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Episode8
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「すみません、フローリアさん。お皿を8枚と箸を2膳とスプーンを2本頂いて宜しいですか?」
「はい。かしこまりました」
私達の会話を聞いていたフローリアさんはにこやかだった。だけど、私は何故だか少し違和感を覚えた。
フローリアさんからお皿を受け取ろうとすると、
「私が持って行きます」
横からレイ様がお皿を受け取る。
「ありがとうございます」
カウンター席からテーブル席に変えてもらい、ユーリ様とレイ様が私の向かいに座る。
「こんなに沢山の皿をどうするのですか?」
ユーリ様とレイ様は袋からパンらしきものと干し肉らしきものを取り出す。
「3等分するんです」
そう言ってお皿に肉や野菜、スープをそれぞれ手際良く分けていく。
ふふふ、社畜時代に習得した技だ。見事なものだろう。
「「え!?」」
2人とも驚いて手に持っていた袋を落としそうになる。
「私だけ大事な食料を分けていただくわけにはいきませんから」
「ですが、ルナお嬢様の物を分けていただく事は出来ません」
「え?すみません。もう分けてしまいましたし、是非食べて下さい」
ユーリ様とレイ様は顔を見合わせ、困ったようにしていたが、
「では、有難く頂きます」
そう言ってなんとか食べてくれた。
「はい」
嬉しくてつい笑いが出てしまう。
いつぶりだろうか、こうして誰かと一緒にご飯を食べるのは。
懐かしい記憶を思い出していると、
「ルナお嬢様、非常食のパンと干し肉です」
ユーリ様はパン、レイ様は干し肉をくれた。
いけないいけない。昔の事は今は思い出さないようにしないと。
「ありがとうございます。パンはスープにつけて食べるとおいしいんですよ」
「え?スープにですか?」
2人の反応を見ると、ここではそういう食べ方はしないのだろう。
「こうして…」
パンをちぎってスープにつけて口に入れる。
「うーんっ、おいしい!」
私が言うと、ユーリ様とレイ様も同じようにパンをスープにつけて食べる。
「意外と合いますね。こんな食べ方があるとは知りませんでした」
「美味しいです」
「それは良かったです」
それからしばらくして、フローリアさんが空いたお皿を下げてくれる。
「ありがとうございます」
お礼を言うと、フローリアさんは軽く会釈して奥に入って行った。
洗い物増やしてフローリアさんには迷惑かけちゃったな。後で何かお詫びの品でも買おう。
少しして、フローリアさんはお皿に乗った赤色のぷるぷるしたプリンみたいなものを持って出てきた。
「わぁ、おいしそう」
「いいんですか?私達の分は頼んでいませんが」
「はい。丁度3人分ありましたので」
「ありがとうございます」
「あの、これは何ですか?」
「これはドゥーレの実で作ったフランヴェルでございます」
フランヴェル?やっぱり聞いた事ないなぁ。っていうかドゥーレの実って特産物の!?こんなに早く食べられるなんて!
「へぇ、これはドゥーレの実で作っているのですね」
興奮を表に出さないように気をつけながらスプーンですくって一口食べる。
「甘っ!けどそれがいい!」
マンゴーのもっと甘い感じかなぁ。でもちょっと違うなぁ。おいしいから何でもいいや!
ばくばくばくばく。
「ふぅ、おいしかったぁ」
ぺろりと食べ終え、満足していると、
「ふふっ…」
フローリアさんの笑い声で我に返る。
しまった!ついおいしい物で素が出てしまった!今まで気をつけてたのに!
ユーリ様、レイ様の呆気に取られた顔を見てサーっと血の気が引くのが分かった。
「はい。かしこまりました」
私達の会話を聞いていたフローリアさんはにこやかだった。だけど、私は何故だか少し違和感を覚えた。
フローリアさんからお皿を受け取ろうとすると、
「私が持って行きます」
横からレイ様がお皿を受け取る。
「ありがとうございます」
カウンター席からテーブル席に変えてもらい、ユーリ様とレイ様が私の向かいに座る。
「こんなに沢山の皿をどうするのですか?」
ユーリ様とレイ様は袋からパンらしきものと干し肉らしきものを取り出す。
「3等分するんです」
そう言ってお皿に肉や野菜、スープをそれぞれ手際良く分けていく。
ふふふ、社畜時代に習得した技だ。見事なものだろう。
「「え!?」」
2人とも驚いて手に持っていた袋を落としそうになる。
「私だけ大事な食料を分けていただくわけにはいきませんから」
「ですが、ルナお嬢様の物を分けていただく事は出来ません」
「え?すみません。もう分けてしまいましたし、是非食べて下さい」
ユーリ様とレイ様は顔を見合わせ、困ったようにしていたが、
「では、有難く頂きます」
そう言ってなんとか食べてくれた。
「はい」
嬉しくてつい笑いが出てしまう。
いつぶりだろうか、こうして誰かと一緒にご飯を食べるのは。
懐かしい記憶を思い出していると、
「ルナお嬢様、非常食のパンと干し肉です」
ユーリ様はパン、レイ様は干し肉をくれた。
いけないいけない。昔の事は今は思い出さないようにしないと。
「ありがとうございます。パンはスープにつけて食べるとおいしいんですよ」
「え?スープにですか?」
2人の反応を見ると、ここではそういう食べ方はしないのだろう。
「こうして…」
パンをちぎってスープにつけて口に入れる。
「うーんっ、おいしい!」
私が言うと、ユーリ様とレイ様も同じようにパンをスープにつけて食べる。
「意外と合いますね。こんな食べ方があるとは知りませんでした」
「美味しいです」
「それは良かったです」
それからしばらくして、フローリアさんが空いたお皿を下げてくれる。
「ありがとうございます」
お礼を言うと、フローリアさんは軽く会釈して奥に入って行った。
洗い物増やしてフローリアさんには迷惑かけちゃったな。後で何かお詫びの品でも買おう。
少しして、フローリアさんはお皿に乗った赤色のぷるぷるしたプリンみたいなものを持って出てきた。
「わぁ、おいしそう」
「いいんですか?私達の分は頼んでいませんが」
「はい。丁度3人分ありましたので」
「ありがとうございます」
「あの、これは何ですか?」
「これはドゥーレの実で作ったフランヴェルでございます」
フランヴェル?やっぱり聞いた事ないなぁ。っていうかドゥーレの実って特産物の!?こんなに早く食べられるなんて!
「へぇ、これはドゥーレの実で作っているのですね」
興奮を表に出さないように気をつけながらスプーンですくって一口食べる。
「甘っ!けどそれがいい!」
マンゴーのもっと甘い感じかなぁ。でもちょっと違うなぁ。おいしいから何でもいいや!
ばくばくばくばく。
「ふぅ、おいしかったぁ」
ぺろりと食べ終え、満足していると、
「ふふっ…」
フローリアさんの笑い声で我に返る。
しまった!ついおいしい物で素が出てしまった!今まで気をつけてたのに!
ユーリ様、レイ様の呆気に取られた顔を見てサーっと血の気が引くのが分かった。
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