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探偵事務所「ソムリエ」
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世の中には、オッドアイというものが存在する。
オッドアイとは、眼の色が左右で異なる人の事を
言う。この街には、そんなオッドアイの
眼異探偵がいた。
ある街で、1人の女性がおしゃれな一軒家を
訪れていた。中に入ろうとして、ふと扉の前の看板
が目に入り、その看板には『ソムリエ』と
書かれていて『ソムリエ』という名前の一軒家だと
分かった。
扉を開けて中に入ると椅子に座っている1人の
男性の姿が見えた。男性は、デスク机の上に
手を組んだ状態で置いていて不思議な雰囲気の
人だった。
男性の方に近寄り、
「あなたが、探偵さんですか?」
質問すると男性は顔を上げて女性の目を見て
「はい。」
と質問に答えた。男性の顔をよく見ると
左右の眼の色が違う事に気づいて
右眼は、燃えるような火の赤色で血塗られた赤眼、
左眼は、雲1つ無い空の青色で透き通る様な青眼
だった。そして髪色はウルフヘアーの紫色で
後ろ髪の毛先や襟足は金髪で美の顔面を
お持ちだった。
男性は、女性に質問した。
「お嬢さん、どうしました」
その声は少し高いような低音ボイスで大人びた
話し方だった。女性が
「依頼をお願いしたいのですが....」
緊張気味な声で聞くと
「承知致しました。そちらに座って話を聞かせて
もらえますか」
男性は、正面の椅子を掌で指して女性は
その椅子に座った。男性が
「では、まずあなたのお名前を教えて下さい」
名前を聞くと女性は
「本嬢 恵(ほんじょうめぐみ)です」
名乗った後、
「あなたのお名前は?」
と聞き返した。男性は
「春夏秋冬 東(ひととせあずま)と申します」
自分の名前を名乗った。
そして東は、事情を聞いた。
「では、依頼の内容をお聞きします」
すると恵は
「私を....守ってください」
不安気に頼んだ。東は、その言葉が気になり、
「それは、どうゆう事でしょうか」
詳しく聞こうとした。恵は訳を話した。
「昨夜、家に帰ってポストを見たら脅迫状が
入ってたんです」
バックから1枚の手紙を取り出して東に渡した。
東は、手紙を受け取って内容を確認した。
『一月後、お前を殺す』
手紙には、殺害予告が書かれていて東は
「これは脅迫状と言うよりも殺人予告ですね」
恵に告げると、恵は
「怖くなっちゃって、ここに来たんです」
そう言い、東が
「分かりました。この依頼お受けします」
了承すると
「東さ~ん」
女性の高い声が聞こえて東と恵が声の方向を見た。
声の主は桃髪ロングヘアーの女性で
「ごめんなさい東さん、ケーキ焦がしちゃい
ました~」
申し訳なさそうに謝りながらケーキを持ってきた。
そして桃髪の女性は恵に気づいて目を合わせた。
すると恵は、女性の髪だけではなく目の色も
桃色だと気づいて
「桜色の、目?」
つぶやくと桃髪の女性は
「ごめんなさい!、依頼者が来てたんですか」
謝り、恵が聞いた。
「東さん、この子は?」
「彼女は僕の助手です」
「助手?」
そして桃髪の女性は
「初めまして!、
愛乃紅 季楽羅(あのべにきらら)です!」
自己紹介して、ニコッと笑った。東が
「ごめんね季楽羅、今は席を外してくれる?」
そう言うと
「は~い」
季楽羅は、奥の部屋に戻った。そして東は
「それでは、少しお話しましょうか」
依頼の話に戻した。
「まず、この手紙を誰が書いたのか、心当たり
ありませんか?」
「いえ、全く」
「そうですか。では、こちらで調査しますので
この手紙少しの間、預かっても構いませんか?」
「はい」
恵が答えると東は
「それと、あなたの連絡先を聞いてもいいですか」
そんな事を聞くと恵は
「はい!、もちろん!」
嬉しそうに答えて連絡先を交換した。その後、
恵を帰らせて東が考え始めると
「東さ~ん、夕食出来ましたよ~」
季楽羅の声が聞こえて、東は食卓に行き、
「ありがとう季楽羅」
お礼を言って2人で夕食を食べた。食べ終えた後、
東は推理を始めて季楽羅が皿洗いしながら
「今日依頼に来てた人、綺麗な方でしたね」
東に話しかけたが、東は無視して
「季楽羅、この手紙どう思う?」
そう聞いて手紙を見せた。季楽羅は手紙を見て
「何ですかこれ、イタズラですかぁ?」
迷惑そうに聞くと
「僕も同意だよ」
東はそう答えた。季楽羅は妙に思って聞いた。
「珍しいですね、東さんが依頼者が困ってる事に
イタズラだと思ってるなんて」
「でもまだ、なぜこんな事したのかは分かって
ないけどね」
「だから明日、調査をするんだけど季楽羅も
協力してくれる?」
「はい!、もちろん!」
東に頼まれて季楽羅は笑顔で了承した。
