指先

M子

文字の大きさ
9 / 24

しおりを挟む
「有紀~待ってたのよ!」

ガチャリと玄関の扉を開け
待ち侘びていたと言わんばかりに
声を上げる菜摘

「ごめんごめん、でも今日は意外と早く来れたでしょ?」

大人になった有紀は
綺麗に一本にまとまった髪
少しだけしてある化粧
清楚な感じ…

ああ
本当に看護婦さんだなって
思った

「有紀!お久しぶり!」

明日香は
菜摘の陰からひょっこり顔をだし
声をかけた

「明日香~!会いたかった~!元気だった?」

そう嬉しそうに答えると
低いヒールを脱ぎ
玄関を上がった

「晴美~有紀来たよ~!」

菜摘ははしゃいで子供の時のよう
スキップをしながらリビングに向かった

「有紀、きょう仕事だったんでしょ?ごめんね急に疲れてるのに…」

「ううん、慣れてるから平気菜摘に呼び出されるのは…だから気にしないで明日香!」

そう言って
明日香の肩を叩くと

「ほら、明日香も行こう!」

有紀はそう言って
リビングまで背中を押した

***

「数年ぶりの再会にカンパーイ!」

カシャンッ

菜摘がそう音頭をとると
綺麗なシャンパングラスが重なり鳴った

「おいしーーーー!」

そう言って一気に飲み干す菜摘

「まったく菜摘はのんべいだから」

「あら、有紀だって底なしでしょ~」

二人はニヤニヤしながら再びシャンパンを注いだ

「明日香も結構飲めるんでしょ?」

「私?そんなに飲めないよ~!いつも仕事のお付き合い程度だし…」

「そういえば明日香ってどんな仕事してるの?」

菜摘が今更?って感じで問いてきた

「IT関連よ、SEみたいな…」

「SEってなに?」

不思議そうな顔をして私を見る菜摘

この子は高校卒業後ずっと家事手伝いで家にいたから
あまり仕事の事に興味ないというか…疎いのか…

「システムエンジニアよ…パソコン使って新しい機械作ったりするの…!」

少し違うけど
菜摘にはこんな感じの説明で十分

「凄いねーうちの病院でも患者のカルテのデーターとかほとんどパソコンだもん!」

有紀は
やっぱりよくわかっているな

「所で晴美は結婚する前は何してたの?」

「えっ!私?」

まさかそんな質問されるなんて思ってなかったのか
あたふたする晴美

「晴美は有紀と同じ隣町で工場勤務してたんだよねー事務さんで!」

菜摘は晴美の事は何でも知ってるのよって感じで
癖のある鼻声で話す

「そこの息子さんが、なんと今の旦那様なのよね~!丁度帰郷した時に気に入られちゃって…ねっ!」

「へー、そんな偶然あるんだね!いいなあ!」

少しほろ酔い気分の明日香は少し羨ましがった
だって国家公務員でしょ中々出会えない上玉だもの

「で…でも菜摘の旦那様だっていつも優しいじゃない…子供の面倒見てくれるし…ウチのは出張ばかりだし」

晴美は少し寂しそうに大翔くんのベットの方を見た

「良くないよ~話なんかほとんど聞いてくれないし、休みの日は野球ばかりだし…つまらない人だよ」

菜摘はそう言いながらニヤニヤと
幸せさをアピールしていた

「ねえ、晴美…この間話した大翔くんのリハビリの話なんだけど…」

すると突然有紀が申し訳なさそうに言い出した

「やっぱり…やってみない?週一回でも…今より筋力だって上がるし…」

「ううん、前も言ったけど大丈夫よ!私が毎日身体揉んだり屈伸させたりしてるから!話はボードで出来るし…」

「でも…プロがやった方がもう少し…治りもいいのよ?」

「だから…いいのっ!」

突然晴美が大きな声で叫んだ

「あ…ごめんね、やだ、みんなの再会のパーティーなのに私ったら…」

晴美は下を向き席を立った

「まだ食事は沢山あるから持ってくるね」

そう言ってキッチンにかけっていった

「あーやっちゃった…何かゴメン私も今こんな事聞くべきじゃなかったね…」

明日香と菜摘に謝る有紀

「しかたないよ、晴美には大翔くんしかいないんだから」

とグラスを振りながら
冷たく言い放つ菜摘

「兎に角今の話はおっしまい!飲もう飲もう!」

菜摘はケロッと切り返すと有紀も

「そうね!」

と言って再びシャンパンを飲みほした

























しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

 【最新版】  日月神示

蔵屋
歴史・時代
 最近日月神示の予言本に不安を抱いている方もあると思うがまったく心配いらない。  何故なら日月神示では「取り越し苦労や過ぎ越し苦労はするな!」 「今に生きよ!」  「善一筋で生きよ!」  「身魂磨きをせよ!」  「人間の正しい生き方」  「人間の正しい食生活」  「人間の正しい夫婦のあり方」  「身も心も神さまからお借りしているのじゃから夜になって寝る前に神さまに一旦お返しするのじゃ。そうしたら身と心をどのようにしたらよいか、分かるじゃろ!」  たったのこれだけを守れば良いということだ。  根拠のない書籍や情報源等に惑わされてはダメだ。  日月神示も出口王仁三郎もそのようなことは一切言っていない。  これらの書籍や情報源は「日月神示」が警告する「臣民を惑わすものが出てくるから気をつけよ!」 という言葉に注目して欲しい。  今回、私は読者の皆さんに間違った解釈をされている日月神示を分かりやすく解説していくことにしました。  どうか、最後までお読み下さい。  日月神示の予言については、私が執筆中の「神典日月神示の真実」をお読み下さい。    

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

処理中です...