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CASE 13
しおりを挟む「えー―――それでは、第一回、男の純潔守り隊の会合を開催します。カンパーイ!」
「いや、それホンキで落ち込むからやめて」
「「「うんうん」」」
「―――コホン。じゃあ、第一回ヤーマン・タイシジ防衛会議を始めます。カンパーイ」
「「「カンパーイ」」」
「くっはー。美味っ」
「確かに。この値段でこれだけの酒を出してくれるところってマンダムさんの所だけだよなぁ」
「―――フフン」
ほめられてうれしいのかチャームポイントのチョビ髭を撫で、形を整え直すマンダムさん。
最近自分達の身が危ないんじゃ?
それなら作戦会議だ!
と有志を募ってこの『BAR チョビ髭』に集まって酒盛り……じゃなかった、作戦会議を行っているのだ。
参加者はリン・ヨーチン・ディーの悪友3人組+トトゥルとグレータ。
この二人はヨカゼ街の門番をしているので、これまた変態とのエンカウント率が異常に高いのだ。
「しっかし、ヤーマン大佐には困ったもんだよ」
「あぁ。あの後4人ばかし拉致されているのが分かったからな。タイさんに頼んでなんとか連れ戻してもらったんだよな」
「ちょっと待て、その代償として俺がハグされて散々な目に遭ったんだが」
「俺等、街の警備隊は一人でも多くの住民を守るのが仕事だ。一人の犠牲で四人救えるなら迷わずその方法を選ぶ」
「その通りだ。トトゥル、良い事言った!」
「おいお前らなぁ……」
「犠牲一人じゃないぞ。フラットの奴、耐えきれずに俺等3人を生贄に逃げたんだから!」
「そうだそうだ!」
「侘びとして今日の酒奢れ!」
「まて、そもそもの原因はトトゥルとグレーダが俺を売りやがったからだろーが。今日の酒代を出すっていうならこの二人に払わせるのが筋じゃねーのか?」
「どっちでもいーよ。少なくとも今日の俺はタダ酒飲ませて貰うぜ?」
「あぁ。俺等は完全な被害者なんだからな。三人で話し合って支払ってくれ。任せた」
ギャーギャー騒ぎながらマンダムさんの用意してくれた酒と肴を胃袋に収める。
作戦会議は―――まだ、始まらない。
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