翌日、調査を始めた。
2人は、それぞれで行動する事に決めて、東が
恵の家を見張り、季楽羅は恵が職場に行くまでの
道のりを尾行する。そして恵が出勤する時間に
なり、恵が家から出た事を確認して季楽羅は
ついて行った。その間、東は恵の家の玄関前まで
行き、小さな針のような物を取り出して家の扉を
ピッキングして開けた。
中に入り、白手袋をして家の中を調べていった。
キッチン、寝室、お風呂場、トイレと順番に
調べていき、最後に恵の部屋に入ると
あり得ない光景が眼に入った。その日の調査は
終わり、季楽羅と事務所に帰り、出来事をお互いに
話した。
「恵さん、普通に会社に向かってました。でも
なぜか遠回りをして私たちの事務所の前を通って
行ってたんです」
季楽羅から話を聞いた東は
「なるほど」
理解して呟き、季楽羅は
「何でわざわざ通ったんですかねー?」
疑問口調で独り言を言い、
「ところで、東さんの方はどうだったんですか?」
そう聞くと東は
「特に何も無かったよ。ずっと家の前で見張ってた
けど怪しい人は誰も来なかった」
嘘を話した。季楽羅は東の話を信じて
「じゃぁ、特に手掛かりは無しですね~」
落ち込みながら言って、東が
「そうだね、今日はとりあえず寝ようか。季楽羅、
疲れたでしょ?」
そう言うと季楽羅は
「そうですね。おやすみなさ~い」
眠そうにしながら言い、自分の部屋に入った。
その夜、東は
「今から2人きりで会えませんか?」
誰かと電話をしていた。東は1人で事務所を出て
近くの薄暗い橋下に行くと恵がいた。恵は
「東さん、こんばんは」
挨拶して東は
「こんばんは、恵さん」
挨拶した。恵が
「こんな夜中にどうしたんですか?、急に2人で
会いたいなんて」
嬉しそうに照れながら聞くと東は謎解を伝えた。
「実は犯人が分かったんです」
「え!?、本当ですか!?」
恵は驚いて言い、東が
「はい。犯人は.....あなたです」
恵を指差して言った。指差された恵は困惑した。
「え?、私?」
「はい。あなたです」
「何言ってるんですか、東さん」
「そろそろ嘘臭い芝居はやめてください」
「いったい何の事ですか?」
「その演技は、もう通用しませんよ。僕の
この眼からは誰も逃れられません」
そう言って東は数枚の写真を渡した。すると恵は
「え?、どうしてこれを....」
唖然として聞き、東が
「すみません、勝手にお部屋拝見させてもらい
ました」
そう言うと恵は
「はぁー」
ため息をついて聞いた。
「じゃぁ、全部見ちゃったんですね」
「はい。この眼でばっちりと」
「どおりで何枚か無くなってるなーって思ってた
んですよ、私の東さんコレクション」
「驚きましたよ。あなたの部屋に入った瞬間に
壁一面僕の写真が貼ってたので」
そう言われた恵は
「私は、ある時からあなたに一目惚れして
それから大好きになっていったんです。今じゃ
好きで好きで、どうしようもない程たまらなく
愛おしいんです」
笑顔で話し、東が聞いた。
「でも、どうしてあんな手紙がきたと嘘を
言ったんですか?」
「探偵なら殺害予告や脅迫状がきたら依頼人を
守るために傍にいてくれると思ったんです。
でも東さんは、あの日私をあっさり帰らせた。
【 僕が守ります。】なんて言ってくれなかった」
恵は不機嫌そうに話すと東が
「だから脅迫状がきたと嘘をついたんですね。
でもどうして一月後と書いたんですか?」
そう聞き、恵は再び話した。
「別に期間は何でも良かったんです。あなたが私を
守るために私の家に来てくれれば、そのまま一緒に
暮らそうと考えてただけなので」
「あなたの最終的な目的は監禁だったんですか」
「監禁なんて、そんな怖い事しませんよ~。
ただ東さんの隣で永遠に居られれば良かったんです」
「すみません。その野望、僕が壊しちゃいましたね」
「はい。東さん、どうして私の傍に
ついてくれなかったんですかぁ」
「最初から嘘だと分かっていたからです」
東が妙な事を言うと恵は
「え?、最初から?」
疑問を聞き、東は眼の秘密を話した。
「はい。この眼は嘘を見破るので」
「どうゆう事?」
「僕の眼は特殊で、右眼だけで見ると人の死ぬ時の
光景が見えて、左眼だけで見ると数分先の未来が
見えて、両眼で見ると人の嘘が見えるんです」
「じゃぁ、まさか....初めて会った時から私の嘘が
分かってたの?」
「はい」
東は堂々と答えて
「では、警察に行きましょうか」
そう言い、近寄ろうとした時、恵は
「でも終わるのは私だけじゃないわ!、あなたも
終わるわよ。勝手に私の家に入った。
住居侵入罪よ!」
煽りを言った。東は
「確かに、その通りですが、証拠が無いですよね」
嫌味のように言い、恵は
「チっ!」
舌打ちしてバックからナイフを取り出して
「もうあんたなんかいらない.....
