8 / 11
7
しおりを挟む
終電間際のターミナル駅は、みな足早に我先にと進む人たちの波でごった返していた。
最終電車まではまだあと数本を控えているが、今から発車する電車が彼らの終電なのだろうか、全力疾走でホームへと向かう姿もちらほらと見受けられる。
構内では終着駅への最終列車だと告げるアナウンスが流れている。
そんな人たちとは相容れず、ゆったりとした歩調で歩く俺たちは少しだけ浮いていたのかもしれない。
次発の電車を選び、俺たちは悠々と車両に乗り込んだ。がらんとした車内の座席に腰を下ろし、互いに一息つく。
「あの店うまかったな」
「ああ、特に出汁巻きが最高だった」
先ほどまで力也と飲んでいた居酒屋は、前々から久が調べていた店だった。いつか行ってみたいと思っていたが大学の最寄りではないため、なかなか行く機会がなかった。たまたま今日は大学からではないしと、せっかくだからこのタイミングで行ってみようということになったのだ。
グルメサイトの評価もそれなりに高く、平日だからといって流石に混んでいるのではと想定していたが、演奏会の終わりで向かったため店に着いたのは22時頃だった。丁度先客たちが帰るところで入れ違いに入店することができた。
「久は洟が利くよな。いつもうまいもん見つけてくれる」
「犬みたいに言うなし」
久は力也の太ももを軽く小突いた。
「痛っ」
「こんなの痛いに入らないだろうが」
笑いながら互いに小突き合った。
傍から見れば、じゃれ合っているように見えたに違いない。
酔っ払いとは実に恐ろしい生き物だ。四十にもなって公共の場で堂々とじゃれあえるのだから。
そんなことをしていたら、いつの間にか電車は走り出していた。
先に降りるのは力也で、始発の駅から3駅。久の家はそれよりも数駅奥にある。
電車が動き出すと自然とじゃれ合いも終わり、力也はポケットからおもむろにスマートフォンを取り出し画面に何かを打ち始めた。
誰かに送るメッセージでも打っているのだろう。こういうものは見てはいけないと相場が決まっている。
久は視線を適当な場所にずらした。
と思った矢先、力也が久のことを肘で突いて来た。力也の方を向くとスマートフォンの画面を見るよう促される。
『うち来ないか?』
誘いか……。力也から誘ってくるなんて、珍しいこともある。再会してからというもの、一度も力也から誘ってきたことなどなかったのに。
久もスマートフォンを取り出し返答を打ち込む。素直に「いいよ」と打ち込むのではなんとなく面白くない。ちょっとばかし、からかい半分で返答を打った。
『なに、たまってんの?』
一拍置いてから、「そうかも」と横からささやくような小さな声がした。力也を見ると、酒で少しだけ潤んだ瞳がこちらを横目で覗き込んでいた。
その表情はなんとも可愛げがあるといえばある! でも、こんなでかい図体でそんなことをされてもなと、久はツッコミたくもなる。が、……これも酒のせいだと言ってしまえば、それまでなのかもしれない。
あと一つ、本番後はムラムラする。それは演奏家としてわからなくもない現象だ。
今日のプログラムは、あの壮大なトランペットソロだ。力也はそりゃ、全力でやり切ったに違いない。人間、エネルギーを出し続けると、切り方を忘れる。それはアドレナリンのバグりみたいなもので。そこにアルコールが入った今では、きっと気持ちも相当に昂っているのだろうな。と、久は思う。
電車の扉が閉まった。
気づけば、もう次が力也の降りる駅だった。
数分もしないうちに電車は減速し、ほどなくして到着のアナウンスが車内に流れ始める。
「降りよ」
力也が先に席を立つ。
結局、承諾の意を伝えないままだったが、つられて久も腰を上げた。
駅を出てから夜の閑散とした商店街を進み、一本路地を入ったところに力也の家はある。そこは既に住宅街の一角で、駅から徒歩10分程でたどり着く先にしてはかなり落ち着いた立地だった。
力也の家までの道すがら、コンビニで缶ビールと軽いつまみを買った。まだ飲むのかと正直思ったが、風呂上がりに飲むつもりらしい。
たわいもない会話をしながら路地を曲がり、夜の住宅街を進んで行く。目視でアパートの外階段が見えてきた。もうすぐ力也の家だ。
すると家の前に誰かいるのが見えた。だんだんと近づくにつれ、それは女性だとわかる。
白い薄手のトレンチコートにストレートのロングヘア。いかにも清楚といった印象で、こんな夜更けに一人でいるなんてとても危ないじゃないか。久はそう思った。
向こうも俺たちに気が付いたようで、きっと警戒されるだろうな。こんな夜更けに、男二人になど出くわしなくないよな。できるだけ目を合わせないようにしようと、視線を外そうとしたその時、……ん!? 今一瞬、女性と目が合ったような。でも……、……そらされた?
「力也っ」
女性は力也の名前を呼んだ。
それを聞いた途端、俺の背筋にスッと悪寒が走る。嫌悪とは違う、その奇妙な感覚に全身が身震いした。
さっきのは目が合ったんじゃなくて……、力也を見ていたのか……。
「美佳! 明日って言ってただろう」
「さっき、連絡したわよ。明日が都合悪くなったから今日でもいいかって。連絡が来ないから迷ったんだけど、この時間なら帰ってるだろうと思って。でも力也いないし、少し待ってれば来るかもと思ったとこだったの、丁度よかったわ」
美佳と呼ばれた女性の話す声が、鼓膜の奥で湾曲している。聞こえてくるものを全て遮断しようと、身体が勝手にバリアを張るみたいに、徐々に強ばっていく。
なんだ、これ。てか、普通に考えてこの女性は……力也の彼女……、だよな。
俺って、ここにいてもいいのだろうか。
不意にそんなことを考えた。
ここにいたら俺は力也になんて紹介されるんだ? 普通なら……、大学の時の同級生。大学の同僚。………あと、……。俺と力也を結びつける肩書きなんてそのくらいのものしかないことにいまさらながらに気付く。
「日を改めてくれ、今日は無理だ」
「ねぁ。それより、その方だれ、力也の友達?」
そこからの俺の行動は早かった。
「俺、明日早いんだった。忘れてた……帰るわ」
「え、久。待てって! おい!」
待てという力也の声を振り切り、来た道を倍速のスピードで歩いた。
力也がどんな顔でこっちを見てたかは分からない。
久も力也を見たくなかったし、でも何より、……今の久の顔を見られたくなかった。だから振り返らず、懸命に歩いた。
やっと路地を抜け、商店街に入ったところで足が止まった。
久は夜の空を見上げ、頬になにか落ちてくるのを感じる。
「雨、だ……」
都会の夜空でも、月明かりを失えば寂しく暗い。そんな状況が今の久の心の中を表しているようで、一気に喪失感を食らった。
俺は力也に、何を求めていたんだろうな……。
「あぁ……、っ……」
ふとよぎる力也への思いを、久は瞬時に消し去った。
いつしか、天から滴る雨粒には生温かな雫が混じっていた。
今ならまだ引き返せる。
止めていた歩を進め、久は目許を拭いながら最終電車を目指して駅へと向かった。
最終電車まではまだあと数本を控えているが、今から発車する電車が彼らの終電なのだろうか、全力疾走でホームへと向かう姿もちらほらと見受けられる。
構内では終着駅への最終列車だと告げるアナウンスが流れている。
そんな人たちとは相容れず、ゆったりとした歩調で歩く俺たちは少しだけ浮いていたのかもしれない。
次発の電車を選び、俺たちは悠々と車両に乗り込んだ。がらんとした車内の座席に腰を下ろし、互いに一息つく。
「あの店うまかったな」
「ああ、特に出汁巻きが最高だった」
先ほどまで力也と飲んでいた居酒屋は、前々から久が調べていた店だった。いつか行ってみたいと思っていたが大学の最寄りではないため、なかなか行く機会がなかった。たまたま今日は大学からではないしと、せっかくだからこのタイミングで行ってみようということになったのだ。
グルメサイトの評価もそれなりに高く、平日だからといって流石に混んでいるのではと想定していたが、演奏会の終わりで向かったため店に着いたのは22時頃だった。丁度先客たちが帰るところで入れ違いに入店することができた。
「久は洟が利くよな。いつもうまいもん見つけてくれる」
「犬みたいに言うなし」
久は力也の太ももを軽く小突いた。
「痛っ」
「こんなの痛いに入らないだろうが」
笑いながら互いに小突き合った。
傍から見れば、じゃれ合っているように見えたに違いない。
酔っ払いとは実に恐ろしい生き物だ。四十にもなって公共の場で堂々とじゃれあえるのだから。
そんなことをしていたら、いつの間にか電車は走り出していた。
先に降りるのは力也で、始発の駅から3駅。久の家はそれよりも数駅奥にある。
電車が動き出すと自然とじゃれ合いも終わり、力也はポケットからおもむろにスマートフォンを取り出し画面に何かを打ち始めた。
誰かに送るメッセージでも打っているのだろう。こういうものは見てはいけないと相場が決まっている。
久は視線を適当な場所にずらした。
と思った矢先、力也が久のことを肘で突いて来た。力也の方を向くとスマートフォンの画面を見るよう促される。
『うち来ないか?』
誘いか……。力也から誘ってくるなんて、珍しいこともある。再会してからというもの、一度も力也から誘ってきたことなどなかったのに。
久もスマートフォンを取り出し返答を打ち込む。素直に「いいよ」と打ち込むのではなんとなく面白くない。ちょっとばかし、からかい半分で返答を打った。
『なに、たまってんの?』
一拍置いてから、「そうかも」と横からささやくような小さな声がした。力也を見ると、酒で少しだけ潤んだ瞳がこちらを横目で覗き込んでいた。
その表情はなんとも可愛げがあるといえばある! でも、こんなでかい図体でそんなことをされてもなと、久はツッコミたくもなる。が、……これも酒のせいだと言ってしまえば、それまでなのかもしれない。
あと一つ、本番後はムラムラする。それは演奏家としてわからなくもない現象だ。
今日のプログラムは、あの壮大なトランペットソロだ。力也はそりゃ、全力でやり切ったに違いない。人間、エネルギーを出し続けると、切り方を忘れる。それはアドレナリンのバグりみたいなもので。そこにアルコールが入った今では、きっと気持ちも相当に昂っているのだろうな。と、久は思う。
電車の扉が閉まった。
気づけば、もう次が力也の降りる駅だった。
数分もしないうちに電車は減速し、ほどなくして到着のアナウンスが車内に流れ始める。
「降りよ」
力也が先に席を立つ。
結局、承諾の意を伝えないままだったが、つられて久も腰を上げた。
駅を出てから夜の閑散とした商店街を進み、一本路地を入ったところに力也の家はある。そこは既に住宅街の一角で、駅から徒歩10分程でたどり着く先にしてはかなり落ち着いた立地だった。
力也の家までの道すがら、コンビニで缶ビールと軽いつまみを買った。まだ飲むのかと正直思ったが、風呂上がりに飲むつもりらしい。
たわいもない会話をしながら路地を曲がり、夜の住宅街を進んで行く。目視でアパートの外階段が見えてきた。もうすぐ力也の家だ。
すると家の前に誰かいるのが見えた。だんだんと近づくにつれ、それは女性だとわかる。
白い薄手のトレンチコートにストレートのロングヘア。いかにも清楚といった印象で、こんな夜更けに一人でいるなんてとても危ないじゃないか。久はそう思った。
向こうも俺たちに気が付いたようで、きっと警戒されるだろうな。こんな夜更けに、男二人になど出くわしなくないよな。できるだけ目を合わせないようにしようと、視線を外そうとしたその時、……ん!? 今一瞬、女性と目が合ったような。でも……、……そらされた?
「力也っ」
女性は力也の名前を呼んだ。
それを聞いた途端、俺の背筋にスッと悪寒が走る。嫌悪とは違う、その奇妙な感覚に全身が身震いした。
さっきのは目が合ったんじゃなくて……、力也を見ていたのか……。
「美佳! 明日って言ってただろう」
「さっき、連絡したわよ。明日が都合悪くなったから今日でもいいかって。連絡が来ないから迷ったんだけど、この時間なら帰ってるだろうと思って。でも力也いないし、少し待ってれば来るかもと思ったとこだったの、丁度よかったわ」
美佳と呼ばれた女性の話す声が、鼓膜の奥で湾曲している。聞こえてくるものを全て遮断しようと、身体が勝手にバリアを張るみたいに、徐々に強ばっていく。
なんだ、これ。てか、普通に考えてこの女性は……力也の彼女……、だよな。
俺って、ここにいてもいいのだろうか。
不意にそんなことを考えた。
ここにいたら俺は力也になんて紹介されるんだ? 普通なら……、大学の時の同級生。大学の同僚。………あと、……。俺と力也を結びつける肩書きなんてそのくらいのものしかないことにいまさらながらに気付く。
「日を改めてくれ、今日は無理だ」
「ねぁ。それより、その方だれ、力也の友達?」
そこからの俺の行動は早かった。
「俺、明日早いんだった。忘れてた……帰るわ」
「え、久。待てって! おい!」
待てという力也の声を振り切り、来た道を倍速のスピードで歩いた。
力也がどんな顔でこっちを見てたかは分からない。
久も力也を見たくなかったし、でも何より、……今の久の顔を見られたくなかった。だから振り返らず、懸命に歩いた。
やっと路地を抜け、商店街に入ったところで足が止まった。
久は夜の空を見上げ、頬になにか落ちてくるのを感じる。
「雨、だ……」
都会の夜空でも、月明かりを失えば寂しく暗い。そんな状況が今の久の心の中を表しているようで、一気に喪失感を食らった。
俺は力也に、何を求めていたんだろうな……。
「あぁ……、っ……」
ふとよぎる力也への思いを、久は瞬時に消し去った。
いつしか、天から滴る雨粒には生温かな雫が混じっていた。
今ならまだ引き返せる。
止めていた歩を進め、久は目許を拭いながら最終電車を目指して駅へと向かった。
12
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
壁乳
リリーブルー
BL
ご来店ありがとうございます。ここは、壁越しに、触れ合える店。
最初は乳首から。指名を繰り返すと、徐々に、エリアが拡大していきます。
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。
じれじれラブコメディー。
4年ぶりに続きを書きました!更新していくのでよろしくお願いします。
(挿絵byリリーブルー)
【短編BL┊︎完結】恋を成就させるのに時間は必要ありません
三葉秋
BL
入社5年目の小宮と神崎の同期リーマンラブ。ある日、神崎の誘いでいつものように2人で飲みに行くことになった。飲みの場で神崎が彼女と別れた話を聞かされる。振られた理由に激怒した小宮は、ずっとうちに秘めていた神崎への思いを口走ってしまう。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)
宵にまぎれて兎は回る
宇土為名
BL
高校3年の春、同級生の名取に告白した冬だったが名取にはあっさりと冗談だったことにされてしまう。それを否定することもなく卒業し手以来、冬は親友だった名取とは距離を置こうと一度も連絡を取らなかった。そして8年後、勤めている会社の取引先で転勤してきた名取と8年ぶりに再会を果たす。再会してすぐ名取は自身の結婚式に出席してくれと冬に頼んできた。はじめは断るつもりだった冬だが、名取の願いには弱く結局引き受けてしまう。そして式当日、幸せに溢れた雰囲気に疲れてしまった冬は式場の中庭で避難するように休憩した。いまだに思いを断ち切れていない自分の情けなさを反省していると、そこで別の式に出席している男と出会い…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる