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8話
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王国では女性は愛する人に安全祈願をこめて手縫いの刺繍を渡す習わしがある。
貴族の令嬢ならばハンカチなどに刺繍を施すのが一般的だ。
刺繍の種類は鳥や草木、花など多岐にわたる。
ステファニアは二週間ほど部屋からでない生活をしていたが、すれ違い続ける現状を憂いてどうにか打破したいとずっと考えていた。
その一つとして、心を込めた贈り物――刺繍を施したハンカチなどいいのでは、と閃いたのだ。
世話係のメイド長であるカラミティから竜神の住む城の外には竜族の街が広がっていると聞いていた。
少しの好奇心が刺激されて、街に白いハンカチと刺繍糸を買いに行きたい、と思ったのだ。
もちろん、カラミティには相談した。
だが、彼女は渋い顔をするだけで、ステファニアが望む返事をくれなかった。
だから、昔から少しだけお転婆だった彼女はこっそりと部屋をでることにしたのだ。
今まで自主的に部屋からでなかっただけで、別に部屋に常にいるように、と言いつけられていたわけでもない。
一度、夜を共にすれば三日はヴェルディグリスが訪れないのもあって、抱かれた翌日――はさすがに腰が痛んだから、二日後にそっと部屋を後にした。
(ヴェル様、喜んでくださるかしら)
公爵家の令嬢として箱庭で育てられたステファニアは買い物をするのも常に商人が公爵邸に訪れていた。
だから、買い物には対価が必要、つまり金銭がいるのだという認識が抜け落ちている。
刺繍を贈って喜んでくれるヴェルディグリスの表情を想像すると足取りも軽くなる。
やけに人のいない廊下を歩いていると、ふいにぐいっと手首を引かれた。
「?!」
驚いた彼女が声を出すより早く口元がふさがれる。
じたばたと暴れるステファニアを使われていないらしい部屋に引きずり込んだのは、三人の男たちだった。
「こいつが花嫁か? ……なるほど、確かに外見は整ってるな」
「ふーん、中々いい顔してんね。この表情が歪むのはそそるなァ」
「とっととヤってさっさとずらかるぞ。あの澄ました竜神サマがどんな顔をするか、想像するだけでイっちまいそうだ」
げらげらと下品に笑う男たちは、到底城勤めの兵士には見えない。
会話の端々から竜神であるヴェルディグリスを快く思っていないのが滲み出ていて、余計にステファニアは手足を暴れさせる。
彼女の手の甲が当たった男が一人、眉を顰めた。
「じゃじゃ馬だな。さっさと大人しくさせろ」
「へぇい」
リーダー格らしき男の言葉を受けて、別の男の手が伸びてくる。
これからされる行為にさすがに顔を青ざめさせたステファニアは、くぐもった声で愛しい人の名を呼ぶ。
「ヴェル様……!!」
その瞬間、彼女の足元に魔法陣が広がり、黄金の光が発された。
転移魔法だ、と気づいたのは目の前の男が殴り倒された直後だった。
「なっ!」
「竜神?!」
「ほう、俺に喧嘩を売った自覚はあるらしい」
酷く不機嫌な声音が苛立ちを露わにしている。
ステファニアが驚くほどに殺意をむき出しにしているのだから、直接殺気を飛ばされている男たちはたまったものではないだろう。
ステファニアの口元を抑えている男が、震える声音を無理に抑え込んでいるのがよくわかる微妙にずれた発音で言葉を紡ぐ。
「大人しくしろ! でなきゃ、花嫁は……!」
「花嫁が――なんだって?」
蒼穹を切り取ったような青い瞳に冷たい殺意を乗せて、ヴェルディグリスが男に視線を向ける。
