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第3部:剣闘士編 (リリィ視点)
64:優良物件
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「リリィ! 頼んだッ!」
「はいッ! お師匠!(って、魔獣の相手を私に押し付けてないッ?!)」
魔法筆校が船頭する街から出て、早三日――――。
次の街にはまだ着かないが食料調達や、たまに襲ってくる魔獣たちからは自分たちで身を守らないといけないのだが――――。
私のお師匠は、基本的に私にそのほとんどを任せている……。
これまでは立場が逆だったが……内心、私は優越感に浸っていた。
「イヲエラビカケロビリリ――――ッ」
「おぉ――――ッ! さまになって来たなリリィ!」
「これくらい朝飯前なのです!(しゃ――――あッ! お師匠が褒めてくれたぜぃ!)」
すでにお師匠には、私の中の人格が二十歳を超えていることはバレているが……見た目が中学生そこらなこともあり、私は使い分けてお師匠からの称賛をひとつでも多くもらうことに余念がない。
「ん~~この魔獣だが……俺は食べれる気がする」
「そうですね~~。すでに、鳥が焼けたような匂いもしますし、少し早いですが昼食にしましょう」
名前も分からない、鳥の魔獣の食べ方は基本的に焼き一択である。
なぜなら、スープの具として使えば最悪の場合……他の具材がダメになってしまうからだ。
そして、味付けは岩塩と胡椒のみ――――。
なぜなら、私は料理というものにまるでセンスがないからである。
「さすがに、塩コショウばかりの味付けも飽きますね……」
「そうか?? 俺は一週間、この味付けでも大丈夫だぞ?」
「――――いいえ、体にも悪いと思います! なので、料理はお師匠がしてくださいッ!」
「わかったわかった。じゃあ、午後は川沿いを通ろうとしよう」
内心ガッツポーズを決めた私。
私のお師匠は基本的にはハイパフォーマンスで全ての事を容易に行う。
私が元居た日本で言えば『優良物件』だった彼は……あの魔法筆を作って以来、覇気が無くなった。
「あと何日かかるんだろうなぁ~リリィ」
「そうですね~一カ月以内には着くんじゃないですかね?」
「ええ? そんなにかよ~~」
お師匠は自分の片目を素材にしてまで、魔法筆を完成させたが眺めることの方が多く――魔法は私に任せることが多い。
だが、そんな彼を見るのは嫌いではない。
むしろ、殺気の無くなったお師匠といるのは心地が良い。
こんな時間がずっと続けばいい……そんなことを思いながら川沿いを下っている時だった。
タイミング悪く――――、負傷した大柄な男という生き物は……川沿いに倒れているものである。
「お師匠ッ! あんなところに人がッ(――って何でおんねんッ!!)」
「はいッ! お師匠!(って、魔獣の相手を私に押し付けてないッ?!)」
魔法筆校が船頭する街から出て、早三日――――。
次の街にはまだ着かないが食料調達や、たまに襲ってくる魔獣たちからは自分たちで身を守らないといけないのだが――――。
私のお師匠は、基本的に私にそのほとんどを任せている……。
これまでは立場が逆だったが……内心、私は優越感に浸っていた。
「イヲエラビカケロビリリ――――ッ」
「おぉ――――ッ! さまになって来たなリリィ!」
「これくらい朝飯前なのです!(しゃ――――あッ! お師匠が褒めてくれたぜぃ!)」
すでにお師匠には、私の中の人格が二十歳を超えていることはバレているが……見た目が中学生そこらなこともあり、私は使い分けてお師匠からの称賛をひとつでも多くもらうことに余念がない。
「ん~~この魔獣だが……俺は食べれる気がする」
「そうですね~~。すでに、鳥が焼けたような匂いもしますし、少し早いですが昼食にしましょう」
名前も分からない、鳥の魔獣の食べ方は基本的に焼き一択である。
なぜなら、スープの具として使えば最悪の場合……他の具材がダメになってしまうからだ。
そして、味付けは岩塩と胡椒のみ――――。
なぜなら、私は料理というものにまるでセンスがないからである。
「さすがに、塩コショウばかりの味付けも飽きますね……」
「そうか?? 俺は一週間、この味付けでも大丈夫だぞ?」
「――――いいえ、体にも悪いと思います! なので、料理はお師匠がしてくださいッ!」
「わかったわかった。じゃあ、午後は川沿いを通ろうとしよう」
内心ガッツポーズを決めた私。
私のお師匠は基本的にはハイパフォーマンスで全ての事を容易に行う。
私が元居た日本で言えば『優良物件』だった彼は……あの魔法筆を作って以来、覇気が無くなった。
「あと何日かかるんだろうなぁ~リリィ」
「そうですね~一カ月以内には着くんじゃないですかね?」
「ええ? そんなにかよ~~」
お師匠は自分の片目を素材にしてまで、魔法筆を完成させたが眺めることの方が多く――魔法は私に任せることが多い。
だが、そんな彼を見るのは嫌いではない。
むしろ、殺気の無くなったお師匠といるのは心地が良い。
こんな時間がずっと続けばいい……そんなことを思いながら川沿いを下っている時だった。
タイミング悪く――――、負傷した大柄な男という生き物は……川沿いに倒れているものである。
「お師匠ッ! あんなところに人がッ(――って何でおんねんッ!!)」
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