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92話、ドラゴン百体の襲撃
しおりを挟む62日目。
今日は朝からガッツリ食べたいなー、なんか胃にグッとくるものあるかなーと調理班のところに向かっていた、のだが。
「王よ、敵襲です。敵数、百」
ああ、魔王軍がくる頻度が高まってるってフェクターさんも言ってたな。でも百かあ。それならベルゼひとりでも……
「すべてがドラゴンです。ついでに魔族がひとり。これは、いい素材になりますぞ」
「マリアとスラちゃんに連絡を。フロストドラゴンにも出てもらおう。あとはフェルちゃんかな。私はスラちゃんと出る。方角と距離は?」
「街道側より、おそらくあと半時間もないでしょう。ドラゴンは足が速いですので」
「じゃ、現地集合!あとでね!」
というわけで、全ドラゴンを肉にしてしまおう。
王国側の門の前。縄張りがうちこまれているが、広い土地が広がる。
正面、空の敵はもうすでに見える。うん、ドラゴンだね。
「おまたせなのです」
マリアが来てくれた。
フロストドラゴン二体とフェルちゃんはもうすぐ来てくれるだろう。
「さて、目標は全ドラゴンを良好な状態で討伐すること!ドラゴンのお肉たべるよ!あ、あと一応
めちゃくちゃ強そうな子がいたら……いや、みんなの攻撃に耐えられる子がいたらテイムするね。ド派手にやっちゃって!」
さあ、戦闘開始だ。
「お肉なのです!綺麗に倒すのですよー」
フロストドラゴンとフェルちゃんが、マリアに返事の一鳴き。気合いは十分だ。
敵は百。
フロストドラゴン、アースドラゴン、ファイアドラゴン、サンダードラゴン、ポイズンドラゴンがいるのが見える。みんなちょっと小さいか? にしても、百か。ドラゴンって珍しいんじゃなかったっけ。
ポイズンドラゴンは十体ほど、それ以外がおよそ二十体ずつほどか。サンダードラゴンがやや少なくみえるが、体躯が小さいからか。
「ポイズンドラゴンは食べられないからいいや。他は外傷少なめで!ポイズンと巻き込まないように討伐ね!よろしく!」
「はいなのです!フェルちゃんは相手のブレスの攪乱、フロドラちゃんたちはアースの足止めと、ファイアの羽の破壊を優先なのです!息の根は、私が止めるのです」
で、私は、奥に浮いている魔族を潰そうかな。
いや、捕らえるか。ベルゼに拷問でもさせてみよう。
「あ、スラちゃんはスラ娘モードでパラライズメインで使ってね。強くしすぎないように!」
スラちゃんのパラライズ、焦げるからね。手加減してもらわないと。
百体のドラゴンが襲ってくる様は、たしかに恐怖を感じる。いや、普通なら絶望して恐怖すらないかもしれない。
だけど、私たちはちょっと麻痺しちゃってるから……
「焼肉、しゃぶしゃぶもいいな。ハンバーグにもしたいなぁ」
「ハンバーグならハンバーガーなのです!あとは、新鮮だから生でもいけるのですよ!」
こういう会話になっちゃう。
マリアは霧で自分の分身を何体も生成し、それを介して魅了や麻痺、支配の魔法などを繰り出しているようだ。そのうちの一体が、私の横にいる。これも分身だが会話している。器用だなぁ。
フェルちゃんとフロストドラゴンはしっかりと足止めを務めている。マリアの分身が足を止めたドラゴンの前に現れ、ドラゴンを永遠の眠りに誘う。
スラちゃんは人型だが腕を自在に伸ばし、それに触れたドラゴンは一瞬痙攣して絶命。ポイズンドラゴンだけは焦げてる。ストレス発散か?一応その子の肉はオーガあたりに変わるんだから、炭にはしないでね?
で、私はというと。
「テイム。は、通じないか。やっぱり魔族だ」
「……人間、俺の負けだ。殺せ」
魔族と対峙していた。だが、潔く負けを認められてしまった。どういう……
「少しだけ、お話しませんか?勝者には従った方がいいですよ」
「むぅ……そう、だな。ここまで惨敗だと、言い訳もできないか。どうにでもなれ……」
うーむ、話は通じるが、なんだか投げやりだ。
どうしたものか。
ドラゴン百体、あまり時間をかけずにしっかり討伐したので、とりあえずはこの魔族とゆっくりお話するか。
椅子、ほしいな。
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