【完結/R18】ヤンデレ絶倫王太子に身も心も溶かされています

久藤れい

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13話

 目が覚める。身体が揺さぶられていると、ああ、犯されている、と気づく。
 口から零れ落ちる嬌声を無理に止めると、起きたことに気づかれるのであえてそのまま流されるようになったのはいつからだったのか。

 寝ていても起きていても、犯され続ける毎日。
 愛する人以外とする行為に心がすり減っていく。

 今日もまた、意識が浮上した瞬間に甲高い嬌声が口から飛び出して、ああ、と下から突き上げられる感覚にそっと瞼を閉じた。





「んあ、あっ、ああっ!!」

 とめどなく溢れだす喘ぎ声が、どこか他人の声のように聞こえる。
 今までの人生で口にしたことのない甘ったるい鼻にかかった声。

「ルーチェ、ルーチェ」

 何度も呼ばれる自分の名前が甘く脳髄に響く。
 心は預けていないはずなのに、切ない声で何度も名を呼ばれると中がきゅっと閉まってしまう。

「かわいい……ルーチェは本当にかわいいね」

 ちゅ、と触れるだけのキスが額に落とされる。裸に剥かれた身体を何度も下から揺さぶられた。
 いつも行為が終わった後にメイドたちが風呂で清めてからベビードールを着せてくるのだが、あんなものは服を着ているうちに入らない。

 薄いレース一枚を着せられてベッドに戻される毎日にも慣れつつあった。
 それすら剝ぎ取られ、外気に触れた胸元がふるふると振動で揺れる。

「ふふ、今日も寝たふりかな? そういうところも可愛いね」

 ちゅ、ちゅ、と顔中にキスが降ってくる。
 バレているのならとそっと瞼を押し上げると、にこにこと微笑むオスクロの穏やかな笑みが飛び込んでくる。
 空を切り取ったような青い瞳がじっとルーチェを見つめていた。

「今日はどんなプレイがいいかな?」

 でろでろに溶けた瞳が問いかけてくる。
 ルーチェが拒絶するように瞼を降ろすと、小さく笑った気配がした。

「お任せか。では、期待にこたえなければ、ねっ」

 ずん、と質量を増した肉棒が一層強く下から突き上げてきた。
 たまらず「んぁあ!」と嬌声をあげたルーチェに満足げにオスクロが笑う。

「今日も感度は良好だ……!」

 ぐちゅぐちゅと肉棒で中をかき回される。巧みな腰の使い方に、ますますルーチェは甘い声をあげてしまう。
 悔しいことに、身体の相性がいいらしく、何をされても気持ちいいのが性質が悪くて仕方ない。

「あっ、あ、あぁ!!」

 起きているとバレたので、下手に気を使わなくていい。
 我慢することなく嬌声をあげる彼女に、オスクロがくつくつと笑う。

「ああ、本当に最高だ……くっ」

 お腹の奥で熱いものが弾ける。子供を宿すための種子を奥に注がれて、思わずルーチェは身を捩った。
 彼女が達するより早く、オスクロが限界を迎えることは珍しい。

「は、ぁ、すまない。あまりに淫らな光景に、我慢がきかなかった」

 汗で張り付いた黒髪をかきあげて、オスクロが笑う。
 欠片も悪いと思っていない様子に、ルーチェは一度達したのだから抜いてくれればいいのに、と思うけれど、絶倫であるらしい彼は一度や二度では満足しないのだ。

(……そのうち、腹上死というものを、しそうね……)

 いつか考えたことを、どこか遠い出来事のように思考する。
 すぐに硬さを取り戻した肉棒に再び下から突き上げられた。

「んあぁあ!」

 ふるんと震える双丘の片方に、野獣がかじりつく。
 そのままもぎ取られてしまうのではないか、と錯覚する野蛮さなのに、頂きを口に含んだ後はどこまでも優しくなぶられる。

 ころころと飴玉でも舐めるかのように口の中で弄び、時には軽く歯を立てる。その刺激だけで、開発された身体は簡単に感じてしまう。
 反対の手で寂しさを訴える胸を弄られ、弾かれ、こねくり回されるとさらにたやすく身体は絶頂へと導かれる。

「ぁ、あっ、ああっ」

 高まる快楽の熱に浮かされるルーチェに、頂きを口に含んだままオスクロが笑う。

「イくといい……!」

 一度引き抜かれた太いそれが、一気にずん! と奥に突き立てられて、たまらずルーチェは白い喉をのけぞらせて快楽のてっぺんに上った。





「今日はお風呂に一緒に入ろう!」

 何時間続いたのかわからない行為が終わり、重たい身体を自覚しながらルーチェが呼吸を整えていると、体力がまだ有り余っているらしいオスクロがそう提案した。

「……」
「いつもメイドに任せてしまうけど、たまにはね」

 返事をしないルーチェを気にした様子もなく、にこにこと笑ってオスクロは彼女を抱き上げる。
 どろりと秘所から白濁が零れ落ちる。何度精を注がれたのかわからないが、いまだ子を孕んでいないのが不思議なほどだった。

「ふんふん」

 やけに上機嫌のオスクロが行儀悪く足で隣室の扉を開く。
 脱衣所を抜けた先には、庶民には考えられない大きな浴室があるのだ。

 そもそも温かい湯を張ること自体が、庶民が一生に一度経験できるかどうかの贅沢だ。
 さすが王族だけあって、ふんだんに湯を張った湯船にざぶざぶと遠慮なく入っていく。

 長時間に及ぶ行為のあとで疲れた体に温かな湯が染み渡るようだ。
 知らずほうっと息を吐き出したルーチェに、満足げにオスクロが笑う。

「じゃあ、中も綺麗にしよう」
「あっ!」

 つぷん、と湯の中で秘所に指が入る。
 メイドたちは王太子が注いだ精を掻きだすことはしないので、彼女にとって他人の手で一度注がれた白濁を外に出す行為は初めてだ。

 オスクロがいないとき、メイドの目を盗んで一人で泣きながら中を掻きだしたことはあるが、自分でするのと他人が触れるのではわけが違う。
 その上、オスクロの指先は怪しく花芯を掠めたりするのだからたちが悪い。

「あぁあ!」
「感じたらダメだよ、ルーチェ。掃除なんだから」
「そんな、あぁ!」

 オスクロの腕の中にすっぽりと納まって、身体は温かな湯に触れている。
 その上で彼の指が白濁を掻きだしている。

 いつもとなにもかも違うシチュエーションに、いやでも意識してしまう。
 軽く喉をのけぞらせたルーチェに、くつくつとオスクロが低い声で笑う。

「悪い子にはお仕置きが必要だね?」
「え? あっ!」

 中を掻きだしていた手が移動して、ぴんと固くたった乳首を抓り上げる。
 びりびりと背筋を稲妻が走って、爪の先がまっすぐに伸びる。
 イってしまった、とルーチェが気づいたのは荒い呼吸を繰り返しているときだった。

「ふふ、ルーチェは可愛いね。どこもかしこも敏感だ」

 頭の上から聞こえる声が楽しげに笑っている。熱に浮かされた体でぼんやりと聞いていると、ふいに姿勢を変えられる。

「……?」

 風呂のヘリに手をかけさせられる。背後に回ったオスクロが彼女の背中を撫でた。
 くすぐったい感覚に身を捩ると、彼が小さく笑った。

「ゲームをしよう」
「げー、む」
「そうだ。私が書いた文字を全て読み上げることが出来たら、このまま風呂から上がる。間違えたら二回戦だ」
「っ」

 それはこのままここで致すということだ。
 顔色を青ざめさせたルーチェの背後で、無邪気な笑いが響く。

「いくよ」
「まっ、う」

 逆らえない。すぐに気づいたルーチェは背中に全神経を集中させる。文字を読み取れればいいのだ。
 幸いルーチェは食堂で働くにあたって、メニューを読むために一通りの文字をオーナーから教えられている。
 読み書きは得意ではないが、まったくできないわけではない。

「お、す……く、ろ――が」

 彼の名前だ。綴られた文字列を素直に読み上げていくが、途中で言葉に詰まった。

「ほ……」

 おすくろがほしい。
 強請るように綴られた言葉をそのまま読み上げるのは抵抗がある。
 口を閉ざしたルーチェの後ろで、悪意など欠片もない様子でころころとオスクロが笑っている。

「どうしたの、ルーチェ。文字は苦手かな?」
「……」
「黙ってたらわからないよ」

 どうしていいのか判断に迷って口を閉ざしたルーチェの双丘を背後から伸びてきた指先が摘まみ上げる。
 嬌声を口の中でかみ殺したルーチェに、先ほどまでの上機嫌が一転して不機嫌な様子になったオスクロが「ふぅん」と呟いた。