その刹那、振り向きざまに裏拳で男が殴り飛ばされた。
一緒に飛ばされそうになったステファニアをヴェルディグリスが片手で男から取り返して支える。
「ヴェル様、ありがとうございます……!」
まだ震える声音だったが、なんとか礼の言葉を口にする。
ヴェルディグリスは少しだけ眉を寄せて、ふんと鼻を鳴らした。
男二人が床で伸びている中、リーダー格の男が掌を向けてくる。
魔法発動の予備動作だと気付いたステファニアが反射的にぎゅっと目を瞑った瞬間、パチンと指を鳴らす音がした。
いくらまっても魔法が飛んでこないので、そろりと瞼を押し上げると、リーダー格の男は氷漬けになっている。
「死んではいない。竜族はこの程度では死なないからな」
恐る恐るヴェルディグリスを見上げてしまった不安げなステファニアの表情から疑問の答えを先回りされる。
「そう、ですか……」
「俺の花嫁はずいぶんと優しいな。乱暴をされようとしていたというのに」
苛立ちを露わに告げられて、けれどステファニアはふわりと笑う。
彼の腕の中は心地よく、大切にされていることが伝わってきたからだ。
「そうなる前に、助けに来てくださいました」
「……」
そう返されるとは思っていなかったのか、ヴェルディグリスが黙り込む。
ここぞとばかりに疑問を投げかけた。
「どうしてここがわかったのですか?」
「……姿が見えないと報告を受けた。直後に名を呼ばれたから、何かあると思って転移しただけだ」
ぶっきらぼうに言われて、ぱちりと瞬きをする。
蒼穹の瞳が少しだけ居心地が悪そうにしているのが可笑しかった。
どうやらずいぶんと過保護に気遣ってくれているらしい。今回ばかりは、それが功を奏した。
すっかり落ち着いたステファニアに、ヴェルディグリスがじろりと視線を向ける。
その瞳に宿り怒りの色に、彼女は「あ」と内心で声を漏らした。
これは危ない気がする。結構怒っている、と。
「カラミティにも告げず、なぜ勝手に部屋を出た。仕置きが必要だな」
「え、あ、まってください!」
「待たない」
ひょいと抱き上げられ、またも足元に転移魔法陣が展開される。
まばゆい光に目をつむった次の瞬間にはこの二週間で慣れた室内に飛んでいて、ベッドに降ろされる。
慌てて口を開こうとすると、その口をふさぐように深い口づけをされた。
「んぅ、ん」
奥から順番に歯列を舐められ、舌を吸い上げられる。
呼吸が苦しくて、ヴェルディグリスの肩を押してもびくともしない。
いつもより長い口づけがようやく終わり、息も絶え絶えになっていると嗜虐的な笑みを浮かべた彼の手が空中で途切れている。
「?」
驚いて目を見開いたステファニアの前で、手首から先だけ別の場所に転移させてつなげているという器用さを見せたヴェルディグリスが空中から豪奢な箱を取り出して、ニヤリと口角を吊り上げる。
「これは『仕置き』だからな」
「え……?」
乱雑にベッドに置かれた箱に思わず視線が行く。
片手で器用に開けられた箱の中は、ステファニアには全く使用用途のわからないものがずらりと入っている。
だが、なんと表現するべきか、どれも禍々しいまでの原色のピンク色で、なんだか嫌な予感がした。
片手で箱の中の一つを取り出したヴェルディグリスが、反対の手でごくりと唾を飲み込んだ彼女の肩をふわりと押す。
そのままぱたんとベッドに倒れこんだステファニアのドレスの裾をまくって、彼は先ほど同様に嗜虐的に笑った。
「すぐにイってくれるなよ。仕置きにならんからな」
ようやく、彼の言う『仕置き』の意味を理解して、ステファニアはさあっと青ざめた。
(もしかして、大人の玩具というものでは……?!)
