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第2部:魔法筆校編
57:交流戦メンバー
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勢いでそんなことを言ったのは良いが、課題は山積みだ。
そもそも、誰が何をできるのかを把握しないことには連携を組み立てることも厳しい。
「まずは一人ずつ、名前と学年……。そして得意な魔法を見せて欲しい! では、まずは生徒会長から頼む」
「もちろんです」と前に出た生徒会長……。
俺の予想では生徒会長がろくな魔法を使えなければ、俺がどんな指導をした所で成長は見込めないだろう……。
俺はそんなことを考えるほど、学生とはいえ他人というものに期待してない。
「アルツ・ガエン、三年。得意魔法は――――念動力」
生徒会長の速記スピードは本当に羊皮紙に書いたのかと思えるもので、効果範囲も広く――。集まった訓練場の椅子や机、さらには俺を含め交流戦のメンバーたちを空中に浮かすのだった。
「悪くないな。アルツは羊皮紙が必要なくなっても、念の為に持ち歩いておくように」
「……あ。わかりました」
「じゃあ、次ッ!」
生徒会長のアルツの次に一歩前に出たのは、学園長室で一緒にいた女子生徒。
「セリーナ・クミン。同じく三年、私の魔法は――――夕霧」
彼女が発生させたのは名前の通り、一帯を霧に包む広範囲魔法――――。
目くらましには十分な濃さだ。それにこの魔法は、水魔法ではなく気圧変動系……まだ奥の手があるようにも思える。
「セリーナ、十分だ。一旦、霧は晴らしてくれ」
「あら、これからでしたのに。次はルドルフですわよ」
「え、もう俺の番?」
セリーナが霧を晴らし、そう言った男子生徒は二人とは違い……少し頼りなさそうに見える。
「ルドルフ・イバラ、三年です。自分は――――獣人化だ」
二本の羊角を生やす獅子に変化した彼は、その性格までも変わっているようだ。
また、その肉体は肉弾戦を得意と言わなくてもわかるほど、厚く逞しい。
「よし、ルドルフはそのままで。次の二人は、実際に彼に攻撃してみてくれ」
「え?! 先生、俺……的すか?」
「まさか下級生の魔法に耐えられないわけじゃないよな?」
「ハハハハハッ! いいっすね、そういうの」
「じゃあ、本人からの了承も出たことだし。次は……」
「ハイハイハイッ! 私にさせてください先生っ! ティアナ・ボイル、二年生です」
勢い良く手をあげて出てきたのは、少しヤンチャそうな褐色の肌をした女子生徒。
「いやッ、ティアナはまずいかも……」
「私は――――超揺動が得意です!」
ルドルフが少しひるんだ隙に、ティアナが発生させた魔法陣を通るように繰り出された彼女の拳――――ッ。
彼の腹に触れた瞬間――鈍い振動音が響く。
そして、ルドルフは泡を吹いて倒れるのだった。
「ティアナはルドルフの看病をしておくように――――」
残るは一年生の女子生徒。
「あの……先生。私は明日か、場所を変えてでもいいでしょうか……?」
「……ほぉ。理由を聞いても良いか?」
「その……信じてもらえなくても良いのですが、私に協力してくれる子たちが怯えて近くにいないのです」
「先生、すみません。この一年生は実力はあるのですが、たまにおかしなことを――――」
「おかしくないぞセリーナ……。君、名前は?」
「アイナ・クラウン。……たぶん、先生とは遠い親戚な気がします」
焦げ茶色の髪の所々から、覗く黒髪を生やすアイナはそんなことを言うのだった。
そもそも、誰が何をできるのかを把握しないことには連携を組み立てることも厳しい。
「まずは一人ずつ、名前と学年……。そして得意な魔法を見せて欲しい! では、まずは生徒会長から頼む」
「もちろんです」と前に出た生徒会長……。
俺の予想では生徒会長がろくな魔法を使えなければ、俺がどんな指導をした所で成長は見込めないだろう……。
俺はそんなことを考えるほど、学生とはいえ他人というものに期待してない。
「アルツ・ガエン、三年。得意魔法は――――念動力」
生徒会長の速記スピードは本当に羊皮紙に書いたのかと思えるもので、効果範囲も広く――。集まった訓練場の椅子や机、さらには俺を含め交流戦のメンバーたちを空中に浮かすのだった。
「悪くないな。アルツは羊皮紙が必要なくなっても、念の為に持ち歩いておくように」
「……あ。わかりました」
「じゃあ、次ッ!」
生徒会長のアルツの次に一歩前に出たのは、学園長室で一緒にいた女子生徒。
「セリーナ・クミン。同じく三年、私の魔法は――――夕霧」
彼女が発生させたのは名前の通り、一帯を霧に包む広範囲魔法――――。
目くらましには十分な濃さだ。それにこの魔法は、水魔法ではなく気圧変動系……まだ奥の手があるようにも思える。
「セリーナ、十分だ。一旦、霧は晴らしてくれ」
「あら、これからでしたのに。次はルドルフですわよ」
「え、もう俺の番?」
セリーナが霧を晴らし、そう言った男子生徒は二人とは違い……少し頼りなさそうに見える。
「ルドルフ・イバラ、三年です。自分は――――獣人化だ」
二本の羊角を生やす獅子に変化した彼は、その性格までも変わっているようだ。
また、その肉体は肉弾戦を得意と言わなくてもわかるほど、厚く逞しい。
「よし、ルドルフはそのままで。次の二人は、実際に彼に攻撃してみてくれ」
「え?! 先生、俺……的すか?」
「まさか下級生の魔法に耐えられないわけじゃないよな?」
「ハハハハハッ! いいっすね、そういうの」
「じゃあ、本人からの了承も出たことだし。次は……」
「ハイハイハイッ! 私にさせてください先生っ! ティアナ・ボイル、二年生です」
勢い良く手をあげて出てきたのは、少しヤンチャそうな褐色の肌をした女子生徒。
「いやッ、ティアナはまずいかも……」
「私は――――超揺動が得意です!」
ルドルフが少しひるんだ隙に、ティアナが発生させた魔法陣を通るように繰り出された彼女の拳――――ッ。
彼の腹に触れた瞬間――鈍い振動音が響く。
そして、ルドルフは泡を吹いて倒れるのだった。
「ティアナはルドルフの看病をしておくように――――」
残るは一年生の女子生徒。
「あの……先生。私は明日か、場所を変えてでもいいでしょうか……?」
「……ほぉ。理由を聞いても良いか?」
「その……信じてもらえなくても良いのですが、私に協力してくれる子たちが怯えて近くにいないのです」
「先生、すみません。この一年生は実力はあるのですが、たまにおかしなことを――――」
「おかしくないぞセリーナ……。君、名前は?」
「アイナ・クラウン。……たぶん、先生とは遠い親戚な気がします」
焦げ茶色の髪の所々から、覗く黒髪を生やすアイナはそんなことを言うのだった。
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