結び契る〜異世界転生した俺は番いを得る

風煉

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第1話

起床、前戯

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「おはよう、ダイチ!」
「……おはよう」
 
次の日、訳も分からずやって来てしまった異世界二日目、俺は絶賛寝不足で朝を迎える。
何故かといえば、眠ろうとしたときにヒューイがやらかしてくれたからだ。
最初床で寝ようとしたのを止められ、仕方無しとやや狭いベッドに二人並んで寝ようとしたのだが、あろうことか抱きついてきたのである。
ジャケットとシャツ、ズボンは脱いで上下肌着だけになったところへ、ヒューイが悪気なくくっついてきたせいで、俺は睡眠の神から見放されてしまった。
 
「元気ないね、寝てないの?」
「……むしろなんで君は爆睡できるのかを俺は聞きたいよ」
「そう? 夜は寝るものだし、ダイチ温かくてスベスベしてて、なんだか落ち着くんだもん!」
 
よほど抱き心地が良かったのか、朝から大変にご満悦なヒューイの様子に、それならまだいいかと妙に納得してしまう。
これがこの子の魅力なのかもしれないと思いつつ、とりあえず服を着ることにした。
手を伸ばした先の黒いジャケットとシャツ、そしてズボンを着ていると、見ていたヒューイが素朴に感じただろう疑問をぶつけてくる。
 
「ダイチ、どうして人属は僕たちみたいに毛並みがないの?」
「んっ? そんなことないぞ、毛なら生えてるじゃんか」
「その腕の? それは毛並みとは言わないでしょ? もしかして全身ツルツルなの?」
「そういうわけではないけど……。 その、生えているところには生えて――」
「えっドコドコ? 見たい!」
「ひ、他人様においそれと見せる部分ではないから無理だ!」
 
肌がツルツルしている、と言われたものの、人並みに腕の毛は生えているのだが、ヒューイ的には毛とは言えないようだ。
確かに一部ボーボーに生えているところはあるが、おいそれと開帳するわけにもいかないので、話を誤魔化そうとする。
だが気になって仕方がないのか、こちらの言葉を無視するように再び犬の青年が抱きついてきた。
 
「どこに生えているの? いいから脱いで!」
「なんでそんなに見たいんだよ!?」
「気になるからだよ! 見せてくれないと、ご飯作らないよ?」
 
服を無理やり引っ張り、破けそうになるのを必死に抵抗していると、とんでもない脅しをかけてきたので、俺は思わず押し黙ってしまう。
悲しいかな、料理にはてんで自信がなく、仕事帰りに弁当ないし、らーめん屋で済ませるなどが普通だったせいで、料理の腕は皆無に等しかった。
俺の無言を了承とみなしたのか、脱がせようとするも、脱がし方が分からないヒューイがあれそれ弄っているので、ため息を溢しつつその手を止めさせる。
 
「分かった、分かったから。 その代わり、ご飯はちゃんと作ってくれよ?」
「――! うん、もちろん!」
 
見せないで拗ねられるよりはマシと、なぜか自分が損をしてならないが、背に腹は変えられなかった。
渋々履いたズボンを足元まで下ろし、下穿きだけになってからそっとパンツも下ろしていく。
冷静に考えれば脇でも良かったのかもしれないが、今更どっちでも大差ないと思うことにした。
見せようとしている部分がどこか気づいたのか、屈んで顔をその位置まで合わせたヒューイに見せつけるように脱ぐ。
しんなりと通常サイズの息子を見られている、というよりは見せつけている事実に、変態だなと自嘲したくなった。
 
「ほ、ほらっ生えているだろう? それなりに? えっと、だから、もう――」
 
凝視されるのはさすがに辛いと、パンツをあげようとするが、手の動きが遮られてしまう。
何事と見下ろしてみると、まるで魅入られて目が離せないと言わんばかりにヒューイの息が、段々と荒くなっていた。
 
「ヒューイ? どう、ひっ!?」
「はむっ、んっちゅぅ……! ハァ、ハァっ、ダイチのおチンチン、こういう味なんだね……」
「や、やめ、何し――ひぃぃっ!?」
 
様子がおかしいと声をかけた時だった、一物に何か艶かしいものが這いずり出したような違和感に小さく悲鳴を上げて見てみると、信じられない光景が展開していた。
鼻息荒く見惚れていたヒューイがマズルを開き、犬科らしい長い舌を伸ばし、俺のものを丹念に舐めている。
我慢できないとばかり口に頬張り、グチュグチュといやらしい音を立てて、キャンディーを楽しむように舐っていた。
頭を掴んで引き剥がそうとしても、地力が違いすぎるのかビクともせず、段々と腰がかくつき始め、姿勢の維持が困難になっていく。
 
「ひっ、あっ、あぅ……!? ヒューイ、やめ、ダメだって……!」
「んっ、んぅっ……! はぅっ、んちゅっ、んんぅ……♡」
 
鎌首もたげ、本来の姿を取り戻したとばかり硬くなる男の肉筒を加える犬の姿に、俺の理性が段々と瓦解していく気がした。
心底美味しそうに咥え、舐めて、舌を這わし、喉を鳴らして先走りを飲み干していくヒューイの瞳は蕩けている。
わざとらしく声を上げ、俺の限界を早くきて欲しいと切望するように、強く吸い始めたため、あっという間にそれは訪れた。
 
「あっ……!? だ、ダメ、だ……! い、イク……!!」
「んっぐぅっ……!? んっ、んっ……♡ んっ……♡ んんぅっ……♡」
 
忙しさから処理していなかったせいもあり、久々の絶頂に快感から叫んでしまうくらい、気持ちがよかった。
天井を仰ぎ見るように仰け反り、吐き出された俺の精子を一瞬こそ驚きはしたが、すぐに余さず愛しそうにヒューイは飲み干していく。
吐き出したものを飲み終えると、チュルチュルと亀頭に残った残滓を吸い取り、舌を這わして綺麗にしながらようやく口を離してくれた。
解放されたことで腰の力が完全に抜けた俺は、トタンと地べたに尻餅をつく。
 
「はぁっ、はぁっ……! ヒューイ、いきな――んぅっ!?」
 
乱れる呼吸と動悸のように脈打つ心臓を落ち着かせながら、目の前にやらかした少年へ俺が小言を漏らす、よりも先に動かれてしまった。
あろうことか、今しがた出してしまったマズルをヒューイは迷うことなく俺の唇に当て、キスされたことが信じられない。
何せ口の中にまだ残っていたらしく、俺は自分の精液をヒューイにより飲まされようとしているのだ。
拒絶しようとしたが、すかさず入り込んでくる舌に絡みとられ、吐き出されないようにと優しく押し倒されてしまう。
 
「んっんぐぅっ……! んんっ……!?」
「んっ、はっダイチ、ダイチ……♡ ダイチ……♡」
 
唾液なのか精液なのか分からなくなるまでかき回され、もうすでに嚥下させられたというのに、不快感は恐ろしいほどに感じなかった。
自分のものを飲むなど考えたこともないのに、どうしてか、今も切なそうに、それでいて慈しむような声で呼ぶヒューイの音が耳から離れない。
ずっと聴いていたいと思い、気づけば俺は自分からも舌を絡ませてると、嬉しそうに目を細めて少年は体をすり寄せてきた。
一部妙に主張が強い部分があるとすれば、俺の股間で果てたはずなのに、もう復活している一物に、ヒューイが布越しに自身のものを押し付けてくる。
それだけで相手も勃起しているのが分かったが、男同士でこんなことをしているというのに、もっとしていたいと思えてしまうのは何故なのか。
 
「……ダイチ、僕の、触って?」
「うっ、あっ……」
 
キスの合間、お互いの吐息を顔にぶつける至近距離で、ヒューイが恋焦がれるように俺の右手を取り、布一枚だけで隠していたそれを顕にし、自身の股間へと誘うよう導いた。
いつの間に剥いだのか、着ていたはずの布はなく、柴犬の隆々とした肉筒がギンギンと盛りそびえ立つのを見て、俺は視線が外せなかった。
指先に触れる自分と同じ、もしくは大きな肉筒に思わず喉を鳴らし、少し躊躇しながらもそっと握ってみる。
興奮している、ヒューイとこうしたくて仕方がないのだと、否応なく思い知らされる。
 
「ダイチの、またおっきくなったね……。 触っても、いい?」
「……フェラした後に、そんなこと聞くなよ」
「ふぇ、ら? えっと、口淫のこと?」
「うっ……、そ、そうだよ……」
「そっか、うん、それもそうだね、なら触るくらい平気だよね?」
 
