必要です。
ところがカークランド国連大使のセカンドを培養していたはずの、『日本セカンド培養カンパニー』に、すぐさま国連大使のセカンドをミーナリス共和国に搬送するよう依頼をしたが、一向に返事がありません。
このままでは国連大使は一週間以内に亡くなってしまいます。
そこで依頼ですが、
『アリス・青山・カークランド国連大使のセカンド・サピエンスを一週間以内にミーナリス共和国へ搬送して欲しい』
と言うものだった。
報酬は一流プロ野球選手の年俸ほどはあった。
亮介はすぐさま、自身のチップ式スマートフォンを空中に出し、超短距離転送でこのメールをコピーしてから、パソコンのメールを完全消去した。
「まずは『日本セカンド培養カンパニー』本社だな」
とつふやくと、
「ミオ。今から出る。結果によってはこちらに一週間ほどは帰ることが出来ないかもしれん」
と言いながら、掛けてあった上着を羽織り、いつも持ち歩いているスーツケースを掴んだ。
エレベーターの前に立つと、亮介はチップ式のスマートフォンを空中に出して電話をかけた。
「堂本さんですか? 九条です。ご依頼をお受けいたします」
2022年12月2日
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