66 / 81
日本と異世界とその周辺
女神さまと異世界の門 その6
しおりを挟むうん、ごめん。
後半なんかどうでもいい話になってたわ。
余談だがその店の名前『デア・デ・ペクトゥス』という店らしい。
何故かラテン語で胸の女神。
話を聞く限りこの国にある店らしいので誘われても入らない様、きちんと覚えておこう。
他の店ならちょっと………かなり考えるけどね。
まぁ、そんなわけで意識して扉を開ければ異世界に開くチカラを手に入れていたらしい。
実際に何度か試してみたのだが、この能力はかなり強く出ていきたい先の扉を意識しないと効果を出さない。
開けゴマ感覚で異世界に行きたいと思う程度では不発だった。
酔っ払ってふとシルイットの事を思い浮かべながらトイレのドアを開けたら、おぅふぁんたじぃなんて事態にならないから良い事だと思っておこう。
結果、今現在成功したのは真幸商会シルイット店の扉いくつかと帰りの事務所だけ。
商業ギルドも成功しそうな気がしたけど、ガルフコーストさんの胃に穴が開きそうなので止めておいた。
このままじゃ意味がないので実験その2。
イメージが不十分なら実物を見ながら開ければいいじゃん。
という事で適当な扉の写真を撮って印刷したのを見ながらだったらあっさり成功。
デジカメやノートパソコン内の画像を見ながらだと駄目だった。
何か細かい条件の一致不一致があったのだろうが、とりあえずこの得られていた能力が自分の意思で効果を発揮できる事が分かった。セレーネちゃんは
「本来なら魔力の波長を利用してポイントごとをマーキングすることで各地点を繋ぐスキルなんですけどねぇ」
と呆れた感じで言っていたが魔法使いどころかこの世界の住人ですらないので軽く聞き流す。
そんなわけで、スキルと写真を使って車庫に付いている小さな物置とシルイットの倉庫入り口を一時的に繋ぐ。
東條に露見すると面倒事の予感がするのであいつが配送する時間帯に台車を使って移動させておいた。
今日はその乱雑に投げいれられた商品達を数の力で整理してもらうのだ。
東條?あいつは今日の銀月の仕事が荷運びだと知ってさっさと逃げていったよ。
逃げる直前に先週まとめた一覧を押し付けてやった。
対価として金銭の代わりに
「あんたも一日、無償労働してくれるよな?なぁ?」
と方を叩いてやったらものっすごく苦い顔をしていたので、来月からはもう押し付けられる事は無いだろう。
「それでハヤトさん、どのように直していけばいいのでしょうか」
「あぁ、そうだった。まずはデライト。左半分はシルイットの市場から買い漁ったものなんだけど、この空白のリストに何が幾つあるのか俺の国の言葉で書き出しをお願いします。書き出したアイテムは翼獅子の皆さんで3番倉庫に。カイナさん、並べる順番は問わないけど似た様なアイテムは大体近くに集める感じで置いてもらっていいかな」
「…わかった」
「オッケーよ。カイネ、ファルシア、任せたわ」
「……お姉ちゃん」
「……リーダー」
3番倉庫にはシルイットで仕入れたお手製商品が運ばれる。
配置のイメージはリサイクルショップだ。
場所だけは広いのだから在庫数と大まかな位置さえ特定できればいい。
ダンボールや梱包資材の持ち込みに待ったがかかり在庫管理も手計算。
さらにはほとんど倉庫を管理する時間もない、となればこうやって最低限の把握に努めるしかないのだ。
「銀月の皆さんはこの右半分を2番倉庫に運んでください。こっちにあるアイテムの種類と数はすべて把握してますので種類ごとに分けて並べるだけで大丈夫です。ラッセルとミスティは合わせて2番倉庫に運び込まれるアイテムをきれいに整理もお願いね」
「わかりましたっ!」
「了解、店長。というか、久々にまともな仕事って気がする」
ラッセル、それを言うな。
することがないのか庭の花壇は立派なものが完成済み、店内は小物に至るまで誇りひとつない状態なのは気づいてる。