「そう、文字が読めないなら身体に意味を教えてあげよう」
「やっ、まって! わかる、わかるから!!」
「ダメ、もう遅いよ」

 両手首を背後から握られる。風呂の中で胸を突き出すような姿勢を取らされて、羞恥が限界まで高まった。
 太く固いものが尻に触れる。耳まで赤くしたルーチェの中を反り立った男根が貫く。

「あぁん!」
「そうそう、声は出さないとね」

 口を押えることができるあられもない嬌声をあげるルーチェに、ようやく満足げにオスクロが笑う。
 湯が揺れるじゃぶじゃぶという音の合間に中を何度もつかれる。

 いつもならベッドの上で正常位なのだが、今は後ろからだ。
 上半身を起こしているのもあっていつも以上に奥へと入ってしまう。
 湯船の中だから仕方ないのだが、同時に温かな湯も混ざって中に入ってきて、おかしな気分になる。

「やめっ、あぁあ!!」
「ルーチェは本当に素直じゃないね。そういうときは『気持ちいい』っていうんだと、何度も教えているのに」
「ひああぁあ!!」

 頑是ない子供の我儘に付き合う父親のような慈愛を滲ませてオスクロが笑う。
 やっている行動とちぐはぐな声音に脳が混乱して仕方ない。

 湯船の中で淫らぐと、風呂場に声が反響してみだらな自分の声が耳朶に届くので、頭が可笑しくなりそうだ。
 与えられる快楽の種類が普段と違うので、自然と嬌声も高くなる。
 喘ぎ続ける彼女を背後から犯し続けるオスクロの行為は、ルーチェがのぼせるまで続いた。





 いつの間にか再び気を失っていたらしい。だるすぎて辛い身体を自覚しながら、そっと瞼をあける。
 ベッドの上にはルーチェ一人だった。
 王太子であるらしいオスクロはそれなりに忙しいらしく、目が覚めたときに彼がいるかどうかは半々だ。

「……あのひと、なにをかんがえているのかな……」

 ぽつりと掠れた声を零す。
 彼女の目にするオスクロは、出会った当初は庶民の生活を知らない貴族で、食堂に通っていた頃は身分を隠して馴染もうと奮闘する可愛らしい人で、日夜犯される今は性欲の化け物の人でなしだ。

 だからこそ、わからなくなる瞬間がある。
 どれが本当の『彼』の姿なのだろう、と。

(……ねむりながら、ないていることがあったの)

 夜中に目を覚ましたルーチェが、薄く瞼を開いた時。すすり泣く姿を見た。
 呼吸が止まるほど驚いたけれど、思わず手を伸ばして頭を優しくなでると、彼は「ははうえ」とだけ呟いてすやすやと寝始めたのだ。

 王宮のごたごたは庶民であるルーチェにはわからないが、オスクロも抱えているものがあるのかもしれなかった。

「……へんなひと」

 答えは出ないし、答えを出すのも怖かった。
 だから、あえて考えないように思考をシャットアウトする。

(いま、いつごろかしら……)

 考えを全く別物に変えて、固く閉ざされたカーテンへと視線向ける。
 分厚いカーテンの奥に日差しを見て取って、昼間であることは把握できた。

 部屋には備え付けの振り子時計が置かれているが、身体を起こしてまで見に行く気は起きない。
 いつも通りならば食事も置かれていると分かっていたが、身体が辛くて起き上がるのが難しい。

「……?」

 ふと、少しだけ冷えた空気が肌に触れた。空気の揺らぎを感じ取って、閉鎖された空間では風が吹くことはないので、不思議に思いながら少しだけ視線をあげた。

 ベッドの向こう、ローテーブルの奥。いつもは固く閉められ、オスクロがポケットに入れている鍵でなければ開かれることのない扉が開いていた。

「っ」

 目を輝かせたルーチェは勢いよく上半身を起こす。
 寝ている間に薄いベビードールを着せられていたらしく、裸ではないことも彼女の背を押した。

(逃げられる……!)

 いまならこの部屋から出て、逃げることができる。一縷の希望を前に、ルーチェは痛む身体に鞭打ってベッドから降りた。





「なんだぁ、あの娘」
「ほとんど裸じゃねぇか」
「ヤっちまうか?」

 逃げ出したルーチェを見つめる下種な視線に、捕らわれるまでルーチェは気づかなかった。
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