普段からヴェルディグリスのものを受け入れている秘所に、いま彼が手にしているものを入れられるのか。
そう考えると、それだけで――じわりと秘所が濡れてしまう。
「さあ、お楽しみの時間だ」
楽しげに笑うヴェルディグリスを前に、逃げるという選択肢など、あるはずがないのだった。
貴族の令嬢ならばハンカチなどに刺繍を施すのが一般的だ。
刺繍の種類は鳥や草木、花など多岐にわたる。
ステファニアは二週間ほど部屋からでない生活をしていたが、すれ違い続ける現状を憂いてどうにか打破したいとずっと考えていた。
その一つとして、心を込めた贈り物――刺繍を施したハンカチなどいいのでは、と閃いたのだ。
世話係のメイド長であるカラミティから竜神の住む城の外には竜族の街が広がっていると聞いていた。
少しの好奇心が刺激されて、街に白いハンカチと刺繍糸を買いに行きたい、と思ったのだ。
もちろん、カラミティには相談した。
だが、彼女は渋い顔をするだけで、ステファニアが望む返事をくれなかった。
だから、昔から少しだけお転婆だった彼女はこっそりと部屋をでることにしたのだ。
今まで自主的に部屋からでなかっただけで、別に部屋に常にいるように、と言いつけられていたわけでもない。
一度、夜を共にすれば三日はヴェルディグリスが訪れないのもあって、抱かれた翌日――はさすがに腰が痛んだから、二日後にそっと部屋を後にした。
(ヴェル様、喜んでくださるかしら)
公爵家の令嬢として箱庭で育てられたステファニアは買い物をするのも常に商人が公爵邸に訪れていた。
だから、買い物には対価が必要、つまり金銭がいるのだという認識が抜け落ちている。
刺繍を贈って喜んでくれるヴェルディグリスの表情を想像すると足取りも軽くなる。
やけに人のいない廊下を歩いていると、ふいにぐいっと手首を引かれた。
「?!」
驚いた彼女が声を出すより早く口元がふさがれる。
じたばたと暴れるステファニアを使われていないらしい部屋に引きずり込んだのは、三人の男たちだった。
「こいつが花嫁か? ……なるほど、確かに外見は整ってるな」
「ふーん、中々いい顔してんね。この表情が歪むのはそそるなァ」
「とっととヤってさっさとずらかるぞ。あの澄ました竜神サマがどんな顔をするか、想像するだけでイっちまいそうだ」
げらげらと下品に笑う男たちは、到底城勤めの兵士には見えない。
会話の端々から竜神であるヴェルディグリスを快く思っていないのが滲み出ていて、余計にステファニアは手足を暴れさせる。
彼女の手の甲が当たった男が一人、眉を顰めた。
「じゃじゃ馬だな。さっさと大人しくさせろ」
「へぇい」
リーダー格らしき男の言葉を受けて、別の男の手が伸びてくる。
これからされる行為にさすがに顔を青ざめさせたステファニアは、くぐもった声で愛しい人の名を呼ぶ。
「ヴェル様……!!」
その瞬間、彼女の足元に魔法陣が広がり、黄金の光が発された。
転移魔法だ、と気づいたのは目の前の男が殴り倒された直後だった。
「なっ!」
「竜神?!」
「ほう、俺に喧嘩を売った自覚はあるらしい」
酷く不機嫌な声音が苛立ちを露わにしている。
ステファニアが驚くほどに殺意をむき出しにしているのだから、直接殺気を飛ばされている男たちはたまったものではないだろう。
ステファニアの口元を抑えている男が、震える声音を無理に抑え込んでいるのがよくわかる微妙にずれた発音で言葉を紡ぐ。
「大人しくしろ! でなきゃ、花嫁は……!」
「花嫁が――なんだって?」
蒼穹を切り取ったような青い瞳に冷たい殺意を乗せて、ヴェルディグリスが男に視線を向ける。
その刹那、振り向きざまに裏拳で男が殴り飛ばされた。
一緒に飛ばされそうになったステファニアをヴェルディグリスが片手で男から取り返して支える。
