異世界召喚巻き込まれ追放テイマー~最弱職と言われたスキルで魔物軍団を作ったら世界最強の町ができました~

九龍クロン

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127話、私の敵は

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「ねえ、アレかっこよくない?」

「ちょっと今ドラゴンと戦ってるんで! 後にしてもらっていいすか!」

「なんか普通のドラゴンより強くない?」

「強いんすよ! だから! 手伝ってくれないすか!?」

「メタスラちゃん、手伝ってあげて」

「タキナァ! 手伝えって! 前出てタンクして!」

 なんだかんだで無傷でドラゴンをなぎ倒しているヒナは放っておいて、私は周りに犇めくドラゴンやらジャイアントやらを眺める。
 みんな、うちにいるドラゴンたちより強い。強いし、沢山群がってはいるが、何故か一対一の勝負しかしかけにこない。
 私は戦わない気持ちが伝わっているのか、全く興味を示されず。
 ヒナとトロル君は、別の場所で別の魔物とタイマンを繰り広げている。
 なんというか……

「経験値ファーム、に近いのかな」

「いいから! せめて戦ってって言ってるんすよ!」

「多分これ、待ったかけたら止まるよ」

「じゃあこのジャイアントで! 休憩! 休憩ほしいっす! ……ほんとに止まったっす」

 やっぱり、これは……

「そう、勇者が地上でレベル上げをしづらくなった時のための、上位種の魔物のみが出てくる経験値稼ぎの場なのです。しかし、やはり貴方はここに来てくださいましたね。ようこそ、タキナ」

 急に、真横から話しかけられた。びっくりして喉から変な音でた……。
 というか、そんなことより、もしかして、この人……は……?

「聖気強すぎない……? ゆ、ユリス様……?」

「あら? みんなの前では呼び捨てだったから、私も呼び捨てにして距離を縮めようと思ったのだけど?」

 ユリス様。女神、ユリス。人間が信仰する、この世界の主神。
 こんなところに何故……いや、ここが世界樹の杖の迷宮だったこと、今の迷宮の在り方、そしてこの迷宮のある場所を考えると、無いことはないのか。

「もしかして、勇者にお告げしたのは……」

「あの子たちにはまだ早いから、来ないで欲しいのは本当よ? そして、それを貴方が聞かされた時、どうするかも……」

 まんまと、神様の手のひらで踊らされていたってわけか。なんか悔しい。

「で、なにかお話があるんですか? 勧誘は受け付けませんよ」

「お話はあるわよ。でも……神を前にして、よくそんなに正気でいられるわね。やっぱり、神性があるってこと? エリスの配下ではないってほんと? ……確かに、違うようね?」

「正気もなにも……」

「ヒナちゃんを見てみなさいな」

 ユリスが指さすほうを見る。
 ……マジか。ヒナ、マジか。

「あれ、大丈夫なの? え、大丈夫なの……?」

「一時的な発狂だから、大丈夫よ。強い子なのね。裸で踊るだけなんて、発狂のなかでも特に優しいものよ?」

 大丈夫ならいいけど。いいのかほんとに? 裸で踊り狂ってるけど? 魔物と私とユリスしか見てないけど、いいのか? いいか。

「はやく話を終わらせましょう」

「ふふ、そうね。聞きたいことだけ聞けたらいいかな」

 コロコロと笑う声は、とても穏やかで、すべてを包み愛してくれそうな、幸福感を伴う音として耳に届く。
 これは、気を張っておかないと、のまれそうだな。

「ねえ、タキナ」

「なんですか」

「あなたは、人類の、敵?」

 なんだ、そんな事か。
 聖気で私を閉じ込めて、いつでも押しつぶせるようにされている。脅しのような問いだけど。

「私は、私の邪魔をする者の、敵ですよ」

 ……なによ、じっと見つめて。

「ふふ。可愛げ無いわね。いいわ、見逃してあげる。今のところ、協力する気は無いけど……イサムたちのことを気にかけてくれた分は、いずれ必ず、お礼をするわね」

「あ、それならまずヒナをなんとかしてください」

「私が消えて半時間もすれば勝手に治るわ」

 え、あと半時間もコレを見てなきゃいけないのか……なんてことをしてくれたんだ。
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