魔法筆職人の俺が居なくなったら、お前ら魔法使えないけど良いんだよな?!

川井田ナツナ

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36:本当の魔法筆使い

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 喫茶店にて茶をしばきながら俺は思う。
 元通り、素手で魔法を使った方が魔法筆作りは楽だということを。
 だが、それはしないことにした。
 一人で作るよりもリリィと二人で作る方が楽しいということを知ってしまったから……。

 ふと、窓から空を見上げ祈るリリィに確認していないことを思い出した。

「そう言えばリリィ。ペン先の目玉はどうするか決まったか?」

 リリィは空を見上げたまま口にする。
「お師匠。今日も、いい天気なのです」と。
 リリィがそう言うのであれば、俺も同じように空を見上げるのが良いだろう……。

 今さらそんなあたり前の事を教えてくれるリリィは誰よりも慈悲深い。
 青空に浮かぶ白い雲の行く先を……しばし眺め、心にした。
 俺は彼女を『愛弟子リリィ』という色眼鏡で見るのではなく、一人の『リリィ』として……これからは向き合っていこうと思う。

 リリィがそうしてくれたように。
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