扱っている商品がぼったくりな金額だから、そんな状態でもシルイットでは破格の給料+家賃を払っても維持できている以上梃入れは後回し後回しとなってしまっているのだ。
2番倉庫には砂糖を中心とした調味料に食料品が運ばれる。
こちらの在庫は伝票とパソコン内にきちんとデータが残っているので運び出しやすいように整理してもらうだけだ。
台車の持込はこれまたセレーネちゃんから待ったがかかったが、木製のネコ車に近い4輪の台車があったので2台を駆使して運搬を頼んだ。
「ちっ。こーいう事は駆け出しに任せりゃいいもんを。結構多いじゃねーか」
「ガル、そういうなって。代わりにトージョーの持ってきたモンと同じモンが手に入るんだぞ?それを考えりゃ一日くらい駆け出しの真似事なんて気にならねーだろ?」
「だねぇ、あのカップラーメンってパスタおいしかったー。私あれまた食べたい!」
「……ちっ、しゃーねーなぁ」
銀月のみんなも了解してくれたようだ。
というか、東條が彼等をモフった理由も今ならわかる気がする。
確かにふわっふわしていて気持ちよさそうだ。
まぁ、俺の場合はきちんと理性が抑えてくれるけどな。
よし、彼らの報酬には(セレーネちゃんには内緒で)シャンプーとリンスも加えておこう。
よりすばらしい毛並みになるように願いをこめて。
こうして倉庫整理を任せている間に自分は臨時休業中の店内へ。
サボリジャナイデスヨ?
多くの妖精・精霊、そしてセレーネちゃんが見守る中、コホンと咳払いをして一言告げる。
「それでは………これからお勉強をしてもらいます」
「「「「「「「「えぇーーーーーーー」」」」」」」」
ブーイングの嵐。
何とでも言うがいい、すぐにそのブーイングは笑い声に変わるのだから。
教本として取り出したものは『笑ってはあかんで24時』シリーズのDVD。
年末年始にある特別番組のひとつで出演者が笑わせられて笑うたびに凄惨な罰を受けるという人気番組だ。
その凄惨さは恐ろしいの一言で出演者の半分以上が毎年治療のためにしばらく活動を休止、制作費の一部に最初から『労災費』が計上されているレベル。
この企画が毎年通る理由も『人死にが出てないから大丈夫でしょ』というのだからさらに恐ろしい。
ぜひともその罰を、いずれ現れるであろうならず者達に遠慮しない形で発揮してもらいたい。
「ということで、この24時シリーズのDVDを楽しんで鑑賞してください。セレーネちゃんちょっといい」
セレーネちゃんにDVDのセットと終わった後の入れ替え方、予備のバッテリーの説明をして夕方まで日本へ。
報酬の買出しだけ済ませて、最近ドタバタばっかりだったから後はゆっくりしますかねぇ。
22
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私は実は“本物の聖女”でした。
さら
恋愛
私――ミリアは、クラスで地味で取り柄もない“都合のいい子”だった。
そんな私が、いじめの張本人だった美少女・沙羅と一緒に異世界へ召喚された。
王城で“聖女”として迎えられたのは彼女だけ。
私は「魔力が測定不能の無能」と言われ、冷たく追い出された。
――でも、それは間違いだった。
辺境の村で出会った青年リオネルに助けられ、私は初めて自分の力を信じようと決意する。
やがて傷ついた人々を癒やすうちに、私の“無”と呼ばれた力が、誰にも真似できない“神の光”だと判明して――。
王都での再召喚、偽りの聖女との再会、かつての嘲笑が驚嘆に変わる瞬間。
無能と呼ばれた少女が、“本物の聖女”として世界を救う――優しさと再生のざまぁストーリー。
裏切りから始まる癒しの恋。
厳しくも温かい騎士リオネルとの出会いが、ミリアの運命を優しく変えていく。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる