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第2話
【プロローグ】異世界転生は過酷すぎる
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世の中うまく行かないことなんて、最初から分かっているつもりだった。
俺の名は上里 大地、事故で死んだと思ったら、流行りの異世界転生をした日本人である。
黒髪、中肉中背、顔は普通と本当に一般人なわけだが、自分で言っててちょっと悲しくなるのは気のせいではないはずだ。
自分で自分に言い聞かせるのも滑稽だが、そんな感慨に浸りたくなる事態が今まさに、目の前で展開している。
『クックックックッ……。 まさか貴様のような極上の餌が手に入るとは、我も運に恵まれたものだ』
辺りを重圧で支配するような声が木霊し、どう見ても人を超えた何かがいるのだと肌で感じていた。
自分の力など無力だと言われているようで癪だが、事実なので仕方がない。
でもだからといって、異世界転生してから危機的状況に晒されすぎていないか、俺? もっとこう、チート的な、俺TUEEEEEみたいなことがあってもいいんじゃないの、普通!?
残念なことにそんなのは来てから一度もないので、考えるだけで虚しくなる。
『おい貴様。 この我を前にして随分と不敬なことを考えているな? その胆力は褒めてやろう、だが貴様の末路など既に決まっているのだ、悪あがきくらい許してやってもよいぞ?』
なんとも偉そうで、尊大な声に腹が立つ、あと勝手に人の心の中を覗き込んでんじゃねぇ、プライバシーの侵害で訴えるぞこの野郎!
などと言いたくなるが、おそらく筒抜けなのだろう、ピシリと空気が軋むような雰囲気になり、これはやばいと悟っても遅かった。
どうやら相当にお怒りなのか、声だけだった気配はのっそりと巨大な影が現れ、俺など虫のような存在に見られてもおかしくない。
地響きを伴う足音を伴い、遠くの樹海からその姿を晒そうとする存在に、俺は地べたに腰をついてしまった。
悪手なのは言うまでもない、だが逃げられないのも事実、故にどうすることもできない。
『ふん、腰でも抜かしたか? まこと人間とは矮小なものよ。 さぁ、この我の姿を見て恐れ慄くがよいぞ!』
見破られた、というには見るからに腰を抜かしている俺に心底満足しているようで、声の主はその姿を現した。
そして俺は驚愕し、息を呑んだ。
まさか、まさか出てきたのが……!
『我こそは、失意の森を支配せし魔の主たるガルガーオン! 人間よ、その身を以て我を崇めるがよい!』
偉そうに黒のマントを翻す、手のひらサイズでコウモリの羽が生えた二足歩行の虎だなんて、誰が想像できるか。
ていうかあの影は? 空を突き刺さんばかりに生えた樹木におよそ10mは射影があったはずなのに、出てきた奴がこれってなんなの?
詐欺なの、新手の詐欺なの?
『ふふん! どうやらこの姿を見て畏れから声も出ぬようだな。 よいぞ、囀りくらいならば我も許そう、好きなだけ叫ぶがよい!』
「……テイク2」
『ーー? なんだ、それは』
「やり直せってこと」
『なんだと貴様』
俺の様子にビビっていると思ったのだろうが、全く逆で、肩透かしにも程があると、思わずやり直しを小虎に求めてしまう。
さて、何でか俺は今、失意の森、その最奥ともいうべき場所にて主に会っているのかというと、いろいろと訳があった。
主にヒューイの、俺の番いに関係した揉め事によりこんなところに連れてこられてしまったのである。
俺の名は上里 大地、事故で死んだと思ったら、流行りの異世界転生をした日本人である。
黒髪、中肉中背、顔は普通と本当に一般人なわけだが、自分で言っててちょっと悲しくなるのは気のせいではないはずだ。
自分で自分に言い聞かせるのも滑稽だが、そんな感慨に浸りたくなる事態が今まさに、目の前で展開している。
『クックックックッ……。 まさか貴様のような極上の餌が手に入るとは、我も運に恵まれたものだ』
辺りを重圧で支配するような声が木霊し、どう見ても人を超えた何かがいるのだと肌で感じていた。
自分の力など無力だと言われているようで癪だが、事実なので仕方がない。
でもだからといって、異世界転生してから危機的状況に晒されすぎていないか、俺? もっとこう、チート的な、俺TUEEEEEみたいなことがあってもいいんじゃないの、普通!?
残念なことにそんなのは来てから一度もないので、考えるだけで虚しくなる。
『おい貴様。 この我を前にして随分と不敬なことを考えているな? その胆力は褒めてやろう、だが貴様の末路など既に決まっているのだ、悪あがきくらい許してやってもよいぞ?』
なんとも偉そうで、尊大な声に腹が立つ、あと勝手に人の心の中を覗き込んでんじゃねぇ、プライバシーの侵害で訴えるぞこの野郎!
などと言いたくなるが、おそらく筒抜けなのだろう、ピシリと空気が軋むような雰囲気になり、これはやばいと悟っても遅かった。
どうやら相当にお怒りなのか、声だけだった気配はのっそりと巨大な影が現れ、俺など虫のような存在に見られてもおかしくない。
地響きを伴う足音を伴い、遠くの樹海からその姿を晒そうとする存在に、俺は地べたに腰をついてしまった。
悪手なのは言うまでもない、だが逃げられないのも事実、故にどうすることもできない。
『ふん、腰でも抜かしたか? まこと人間とは矮小なものよ。 さぁ、この我の姿を見て恐れ慄くがよいぞ!』
見破られた、というには見るからに腰を抜かしている俺に心底満足しているようで、声の主はその姿を現した。
そして俺は驚愕し、息を呑んだ。
まさか、まさか出てきたのが……!
『我こそは、失意の森を支配せし魔の主たるガルガーオン! 人間よ、その身を以て我を崇めるがよい!』
偉そうに黒のマントを翻す、手のひらサイズでコウモリの羽が生えた二足歩行の虎だなんて、誰が想像できるか。
ていうかあの影は? 空を突き刺さんばかりに生えた樹木におよそ10mは射影があったはずなのに、出てきた奴がこれってなんなの?
詐欺なの、新手の詐欺なの?
『ふふん! どうやらこの姿を見て畏れから声も出ぬようだな。 よいぞ、囀りくらいならば我も許そう、好きなだけ叫ぶがよい!』
「……テイク2」
『ーー? なんだ、それは』
「やり直せってこと」
『なんだと貴様』
俺の様子にビビっていると思ったのだろうが、全く逆で、肩透かしにも程があると、思わずやり直しを小虎に求めてしまう。
さて、何でか俺は今、失意の森、その最奥ともいうべき場所にて主に会っているのかというと、いろいろと訳があった。
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