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42、騎士様……?ですわ〜!
しおりを挟む「いやはや、すまない。まさか倒れるとは」
騎士っぽい行き倒れは、ひとまず粥をゆっくり食べ切り、起き上がった。
なんだかどこかで見た事があるような顔立ちだ。
「タダで助けたわけじゃないでござるよ」
「スズナは黙っててくださいまし」
空腹で倒れていたのだ、どうせ金なんか持ってないだろう。善行は積める時に積んでおくべきなのだ。
「ああ、自己紹介がまだだったな……私はクレア・フォン・エクスタリア…………じゃなくて、クレアだ。ただのクレア。この度はお助け頂き感謝する」
エクスタリア……聞いたことがあるなと、ボタンは記憶を掘り返してみる。
……おもいだした。
「アルファ様の!?」
「おねぇをしってるのか!?……ごほん、アルファードお姉様を知っているのか?」
あ、こいつポンコツだな?と三人は思った。見た目や声はかっこいいのだが、ギャップが凄い。
「少しだけご縁がありましてよ。一度だけお仕事を共にしましたわ」
「拙者は殆ど知らないでござる」
「知らない」
「ほう、お姉様と仕事が出来るほどの人物か」
「ああ、その前に、こちらも自己紹介いたしましょうか」
互いに紹介を済ませた。
どうやらワケありらしいのだが、その辺はまだ聞いていない。
「しかし、お姉様と知己を得られるほどのお方が、ただの8級冒険者だとは……あいや、驚いただけだ、蔑む意図はない。すまない」
「良いですわよ、そのうち1級になりますし」
「でござるなー」
スズナもやる気だ。このチーム、向上心は皆高い。
クレアが少し考える素振りをしている。
「……良ければ、すこし私の話をさせてくれないか?」
「ええ、いいですわよ」
クレアは、今に至るまでの道のりと……何故いまクレアとだけ名乗っているかを語った。
……簡単に言うと、性癖がバレて、黒魔法がバレて、ついでに剣の稽古をサボりにサボってたのがバレて、当主様にブチギレられて追い出されたらしい。
その際に、心優しいアルファードお姉様が「何かで名を残すほどの活躍が出来たら帰ってきて良いことにしよう。例えば冒険者なら1級になるとか」と当主様に進言し、なんとか当面の活動資金をもぎ取って冒険者登録し、そしてなんとかがむしゃらに8級に上がって……そこから全く上手くいかず、当初の資金も尽き、迷宮でも収入より支出が多くなってしまい、深く潜ろうとするも割に合わず、無一文になり、倒れて今に至る、と。
「つまり阿呆でござるな」
「返す言葉もない……もっと言ってくれ……」
「なっ、なん……寒気がしたでござるが!?」
どうやら、このクレアという女、相当なクセ者のようだ。
というか。
「黒魔法なんですのね?わたくしたちもですわよ」
「おお、そうなのか!?この国ではまだマシとはいえ、生きづらかっただろう……え、わたくし……たち?」
「拙者も黒でござる」
「レナも」
クレアはあんぐりと口をあけて固まった。
驚き方が新鮮だ。
「そんなことがあるのか!?……ここに黒魔法使いが四人!?いや、いやいや、そもそも魔法使いが珍しいんだぞ……?」
「ガンマ様も同じこと言ってましたわねー」
どうやら本当に珍しいらしい。しかしここに四人。
「いや、だが、それなら更に良いか……ボタン、スズナ、レナ、三人にお願いがある」
真剣な顔でボタンたちをみる。
三人も、真剣な空気になる。
「私を……あなたがたの冒険者パーティに入れてはくれないだろうか」
「阿呆はちょっと嫌でござる」
「スズナ様!?」
真剣な話、仕切り直しである。
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