ここで、死ねぇーー!」
叫びながら東の方に走って行き、刺し殺そうと
した瞬間、東は右眼を閉じて左眼だけで相手を
見てナイフがくる方向とは逆方向に避けて
恵の首に手刀を当てて気絶させた。
恵は、その場で倒れて東は意識を失った恵に
「恵さん。どんなに好きでも罪を犯してまで
狂愛になってはいけませんよ」
恐怖の表情で言った。その後、東は恵を警察署に
連れて行き、事件は解決した。
そして事務所に帰り、その日は眠った。
翌日、季楽羅が
「それじゃぁ東さん、今日も恵さんの調査
始めましょうか!」
張り切って言うと東は
「いや、調査は行かなくていいよ」
そう伝えて季楽羅は
「どうしてですか?」
疑問を聞いた。東は
「恵さんから今朝、連絡があって脅迫状を
送ってきた犯人は捕まったらしいよ」
嘘を言うと季楽羅は
「そうなんですか!?、じゃぁ一件落着ですね!」
嬉しそうに言い、ニコッと笑った。
だが、東は
「うん。....そうだね」
辛そうな表情で言い、コーヒーを飲んで
右眼だけで季楽羅を見た。すると、
とんでもない光景が見えて
(まだ、君の事件が終わっていないけどね)
心で季楽羅に伝えた。
オッドアイとは、眼の色が左右で異なる人の事を
言う。この街には、そんなオッドアイの
眼異探偵がいた。
ある街で、1人の女性がおしゃれな一軒家を
訪れていた。中に入ろうとして、ふと扉の前の看板
が目に入り、その看板には『ソムリエ』と
書かれていて『ソムリエ』という名前の一軒家だと
分かった。
扉を開けて中に入ると椅子に座っている1人の
男性の姿が見えた。男性は、デスク机の上に
手を組んだ状態で置いていて不思議な雰囲気の
人だった。
男性の方に近寄り、
「あなたが、探偵さんですか?」
質問すると男性は顔を上げて女性の目を見て
「はい。」
と質問に答えた。男性の顔をよく見ると
左右の眼の色が違う事に気づいて
右眼は、燃えるような火の赤色で血塗られた赤眼、
左眼は、雲1つ無い空の青色で透き通る様な青眼
だった。そして髪色はウルフヘアーの紫色で
後ろ髪の毛先や襟足は金髪で美の顔面を
お持ちだった。
男性は、女性に質問した。
「お嬢さん、どうしました」
その声は少し高いような低音ボイスで大人びた
話し方だった。女性が
「依頼をお願いしたいのですが....」
緊張気味な声で聞くと
「承知致しました。そちらに座って話を聞かせて
もらえますか」
男性は、正面の椅子を掌で指して女性は
その椅子に座った。男性が
「では、まずあなたのお名前を教えて下さい」
名前を聞くと女性は
「本嬢 恵(ほんじょうめぐみ)です」
名乗った後、
「あなたのお名前は?」
と聞き返した。男性は
「春夏秋冬 東(ひととせあずま)と申します」
自分の名前を名乗った。
そして東は、事情を聞いた。
「では、依頼の内容をお聞きします」
すると恵は
「私を....守ってください」
不安気に頼んだ。東は、その言葉が気になり、
「それは、どうゆう事でしょうか」
詳しく聞こうとした。恵は訳を話した。
「昨夜、家に帰ってポストを見たら脅迫状が
入ってたんです」
バックから1枚の手紙を取り出して東に渡した。
東は、手紙を受け取って内容を確認した。
『一月後、お前を殺す』
手紙には、殺害予告が書かれていて東は
「これは脅迫状と言うよりも殺人予告ですね」
恵に告げると、恵は
「怖くなっちゃって、ここに来たんです」
そう言い、東が
「分かりました。この依頼お受けします」
了承すると
「東さ~ん」
女性の高い声が聞こえて東と恵が声の方向を見た。
声の主は桃髪ロングヘアーの女性で
「ごめんなさい東さん、ケーキ焦がしちゃい
ました~」
申し訳なさそうに謝りながらケーキを持ってきた。
そして桃髪の女性は恵に気づいて目を合わせた。
すると恵は、女性の髪だけではなく目の色も
桃色だと気づいて
「桜色の、目?」
つぶやくと桃髪の女性は
「ごめんなさい!、依頼者が来てたんですか」
謝り、恵が聞いた。
「東さん、この子は?」
「彼女は僕の助手です」
「助手?」
そして桃髪の女性は
「初めまして!、
愛乃紅 季楽羅(あのべにきらら)です!」
自己紹介して、ニコッと笑った。東が
「ごめんね季楽羅、今は席を外してくれる?」
そう言うと
「は~い」
季楽羅は、奥の部屋に戻った。そして東は
「それでは、少しお話しましょうか」
依頼の話に戻した。
「まず、この手紙を誰が書いたのか、心当たり
ありませんか?」
「いえ、全く」
「そうですか。では、こちらで調査しますので
この手紙少しの間、預かっても構いませんか?」
「はい」
恵が答えると東は
「それと、あなたの連絡先を聞いてもいいですか」
そんな事を聞くと恵は
「はい!、もちろん!」
嬉しそうに答えて連絡先を交換した。その後、
恵を帰らせて東が考え始めると
「東さ~ん、夕食出来ましたよ~」
季楽羅の声が聞こえて、東は食卓に行き、
「ありがとう季楽羅」
お礼を言って2人で夕食を食べた。食べ終えた後、
東は推理を始めて季楽羅が皿洗いしながら
「今日依頼に来てた人、綺麗な方でしたね」
東に話しかけたが、東は無視して
「季楽羅、この手紙どう思う?」
そう聞いて手紙を見せた。季楽羅は手紙を見て
「何ですかこれ、イタズラですかぁ?」
迷惑そうに聞くと
「僕も同意だよ」
東はそう答えた。季楽羅は妙に思って聞いた。
「珍しいですね、東さんが依頼者が困ってる事に
イタズラだと思ってるなんて」
「でもまだ、なぜこんな事したのかは分かって
ないけどね」
「だから明日、調査をするんだけど季楽羅も
協力してくれる?」
「はい!、もちろん!」
東に頼まれて季楽羅は笑顔で了承した。
翌日、調査を始めた。
2人は、それぞれで行動する事に決めて、東が
恵の家を見張り、季楽羅は恵が職場に行くまでの
道のりを尾行する。そして恵が出勤する時間に
なり、恵が家から出た事を確認して季楽羅は
ついて行った。その間、東は恵の家の玄関前まで
行き、小さな針のような物を取り出して家の扉を
ピッキングして開けた。
中に入り、白手袋をして家の中を調べていった。
キッチン、寝室、お風呂場、トイレと順番に
調べていき、最後に恵の部屋に入ると
あり得ない光景が眼に入った。その日の調査は
終わり、季楽羅と事務所に帰り、出来事をお互いに
話した。
「恵さん、普通に会社に向かってました。でも
なぜか遠回りをして私たちの事務所の前を通って
行ってたんです」
季楽羅から話を聞いた東は
「なるほど」
理解して呟き、季楽羅は
「何でわざわざ通ったんですかねー?」
疑問口調で独り言を言い、
「ところで、東さんの方はどうだったんですか?」
そう聞くと東は
「特に何も無かったよ。ずっと家の前で見張ってた
けど怪しい人は誰も来なかった」
嘘を話した。季楽羅は東の話を信じて
「じゃぁ、特に手掛かりは無しですね~」
落ち込みながら言って、東が
「そうだね、今日はとりあえず寝ようか。季楽羅、
疲れたでしょ?」
そう言うと季楽羅は
「そうですね。おやすみなさ~い」
眠そうにしながら言い、自分の部屋に入った。
その夜、東は
「今から2人きりで会えませんか?」
誰かと電話をしていた。東は1人で事務所を出て
近くの薄暗い橋下に行くと恵がいた。恵は
「東さん、こんばんは」
挨拶して東は
「こんばんは、恵さん」
挨拶した。恵が
「こんな夜中にどうしたんですか?、急に2人で
会いたいなんて」
嬉しそうに照れながら聞くと東は謎解を伝えた。
「実は犯人が分かったんです」
「え!?、本当ですか!?」
恵は驚いて言い、東が
「はい。犯人は.....あなたです」
恵を指差して言った。指差された恵は困惑した。
「え?、私?」
「はい。あなたです」
「何言ってるんですか、東さん」
「そろそろ嘘臭い芝居はやめてください」
「いったい何の事ですか?」
「その演技は、もう通用しませんよ。僕の
この眼からは誰も逃れられません」
