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78話、大怪獣大暴れ
しおりを挟む54日目、昼。
ベルゼが、皆を招集した。
「また、ですよ」
「またかぁ……」
なんと、数日前にもあったのに、また魔王軍の侵攻が来たようだ。
とはいえ、今回も雑魚魔物のみだろう。スラちゃんの試運転がてら、単独で……
「今回は、二方向からの時間差同時侵攻となりそうです。どちらも荒野方面からですが、少し角度が違いますね。規模は両方同じほど。五万ずつくらいですかね。地上の編成の大部分は小型の魔物ですが、大型の中にはバジリスクやギガントオーガなどもいます。前回よりは、楽しめるかもしれません。飛行系の魔物は前回より数は少なめですが、大型のワイバーンなどが多いですね。こちらも、前回よりは総合力は上です。さて、新たな王よ、いかがいたしますか?」
うんうん、なるほど。ひとりじゃ無理、ではないだろうけど面倒くさそうだな。
さて、どうするか。
「まず、手前はスラちゃんとメタスラちゃんと私、それからフロストドラゴンとフェルちゃん、トロちゃんで、速攻で潰し尽くします。奥の方は、ベルゼ、マリア、ヘッグちゃん、それと勇者イサムが向かってください。私の方が終わればすぐ向かうので、それまで留めておいてくれると大丈夫です」
「倒してしまって構わんだろう?ってやつですね?」
「イサムくんの実力、ちょっとだけ見せてもらうからね。期待してるよ」
というわけで、私の方は大怪獣大暴れで済ませて、もう片方は時間稼ぎをしてもらう、つもりで班わけだ。まぁ、ベルゼとマリアとヘッグちゃんで半分くらいは落とせるだろうけど。勇者イサムがどの程度かだな。
「ゼストさんは街のことをお願いしますね。じゃ、行きましょう!」
荒野側に六時間ほどの距離と、八時間ほどの距離に、五万ずつほどの魔物の軍があるという。
この距離は、その軍が街につくであろう時間を割り出したおおよそのものであって、こちらがスピードを出して向かって着く時間ではない。
というわけで、大怪獣軍団は一時間足らずで手前の魔物軍に到達。
蹂躙を開始する。
私はトロちゃんに乗って、全体を指揮する。
指揮といっても、戦略とか戦術とかは知らないんだけど。
まずはフロストドラゴン二体とフェルちゃんで、先行して前方に攻撃。フロストドラゴンのブレスが、空の魔物を瞬間冷凍させていく。しかし強力なかわりに範囲が差程でもないので、なかなか数が減らない。
一度ひかせて、トロちゃんのソニックブラストを空へ。前回よりさらに強力になっている。ワイバーンやらその他雑魚やらを豪快に巻き込んで、二割くらいをたたき落とした。
残りはフロストドラゴンとフェルちゃんに任せつつ、トロちゃんとスラちゃんで地上部の殲滅を開始。
ソニックブラストを撃てるようになる度に撃ってもらい、雑魚を削っていく。
スラちゃんは巨大メタリックスライム娘に変化して、手やら全身やらから魔法を撃ちまくって大暴れ。ただのファイアボールが、とんでも大火球なんだよな。元々魔力タンクとしての役割もあったくらいだし、魔法を使えるようになったら……こうなるわな。
メタスラちゃんはスラちゃんの肩の上で、スラちゃんから魔力を吸い上げながら高威力上位魔法を敵の大型魔物たちにぶちまけ続けている。これも威力がおかしい。スラちゃんのほぼ無限の魔力をつかっての上位魔法の飽和攻撃には、ギガントオーガやらバジリスクやらも雑魚同然だな。
フロストドラゴンとフェルちゃんも、空中戦で圧倒的な優位をみせている。敵の空の魔物は風魔法を使ってくる事が多いようだが、フェルちゃんが全ての風を停止させて無効化している。これが意外に効くようで、フロストドラゴンはその合間を悠々と飛び回り、ブレスや爪撃で魔物を叩き落とし続けている。
「スラちゃんとメタスラちゃんのペア、あれだな……巨大人型ロボットの肩に座ってる悪役のアレだ」
こちらの戦闘は、このまま続けていれば終わりそうだ。
やはりスラちゃんの戦力増強が大きかったな。
スラちゃんがぶん投げた大きな岩に、メタスラちゃんが攻撃をぶつけて爆破。大きな破片が敵の雑魚魔物たちに降り注ぐ。こういう事も出来るんだぞ、と言われているようだ。
配下たちのシナジーも考えると、もっと面白いかもしれないな。
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