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異世界生活
第25話〜翔〜
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婆さんの店に到着した。
婆さんの店にはペガサスは入らないため、近くの空いたスペースで待ってもらうことにした。
ペガサスが横たわるや否や子供達が挙って鬣や羽を触ったり、撫でたりしていた。
ペガサスもそれ程嫌でないらしく、子供達の好きなように遊ばせてあげていた。
「久し振りだな。ばあさん」
「おう、お主か。こんな昼間に何用じゃ?」
「そうだ、まだばあさんには話してなかったがダンジョンで裏ルートに発見したんだ。」
「ほう。初めて間もないDランク冒険者がもう見つけおったか。
なかなか運がいいのう。」
やはり、裏ルートの発見は相当珍しいものみたいだ。
「そこで階層をクリアした時に手に入れた召喚石でペガサスを召喚したんだが、自分なりにいくつも考えてみたんだが、どれも気に入らないらしい。
何かいい名前を考える手立てはないか?」
「そうじゃのう。
基本的に魔物は召喚した主人が付ける名前は喜んで受けるものなんじゃが、まれに知能が高い高ランクの魔物に名付けを行うときに、拒否する個体があるようだとこれまでの研究でわかっておるな。
しかし無数にある名前の候補から魔物がつけて欲しい名前を考えて付けるのは不可能に近い。」
「そうなのか。
しかしそうなってくると、名付けせずに従魔として行動を共にしているということか?」
「そう考えてしまいがちだが、ここには面白い法則が成り立っているんじゃ。
わしらは従魔が付けて欲しい名前を真名と呼んでおる。
対して真名を付けるまでの仮の名前を仮名と呼んでおる。
真名を名付けることが出来るまで、仮の呼称として仮名で名前を呼ぶというわけじゃな。
仮名で名前を呼び、心からの信頼を得て、一心同体となった時、自然と心から浮かんで来るそうじゃ。
真名を名付けた暁には従魔は仮名の時とは比較にならないほど高い知能とステータスを持つ、一段階上の存在になるのじゃ。
先人がこれを従魔解放と名付けた。
ちなみにじゃが、従魔解放をした従魔は皆、人の語を操り、主人と言葉を通して、また心でも話し合えるようになると言われておる。
実際には人の語を喋っているのではなく、お互いがお互いの言葉を理解しているために話すことが出来ているから、赤の他人が喋りかけても、ただ鳴き声が聞こえるだけじゃがのう。
さて、色々と説明したが、要するに言いたいことは仮名を付けてペガサスと信頼関係を築き、真名をいつか付けれるようにすべし、と言うことじゃ。」
なるほど、かなり詳しく説明してくれたおかげで大体のことはわかった。
ん?まてよ?
「俺はいくつも名前を考えたが、仮名としてでさえ、一つも了承されてないぞ?」
「そうじゃったな、仮名の付け方をいうのを忘れておったわい。
仮名を唱えながら自分の血を従魔の額に馴染ませるんじゃ。
まだ詳しくはわかっておらぬが、この時馴染ませた血は触媒のような働きがなされて、付けた途端に綺麗さっぱり無くなってしまう。
まあその仕組みのお陰で綺麗な従魔が鮮血に染まる光景にならないようになっているのう。
名付けに関してはこんなところかのう。
また困ったことがあればなんでも相談するとよいぞ。」
そういってくれるのは有難いが、正直このばあさんは何とも言えない不思議な雰囲気を醸し出しているから、あまりお世話になりたく無いのが本音だ。
「そうか、非常に助かった。
礼を言う。
何か一つ買わせてもらうのが筋なんだろうが、別段欲しい物もない。
次回何か礼に持ってくるとしよう。」
店を出た俺はペガサスの元へ戻った。
相変わらず、その珍しさから子供達につつかれたり撫でられたり子供達のおもちゃとなっていた。
ペガサスの名付けはこの場所では難しそうなので、近くの森まで飛んでいってもらった。
飛び立つ瞬間子供達だけでなく周りにいた大人達も一斉に注目し、初めて見る空を飛ぶ馬に興味津々の様子であった。
一番近くにある森まででもかなり距離はあったはずだが、あっという間に到着した。
ここまで早いともう二度と他の交通手段を取りたくなくなるな。
それはさておき、俺は今仮名を考えている。
いくら仮名といえど、適当な名前は付けたくない。
かなり悩んだ末、ヒューと言う名前を付けることにした。
ギルドカードの登録の時もそうだったが、自ら血を流すのはやはり抵抗がある。
唇を噛んで血を使い、ペガサスの額に儀式を施す。
ヒューの名を呼ぶとこちらに反応してくれた。
どうやら成功したみたいだな。
「さて、ヒュー。
とりあえずはギルドへ従魔登録に行こう。」