そう言って東は数枚の写真を渡した。すると恵は
「え?、どうしてこれを....」
唖然として聞き、東が
「すみません、勝手にお部屋拝見させてもらい
ました」
そう言うと恵は
「はぁー」
ため息をついて聞いた。
「じゃぁ、全部見ちゃったんですね」
「はい。この眼でばっちりと」
「どおりで何枚か無くなってるなーって思ってた
んですよ、私の東さんコレクション」
「驚きましたよ。あなたの部屋に入った瞬間に
壁一面僕の写真が貼ってたので」
そう言われた恵は
「私は、ある時からあなたに一目惚れして
それから大好きになっていったんです。今じゃ
好きで好きで、どうしようもない程たまらなく
愛おしいんです」
笑顔で話し、東が聞いた。
「でも、どうしてあんな手紙がきたと嘘を
言ったんですか?」
「探偵なら殺害予告や脅迫状がきたら依頼人を
守るために傍にいてくれると思ったんです。
でも東さんは、あの日私をあっさり帰らせた。
【 僕が守ります。】なんて言ってくれなかった」
恵は不機嫌そうに話すと東が
「だから脅迫状がきたと嘘をついたんですね。
でもどうして一月後と書いたんですか?」
そう聞き、恵は再び話した。
「別に期間は何でも良かったんです。あなたが私を
守るために私の家に来てくれれば、そのまま一緒に
暮らそうと考えてただけなので」
「あなたの最終的な目的は監禁だったんですか」
「監禁なんて、そんな怖い事しませんよ~。
ただ東さんの隣で永遠に居られれば良かったんです」
「すみません。その野望、僕が壊しちゃいましたね」
「はい。東さん、どうして私の傍に
ついてくれなかったんですかぁ」
「最初から嘘だと分かっていたからです」
東が妙な事を言うと恵は
「え?、最初から?」
疑問を聞き、東は眼の秘密を話した。
「はい。この眼は嘘を見破るので」
「どうゆう事?」
「僕の眼は特殊で、右眼だけで見ると人の死ぬ時の
光景が見えて、左眼だけで見ると数分先の未来が
見えて、両眼で見ると人の嘘が見えるんです」
「じゃぁ、まさか....初めて会った時から私の嘘が
分かってたの?」
「はい」
東は堂々と答えて
「では、警察に行きましょうか」
そう言い、近寄ろうとした時、恵は
「でも終わるのは私だけじゃないわ!、あなたも
終わるわよ。勝手に私の家に入った。
住居侵入罪よ!」
煽りを言った。東は
「確かに、その通りですが、証拠が無いですよね」
嫌味のように言い、恵は
「チっ!」
舌打ちしてバックからナイフを取り出して
「もうあんたなんかいらない.....
ここで、死ねぇーー!」
叫びながら東の方に走って行き、刺し殺そうと
した瞬間、東は右眼を閉じて左眼だけで相手を
見てナイフがくる方向とは逆方向に避けて
恵の首に手刀を当てて気絶させた。
恵は、その場で倒れて東は意識を失った恵に
「恵さん。どんなに好きでも罪を犯してまで
狂愛になってはいけませんよ」
恐怖の表情で言った。その後、東は恵を警察署に
連れて行き、事件は解決した。
そして事務所に帰り、その日は眠った。
翌日、季楽羅が
「それじゃぁ東さん、今日も恵さんの調査
始めましょうか!」
張り切って言うと東は
「いや、調査は行かなくていいよ」
そう伝えて季楽羅は
「どうしてですか?」
疑問を聞いた。東は
「恵さんから今朝、連絡があって脅迫状を
送ってきた犯人は捕まったらしいよ」
嘘を言うと季楽羅は
「そうなんですか!?、じゃぁ一件落着ですね!」
嬉しそうに言い、ニコッと笑った。
だが、東は
「うん。....そうだね」
辛そうな表情で言い、コーヒーを飲んで
右眼だけで季楽羅を見た。すると、
とんでもない光景が見えて
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心で季楽羅に伝えた。
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