自分のには有無を言わさず触らせておいて、俺のものにはわざわざ許可を取ろうとするあたり、確信犯なのかもしれない。
咥えた後にそれはないだろうと口にした単語に、ヒューイが聞き返してきたので、またやってしまったと後悔した。
俺の恥じらう様子に、納得したように笑ってそっと握り、反応を確かめるように犬の少年が瞳を見つめてくる。
負けた気がしてならないと、そんな気負いが生まれて俺はヒューイの肉棒をゆっくりと扱き出した。
呼応するようにヒューイもまた手を動かし始め、イったばかりの一物が敏感に反応するが、気持ちよさにもっととすり寄せたくなる。
 
「……ダイチ、こっち向いて♡」
「はぁっ、はぁっ、あっんんっ……」
 
興奮が高まり、ヒューイに呼ばれ顔を向ければ近づく柴犬のマズルを今度は抵抗なく、目を閉じてそっと唇に重ね、舌を絡ませあった。
お互いの手の動きが段々と早くなり、行為に浸る瞬間がたまらなく燃え上がり、汗や匂い、呼吸までも相手のものと溶かし合うよう悦に浸る。
いつまでも続くと思っていた時間も、俺の方が呆気ないくらいに二度目の限界を迎えようとしたところ、ヒューイもそうなのか、余裕がないように見えた。
 
「んっんんっ……♡ ダイチ、ダイチ♡ 僕、もうイキそう……♡」
「はむっ、んっ……! あぅ、んぅっ、俺、も……!」
「いっぱい出していいよ♡ 僕も、いっぱい出る、から……♡ んっ、あっあぁっ……!」
 
キスしたままくぐもった声をあげ、俺たちは共に精を吐き出し、お互いの体をそれぞれに白く汚しあう。
汚い、向こうにいる時なら間違いなくそう思ったはずなのに、今はそれがたまらなく愛しいと思えて仕方がなかった。
絶頂へ至り、どちらかともなく離れたところで、熱を帯びた瞳は視線を合わせたまま、お互いの顔を外せずにいる。
 
「……気持ちよかった」
「そっか、よかったな……」
「むっ、ダイチは違うの?」
「……一人でするより、ずっと良かったよ」
 
致したあとの余韻に浸るヒューイは満足そうにしていたのもあってか、先ほどまであったはずの怒りはすっかり無くなってしまった。
やや投げやりに返事をすると、不満だったのかむくれていたので、これは素直になった方がいいと判断し、俺も気持ちが良かったと伝える。
それで機嫌が良くなったのか、いつもの笑顔になって嬉しそうに抱きついてきた。
シャツが汚れてしまったが、そんな些末なことを口に出すよりも、胸の中にいる少年の体に両腕を伸ばし、抱きしめてあげた方がいいと思い、実行する。
抱きしめてくれたことに驚いた素振りを見せるも、なおのこと嬉しいとばかり尻尾を降り始め、ヒューイも同じくらいに抱きしめ返してきた。
 
「ダイチ、ダイチ……。 好きだよ、ダイチ……」
「……ありがとう。 でも、あのさ――」
「分かってるよ、強要はしない。 でも、僕はダイチと最後までしたいんだ。 我が儘を言っていいなら、今晩くらいにはしたいかなって、思ってたりするけどね」
 
会って二日も経っていない俺への愛を、ヒューイが当然のように語り伝えるよう言葉にしてくるので、どうしたらいいのかまだ分からない。
返事は待つ、でも長く待てないかもしれないと暗に告げられた気がしたものの、答えは出ているのかもしれなかった。
これを口にしていいのかと考えたとき、全身の細胞がこれまでにないほどの警戒を持てと叫んだと錯覚する。
同時にこれまで感じたことのない怖気に震えると、何やら1方向からものすごい怨念めいた、怨嗟の覇気が外から向けられていることに気づいた。
見たくなかったが、恐る恐るその方角に目を向ければ窓があり、向かい側には形容し難い顔つきをしたドーベルマンが射殺すように睨み付けている。
瞳から血の涙を流し、ただ俺のことをじっと目を離さないようにする様は、獲物を前にした狩人そのものだ。
死ぬかもしれない、俺は命の危機をこの時ほど感じたことはなかった。
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