転移したら勇者の敵国だった話

駐車場のネコ

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異世界生活

第26話〜認〜

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従魔登録を行うべく、ギルドへとやって来た。

ギルドではゴンゾーさんがいた。

「おう、タクミじゃないか。

裏ルートの探索は進んでいるか?」

「ああ、ぼちぼちだな。

裏ルートの探索をしていて階層のクリア報酬で召喚石を手に入れたんだ。

それでペガサスを召喚することが出来たから、ここへ登録をしに来たって訳だ。」

「そうか、なら早速従魔登録をするとしよう。

悪いが登録料として2000Gかかるが、そこは了承してくれ。」

言われた通り、2000Gを手渡す。

「名前はなんて言うんだ?」

「今現在は仮名としてヒューという名で呼んでいる。」

「ほう、これはまた珍しい個体にあたったもんだな。

実は俺にも熊の従魔がいて、真名を授けた経験がある。

仮名の時こそ非力で俊敏さが他の魔物より高い程度だったが、真名を授けた途端にパワーがかなり上がり、俊敏さも磨きがかかって、素晴らしい成長をしてくれたよ。

ギルドの裏でゴロゴロしてるか、近くの森で魚を取ってる白色の熊がいたらそいつだから、あったら撫でてやってくれ。」

流石だな。ギルドマスターをやっているだけはある。

大分アッサリと説明はしていたが、その熊とゴンゾーの間には滅多なことでは揺るがない絶対の信頼関係が出来ている筈だ。

「わかった。

白熊にあったらヒューと遊ばせてあげたいもんだ。

さて、終わったみたいだし、帰るとするよ。

そうだ。

どうすれば信頼関係を築くことが出来るんだ?」

「そうだな、俺から言えることはただ一つだ。

信頼して欲しいなら、まずはとにかくお前が信じることだ。」

「そうか、ありがとう。」

従魔のリングを受け取って、ヒューの元へ戻った。




ヒューは子供たちに囲まれて流石に疲れたのか横たわって寝ていた。

名前を呼ぶと、ヒューはこちらに来た。

「ヒュー、このリングを左足につけるぞ。」

従魔のリングは綺麗な青色をしていた。

さて、今日は疲れたし、安らぎの羽根に戻るとしよう。





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


領主の館にて

「久しぶりだなお前たち。」

「ご無沙汰しています。領主様。」

「以前スタンピードの時にドラゴンを倒した少年を覚えているか?」

「はい、ハッキリと覚えております。

しかしあの少年はここ最近は目立った活躍などは見られず、特に目ぼしい武功も挙げていない筈です。

Sランクの冒険者として活動する私達は以前にも申しました通り若手の育成にも力を入れています。

しかし今現在はその少年について何か新しい話は聞いていませんね。」

「‘‘武功,,という面では確かに挙げてはいないかも知れないが、最近探求者ギルドから興味深い話を聞いたんだ。」

「探求者ギルド、と言いますとダンジョン関連でしょうか?」

「そうだ。

俺もこの話を聞いた時は耳を疑ったんだが、ある少年の冒険者が“一階層,,で裏ルートを見つけたそうだ。」

「それは本当ですか?!

我々も冬季は地上だと寒さで体が鈍くなるのでダンジョンに行く時もありますが、裏ルートは十階層以降にあるというのは常識です。

実際我々も下層攻略の第一線でそれなりに頑張ってはいますが、先に入ったからといって見つかるものではなく、未探求階層においてもそうそう見つかりません。」

「そうだろう、俺もそう思っていた。

しかし今回実際にルート変更に成功したとギルドマスター直々に報告が入った。」

「まさか、その少年があのドラゴンを倒した少年であると?」

「まだ決まったわけでは無いが、髪や肌、目の色に体格など特徴が全て当てはまっている。

あの少年である可能性はかなり高いな。

これは相当な大発見だ。

彼にはギルドマスターから連絡を入れてもらって報奨金をいくらか渡そうと思う。

ダンジョンの発展は町の発展にも繋がるからな。

良い前例としてもっと沢山の探求者にダンジョン攻略をしてもらい、町を潤してもらおうでは無いか。」

「そうですね。俺も若いもんには負けてられません。

そういえばこの情報は知れ渡っているのですか?」

「いや、まだだな。

いつもこの街に尽力してくれるお前たちにささやかなお礼だ。

とは言っても一週間後には大々的に周辺一帯に宣伝しようと思う。

そこまでにどうにかして見つけられると良いな。

幸運を祈るよ。」

「ありがとうございます。

これからも領主様に貢献できるよう精一杯尽力します。」

こうしてさらに上層部にタクミという人物が強く認識されるのだった。





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