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53話、聖なるバリア
しおりを挟む「聖気を使いこなせば、攻撃の反射や、魔法の分解吸収もできる。ヒナ、俺に攻撃してみろ」
「うっす!全力全開オラァァあひゃぁぁぁ……!」
「と、こんな感じだ。武器に纏わせた魔力は吸収、物理攻撃はそのまま反射。なかなか楽しいだろ?」
「え、大魔王つよ……」
41日目、朝。
ゼストに聖気の事を教えてもらっている。ヒナも何故かついでに居るので手伝ってもらっている。今ぶっ飛んでいったが。
「ほかにも、薄く展開すれば巨大な対魔法盾として使えたり、このように棒状にでもすれば、物理法則を無視した攻撃を行うことも出来る」
そういって、棒状の聖気を、もう一度神速で向かってきたヒナに向かって下から振りあげる。
全く力を入れていないような動きだが、ヒナは上空に打ち上げられた。
あの人、人類最強レベルの特級冒険者なんだけどな……この大魔王、強すぎるな。
「物理攻撃の反射ができるということは、受けたベクトルを反射できるということだ。コレを受ける相手が力を込めて耐えようとすれば、同じだけの力が相手に向かう。わかるか?」
ああはいはい、わかる。超わかる。ヒナが何度も弾き飛ばされているので視覚でわかる。
「ベクトル反射なら、それ足の裏に纏わせたら超速ダッシュとか出来ないですか?」
「ああ、まあ出来なくはないな。反射の対象の認識を広げないといけないんだが。俺でも100年は練習しなきゃ使えなかったぞ。とりあえず、体に纏わせるのと、物理攻撃の反射を習得しろ。魔法の吸収はパッシブだが、物理攻撃の反射はアクティブだからな」
それからすこし練習したが、結局、黒龍浄化のときにつかったぶっぱなししか出来なかった。
聖気も難しいな……
さて、朝ごはんはパンケーキだった。蜂蜜はまだ輸入品しかないので、ジャムで食べた。イチゴジャム美味しい。ホットミルクも美味しい。色にはもう慣れた。
今日は街を見て回ってから、ゼストの家の地下に行こうと思う。
街は今日も賑やかだった。といっても、作業場にしか人がいないのだが。
ドワーフの工房側では、農具や食器など様々な道具をつくる工房、武器防具をつくる工房、ハヤトの研究所、ゴーレムからインゴットをつくる溶鉱炉などが活発に動いている。
とても熱い。熱気がすごい。ドワーフとスケルトン、サイクロプス、オーガなどがテキパキと働いている。
農場や食品加工施設側も、しっかり稼働している。
こちらはいくぶん爽やかな雰囲気だ。調理班、エルフの数人、そしてスケルトンなどの魔物たちがやはりテキパキと働いている。
農地はひとまず広げるのをストップしている。めちゃくちゃ余り始めたので、野菜ジュースやピクルスなどの生産もはじまっている。
マリアは今日はゴージャス・キャバリーに乗せてもらって私とは別に街の散策をしているようだ。一度すれ違った。ゴージャスだった。あのゴージャスに似合うのはマリアしかいないわ多分。
「さて、城いくか」
ゼストの城では、堕天使を保護している。
まだ目はさまさないようだ。息はあるので生きてはいる。
さておき、地下へ。
「今日はどの子かなぁ」
檻を見て回る。強そうな子はいっぱい居るが、戦力は必要か?とも思う。
「この子かな?よし。テイム!」
ひとまず一体選んだ。
ファントムマーメイド。
人魚。幻影魔法が使える。
水中では、幻影魔法により群れに見せて獲物を追い詰めたり、体を巨大にみせたり透明にみせたりして敵から逃れるなどする。
戦闘力自体は高くないが、生存能力はものすごく高い。
乗ったら水中で息できるようになる、みたいな能力は流石にないか。まぁそれはそうか。地獄迷宮四層の海中探索に使えると思ったんだけどな……水中の呼吸についてはハヤトに相談するかぁ。
「よろしくね、マメちゃん」
ひとまずは、クラーケンと一緒にお魚とりに行ってもらおうかな?大丈夫かな?危険な大型の海獣はクラーケンが全部駆逐したって話だし、さほど危険もないはずだけど。
とりあえずオーガに抱っこさせて、クラーケンのとこに連れていった。
クラーケンに懐いてくれそうでよかった。クラーケンも満更でもなさそう。二人で頑張ってくれ。
晩御飯は刺身と魚介鍋にした。
マリが魚を瞬間冷凍して、それを切って解凍して食べる。まだ生そのまんまは怖い気がするからねぇ。状態異常きかないけど。
刺身は私とハヤトしか食べなかったが、とても美味しかった。
鍋はみんなで楽しんだ。カブトはやはり、私とハヤトしか食べなかったが。……みんなもチラチラみてたし、そのうち食べるようになるだろう。美味しい。
「ちゃんとした醤油、ほしいなあ」
「それっぽいのはあるんだけどねえ。ちゃんとつくりたいね」
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