「ヒヒィーン!ブルルル」
通じたみたいだな。
俺はヒューに乗ってギルドへと飛び立った。
婆さんの店にはペガサスは入らないため、近くの空いたスペースで待ってもらうことにした。
ペガサスが横たわるや否や子供達が挙って鬣や羽を触ったり、撫でたりしていた。
ペガサスもそれ程嫌でないらしく、子供達の好きなように遊ばせてあげていた。
「久し振りだな。ばあさん」
「おう、お主か。こんな昼間に何用じゃ?」
「そうだ、まだばあさんには話してなかったがダンジョンで裏ルートに発見したんだ。」
「ほう。初めて間もないDランク冒険者がもう見つけおったか。
なかなか運がいいのう。」
やはり、裏ルートの発見は相当珍しいものみたいだ。
「そこで階層をクリアした時に手に入れた召喚石でペガサスを召喚したんだが、自分なりにいくつも考えてみたんだが、どれも気に入らないらしい。
何かいい名前を考える手立てはないか?」
「そうじゃのう。
基本的に魔物は召喚した主人が付ける名前は喜んで受けるものなんじゃが、まれに知能が高い高ランクの魔物に名付けを行うときに、拒否する個体があるようだとこれまでの研究でわかっておるな。
しかし無数にある名前の候補から魔物がつけて欲しい名前を考えて付けるのは不可能に近い。」
「そうなのか。
しかしそうなってくると、名付けせずに従魔として行動を共にしているということか?」
「そう考えてしまいがちだが、ここには面白い法則が成り立っているんじゃ。
わしらは従魔が付けて欲しい名前を真名と呼んでおる。
対して真名を付けるまでの仮の名前を仮名と呼んでおる。
真名を名付けることが出来るまで、仮の呼称として仮名で名前を呼ぶというわけじゃな。
仮名で名前を呼び、心からの信頼を得て、一心同体となった時、自然と心から浮かんで来るそうじゃ。
真名を名付けた暁には従魔は仮名の時とは比較にならないほど高い知能とステータスを持つ、一段階上の存在になるのじゃ。
先人がこれを従魔解放と名付けた。
ちなみにじゃが、従魔解放をした従魔は皆、人の語を操り、主人と言葉を通して、また心でも話し合えるようになると言われておる。
実際には人の語を喋っているのではなく、お互いがお互いの言葉を理解しているために話すことが出来ているから、赤の他人が喋りかけても、ただ鳴き声が聞こえるだけじゃがのう。
さて、色々と説明したが、要するに言いたいことは仮名を付けてペガサスと信頼関係を築き、真名をいつか付けれるようにすべし、と言うことじゃ。」
なるほど、かなり詳しく説明してくれたおかげで大体のことはわかった。
ん?まてよ?
「俺はいくつも名前を考えたが、仮名としてでさえ、一つも了承されてないぞ?」
「そうじゃったな、仮名の付け方をいうのを忘れておったわい。
仮名を唱えながら自分の血を従魔の額に馴染ませるんじゃ。
まだ詳しくはわかっておらぬが、この時馴染ませた血は触媒のような働きがなされて、付けた途端に綺麗さっぱり無くなってしまう。
まあその仕組みのお陰で綺麗な従魔が鮮血に染まる光景にならないようになっているのう。
名付けに関してはこんなところかのう。
また困ったことがあればなんでも相談するとよいぞ。」
そういってくれるのは有難いが、正直このばあさんは何とも言えない不思議な雰囲気を醸し出しているから、あまりお世話になりたく無いのが本音だ。
「そうか、非常に助かった。
礼を言う。
何か一つ買わせてもらうのが筋なんだろうが、別段欲しい物もない。
次回何か礼に持ってくるとしよう。」
店を出た俺はペガサスの元へ戻った。
相変わらず、その珍しさから子供達につつかれたり撫でられたり子供達のおもちゃとなっていた。
ペガサスの名付けはこの場所では難しそうなので、近くの森まで飛んでいってもらった。
飛び立つ瞬間子供達だけでなく周りにいた大人達も一斉に注目し、初めて見る空を飛ぶ馬に興味津々の様子であった。
一番近くにある森まででもかなり距離はあったはずだが、あっという間に到着した。
ここまで早いともう二度と他の交通手段を取りたくなくなるな。
それはさておき、俺は今仮名を考えている。
いくら仮名といえど、適当な名前は付けたくない。
かなり悩んだ末、ヒューと言う名前を付けることにした。
ギルドカードの登録の時もそうだったが、自ら血を流すのはやはり抵抗がある。
唇を噛んで血を使い、ペガサスの額に儀式を施す。
ヒューの名を呼ぶとこちらに反応してくれた。
どうやら成功したみたいだな。
「さて、ヒュー。
とりあえずはギルドへ従魔登録に行こう。」
「ヒヒィーン!ブルルル」
通じたみたいだな。
俺はヒューに乗ってギルドへと飛び立った。
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