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密貿易開始編
天災の天災による天才的な結果 その6
しおりを挟む荷運び隊には悪いが少し待ってもらってガルフコーストさんと値段について話をつける。
ナストゥール商会とポニー商会にも砂糖を1袋ずつ引き取ってもらった事と1割~2割程高値で引き取ってもらった事も伝えておいた(相手の手の内を勝手にさらすことになるので具体的な額面は伝えてないけど)。
段ボールも付けることを条件に1箱(10袋)155,000ジルの合計372万。
「しかし、この額面では今日まとめてお支払いが難しいのですが、………分割という形をとらせていただけないでしょうか?」
まぁ、前職でも1度に千万単位の現金が必要な時には事前に連絡してもらわないと支払えなかったからな。
蹴られたお返しにとちょっと意地悪したら思わぬところに弊害が。
まぁ、うれしい悲鳴みたいなので謝らないけどね。でも、今後は気をつけるよ。
「売掛金についてなんですが、ギルドで預かってもらう事って出来ないですか?」
ガルフコーストさんに日本の当座預金を一部抜粋して伝える。
小切手としての取り扱いだ。
「しかし、勝手に数字を書き換えられてしまわないでしょうか?そうなると我々やハヤトさんが大損することになりますぞ?」
勿論日本式の数字表記もお伝えしました。
\を最初に記載した上で壱・弐・参……と九まで続き拾・百・千・万。ここまで伝えれば大丈夫だろう。
というか、何気に日本式の数字を口頭で説明するのって難しい。
時間もないし結局小部屋に残したままのコピー用紙にこれはここに当てはまるって書いて渡したよ。
………後で時間作ってきちんと教えておこう。
ついでにボールペンを見せて、これで書かれたものだけを取り扱えるようにすればいいというと安全面でも納得してもらえた。
…………代わりにボールペンの一般販売は禁止となったけどね。
シルイット―――いや、ロストータ大陸はそんなに犯罪者が多いのか?
荷を彼らに任せ、急いで事務所に戻る。
余分な説明に時間を食ってしまい、予定の時間を30分近く過ぎてしまっていた。
案の定、事務所に天災さんの姿はない。
もしやと思い隣の自宅に走る。
「きゃーーーーーーーー。それ、外に。外に捨ててくださーーーーい」
「はははははははははははは、これぞロマンではないか。こいつで最高の妹料理を作ってもらおうではないか!」
うん、いきなり開けたくない。
が、そのままにしておいたら悲惨な結果になる事は目に見えている。
仕方なしにドアを開くと天災さんと彩綾が家の中で追いかけっこをしていた。
「……………お前等、何やってんだ?」
「あ、兄さん。東條さんの荷物を奪って外に捨ててください!」
「おい、真崎。貴様の妹にこいつで料理を作ってもらえるように頼んでくれ!」
彩綾が指さし天災がつきだした透明のビニールにはパンパンに膨らんだ缶詰が一つ。
成る程、こいつが元凶なんだな。
一瞬で判断し天災から袋を奪い取る。
中身は―――――シュールストレミング!?
思い出すのは一度大学時代に面白半分で持ってきたやつがいて、大きな破裂音とともに阿鼻叫喚となった爆弾缶詰事件。
この馬鹿はなんて危ないものを持ち込んできてるんだ。
「流石真崎!あまりの素晴らしさに声も出ないか。うをっ」
ビニール越しにパンパンに膨れ上がった缶詰を掴んで、東條の頭にその缶詰ごとビニールをかぶせる。
「こいつを大人しく持って帰るかこの状況で爆発させるか、二つに一つだ。さぁ、選べ」
「わ、わかった。わかった。オーケーここは大人しく持って帰る。だからこの袋を取ってはくれないか」
降参とばかりに両手をあげる。
「では――――――出直してこいっ!」
そのまま外に放り出す。
「30分だけ待ってやる。1秒でも遅れたらシルイットは無しだ。分かったな」
慌てて走り去る東條を確認してから扉を閉め、一息つく。
「―――――悪は、去った」
「兄さんの言っていた危険の意味が初めて分かった気がします。次から東條さんは家に入れないようにしますね」
「あぁ、そうしてくれ」
余談だが、俺と東條がシルイットに向かっている最中、とある部屋の一室で爆発音と異臭騒ぎがあったらしいのだが、それは俺の預かり知らぬ事である。
まぁ、被害がうちじゃなくて助かった。
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