【完結/R18】ヤンデレ絶倫王太子に身も心も溶かされています

久藤れい

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7話

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「やだっ、やめて! いやっ、やあぁああ!!」
「久々に元気な声が聞けて嬉しいよ」
「あぁああ!!」

 乱雑に上を脱ぎ捨てズボンをずらし、ベッドの上の裸のルーチェに、ずん、と質量を増した肉棒を突き立てる。
 オスクロの下で嬌声をあげてよがっている愛しい少女の視線は彼には向けられていない。

 泣きそうな顔でずっと唖然とこちらを見ているサンドルという名の男に向いていた。
 自分で連れてきておいてなんだが、それが気に食わなくて、ぐいっと頬を掴む。

 力任せに自分へと顔を向けて舌を口の中にいれると、この一週間でずいぶんと従順になったルーチェは反射的に舌を絡めてきた。
 よく躾が出来たと自分を褒めてやりたい。

 ちゅ、ちゅ、と音を立てながらキスを繰り返す。
 同時に下から突き上げれば、鼻に抜ける声でよがるのだからたまらない。
 オスクロが絶倫ではなかったとしても、彼女を前に加減をできる男などいないだろう。

「あ、あぁあっ、や、あっ、あ――っ!!」

 彼の下で淫らに狂う彼女の上ずった嬌声がたまらなくそそる。
 豊満な桃色の頂きを突き出すようにして背をのけぞらせてイく姿は何度見てもいいものだ。

 いつも以上に感度がイイ気がするのは、見られている、からだろう。
 唖然とこちらを見つめる蜂蜜色の瞳に向かって、オスクロは勝ち誇ったように笑う。

(ルーチェだけを幸せにするならば、私だってここまでのことはしなかったさ……っ!)

 結婚するのだ、と心底幸せそうに言われたとき、確かにショックだった。
 だが、同じくらい彼女の幸せを祈る気持ちもあったのだ。

 しかし、念のために部下を使って調査をさせてみれば、サンドルはとんでもない男だった。
 ルーチェに隠れてギャンブルに金を使い込み、他の女を囲っていた。金の工面を女を売ることでしていたのだ。

 そのギャンブルで莫大な借金を作って、とうとう首が回らなくなりルーチェに手を出そうとした。
 大工だなんて大嘘だ。彼は詐欺師である。

 ルーチェに対しては巧妙に隠していたようだが、王家の諜報員は欺けない。
 彼女のことも売り飛ばす腹積もりだったのだ。
 結婚して家に入れて、他に居場所がなくなれば女一人消えても不審には思われない。

(だが、正直に伝えてもルーチェはきっと信じなかった)

 悔しいが、サンドルのほうがオスクロより信頼されていた。それを知っていたから、彼は強硬手段に出た。
 守るために攫ったのだ。犯す必要があったかと言えば、あった。

 王太子である彼が一人の街娘を気に掛けるからには相応の理由が必要で、それが寵姫とすることだったのだ。
 他の人間を寄せ付けないために、日夜行為に耽った。子を身ごもればルーチェが愛してくれるかもしれない、という打算もあった。

 だが、日に日に彼女はやつれていった。
 メイドが用意した食事にもろくに手を付けず、彼が無理やり口移しで食べさせなければ食事を摂らなくなった。

 だから。
 現実を教えるしかなかったのだ。サンドルはこんなに酷い男なのだと、突き付けるしかないと思った。
 身体を屈めてルーチェの耳元で耳打ちをする。きっと、彼女にとっては悪魔の囁きだ。

「サンドルに助けを求めてみたらどうだ?」
「っ」

 息を飲んだ彼女ににこりと笑う。
 言葉の真意を掴めないのだろう、戸惑いに揺れる瞳が再びサンドルに向けられた。
 そして。

「さん、どる……!」

 かすれた声音で、許される限りの手を伸ばす。健康的だった腕は少し細くなってしまった。
 いまのルーチェに許される必死の行動に、やはりサンドルは床に転がったまま眉を寄せた。

 彼が指示するまでもなく、心が汚れ切った男は他の男に抱かれて『商品』の価値がなくなったルーチェに興味があるはずもない。

「汚らわしい……!!」
「え」

 低く唸るように吐き出された言葉に、ルーチェが目を見開く。
 理解できない、と表情に浮かんでいる彼女の様子に、待ち望んだ展開なのにオスクロの心が痛んだ。

「このアバズレっ!! お前なんか一生そうして喘いでいろ!!」
「っ」

 オスクロはサンドルになにも指示など出していない。
 だが、この状況を見て、彼は自身が痛めつけられた理由がルーチェだと理解しているはずだ。

 自分を守るために結婚を誓った彼女を突き放す。
 ルーチェの宝石より美しいアメジストの瞳が突き付けられた言葉の暴力に歪む。
 醜いサンドルの様子にため息を吐き出してオスクロはずるりと彼女の中から自身を抜き出した。

「ぁ」

 それすら感じるのだろう。
 くぐもった声をあげたルーチェの頭を撫でてやり、ズボンをなおすとオスクロはサンドルの前に立つ。
 ベッドの中から見つめるルーチェに見せつけるように彼の顎をつま先でもち上げる。

「よく言えたな。一度は将来を誓った仲だろう」
「こんなアバズレだと知ってたら手なんかださなかった! 俺は悪くない!!」

 だから助けてくれ。
 続けられた言葉に、背後のルーチェの雰囲気が歪んだ。
 泣くのをこらえている彼女の様子を察しながら、にこりとオスクロは笑う。

「そうか、では、二度と彼女に近づかないな?」
「ああ!」

 助かると思ったのだろう。喜色を浮かべて頷いたサンドルにため息を吐く。
 望んだ答えだが、ここまであからさまだと面白くない。

「連れていけ」

 パチンと指を鳴らすと、ドアの外に待機していた衛兵たちが入ってくる。
 サンドルを掴み上げた衛兵二人に、戸惑っているのが伝わってきた。

「お、俺は! 俺は悪くない!!」
「いいや、お前が悪い」

 ルーチェを裏切った。お前だけが悪い。
 断言したオスクロの言葉に、サンドルが青ざめる。今更ながらに自身の言葉の過ちを自覚したらしい。

 顎をくいっと動かすと、衛兵たちはオスクロの意思をくみ取って連行していく。喚く声が耳朶に響いてうっとうしい。

 扉が閉じると、ようやく声が聞こえなくなった。
 代わりに、さめざめと泣くルーチェの泣き声が静かな部屋に響いている。

 くるりと扉に背を向け、オスクロはベッドに舞い戻る。
 小さく丸くなって声を殺して泣き続ける背中を優しくなでた。

「大丈夫だ、ルーチェ。サンドルはとんでもない男だったが、代わりに私がいる」

 無体を敷いた王太子の言葉など、なんの意味も持たないと理解している。
 それでも言葉を掛けずにはいられなかった。

 白い背中を何度も撫でてやる。
 白いシーツに散らばる太陽のような金の髪と、細い身体のコントラストが目に毒だ。

「ルーチェ、私がいる」

 実を屈めてもう一度耳元でささやくと、彼女はぎゅうと瞼を閉ざした。
 全てを拒絶するような仕草に眉を寄せる。

「ルーチェ。これで君は名実ともに私のものだ」

 甘く優しくその名を呼んで、事実を刷り込むように告げる。ルーチェは返事を返してはくれなかった。
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