「ヴェル様、ありがとうございます……!」
まだ震える声音だったが、なんとか礼の言葉を口にする。
ヴェルディグリスは少しだけ眉を寄せて、ふんと鼻を鳴らした。
男二人が床で伸びている中、リーダー格の男が掌を向けてくる。
魔法発動の予備動作だと気付いたステファニアが反射的にぎゅっと目を瞑った瞬間、パチンと指を鳴らす音がした。
いくらまっても魔法が飛んでこないので、そろりと瞼を押し上げると、リーダー格の男は氷漬けになっている。
「死んではいない。竜族はこの程度では死なないからな」
恐る恐るヴェルディグリスを見上げてしまった不安げなステファニアの表情から疑問の答えを先回りされる。
「そう、ですか……」
「俺の花嫁はずいぶんと優しいな。乱暴をされようとしていたというのに」
苛立ちを露わに告げられて、けれどステファニアはふわりと笑う。
彼の腕の中は心地よく、大切にされていることが伝わってきたからだ。
「そうなる前に、助けに来てくださいました」
「……」
そう返されるとは思っていなかったのか、ヴェルディグリスが黙り込む。
ここぞとばかりに疑問を投げかけた。
「どうしてここがわかったのですか?」
「……姿が見えないと報告を受けた。直後に名を呼ばれたから、何かあると思って転移しただけだ」
ぶっきらぼうに言われて、ぱちりと瞬きをする。
蒼穹の瞳が少しだけ居心地が悪そうにしているのが可笑しかった。
どうやらずいぶんと過保護に気遣ってくれているらしい。今回ばかりは、それが功を奏した。
すっかり落ち着いたステファニアに、ヴェルディグリスがじろりと視線を向ける。
その瞳に宿り怒りの色に、彼女は「あ」と内心で声を漏らした。
これは危ない気がする。結構怒っている、と。
「カラミティにも告げず、なぜ勝手に部屋を出た。仕置きが必要だな」
「え、あ、まってください!」
「待たない」
ひょいと抱き上げられ、またも足元に転移魔法陣が展開される。
まばゆい光に目をつむった次の瞬間にはこの二週間で慣れた室内に飛んでいて、ベッドに降ろされる。
慌てて口を開こうとすると、その口をふさぐように深い口づけをされた。
「んぅ、ん」
奥から順番に歯列を舐められ、舌を吸い上げられる。
呼吸が苦しくて、ヴェルディグリスの肩を押してもびくともしない。
いつもより長い口づけがようやく終わり、息も絶え絶えになっていると嗜虐的な笑みを浮かべた彼の手が空中で途切れている。
「?」
驚いて目を見開いたステファニアの前で、手首から先だけ別の場所に転移させてつなげているという器用さを見せたヴェルディグリスが空中から豪奢な箱を取り出して、ニヤリと口角を吊り上げる。
「これは『仕置き』だからな」
「え……?」
乱雑にベッドに置かれた箱に思わず視線が行く。
片手で器用に開けられた箱の中は、ステファニアには全く使用用途のわからないものがずらりと入っている。
だが、なんと表現するべきか、どれも禍々しいまでの原色のピンク色で、なんだか嫌な予感がした。
片手で箱の中の一つを取り出したヴェルディグリスが、反対の手でごくりと唾を飲み込んだ彼女の肩をふわりと押す。
そのままぱたんとベッドに倒れこんだステファニアのドレスの裾をまくって、彼は先ほど同様に嗜虐的に笑った。
「すぐにイってくれるなよ。仕置きにならんからな」
ようやく、彼の言う『仕置き』の意味を理解して、ステファニアはさあっと青ざめた。
(もしかして、大人の玩具というものでは……?!)
普段からヴェルディグリスのものを受け入れている秘所に、いま彼が手にしているものを入れられるのか。
そう考えると、それだけで――じわりと秘所が濡れてしまう。
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