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Episode9
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「お嬢ちゃん可愛いね!このネックレスとかどう?」
「この魚は今朝取れた新鮮なやつだよ!1匹どうだい?」
「甘くておいしいドゥーレの実だよ!1つどうだい?」
商売人達の声が今は何故か落ち着く。
あれから気まずい雰囲気にはならなかったものの、すごく笑われて恥ずかしかった。
そして王都を見て回ろうと出てきた訳だが、
見た事ない食べ物ばかりで興味が湧いてしまう。
味見したい…試食とかないのかな?
「ルナお嬢様、私達に分けて下さったせいでお腹が空いているのではないですか?」
ユーリ様は心配そうに言った。
やっぱりそういうの気にしちゃうよね。私から言い出したのに。
「ユーリ様達のせいではありません。私は食べ物を見るとお腹が空いてしまうのです。それはもう食べ物の呪いにでもかかってしまっているみたいにですよ」
ニコッと笑って言うと、ユーリ様は一瞬驚いた表情をしてすぐに呆れたような、嬉しそうな、そんな表情で言った。
「それは大変ですね。食べ物を売っている店は沢山ありますから、色々見て回りましょう」
「はい!」
それから色々な食べ物を食べ、沢山歩き回っていると、ふと目の端にお洒落な店を見つける。
ん?
「『ラムパール』?」
「ああ、あそこは宝石店です。ネックレスや指輪などが売られています」
「そうなのですね」
なんだろう。宝石なんて今まで興味なかったのに。
考えながらラムパールの方を見ていると、
『だ…か……て…』
え?
『だれ、か…た、すけ…』
何?誰?
「どうかされましたか?」
「いえ…何か、声が…」
「声ですか?」
周りのわいわいと賑わう声とは違う、か細く、助けを求める声。
『助けて…誰か…』
耳をすまして助けを求める声に集中する。
「大丈夫ですか?」
心配そうに見てくるユーリ様とレイ様。
ごめんなさい。今は返事してる余裕ないんです。
『だ、れか…』
こっちだ!
声の聞こえる方に走り出す。
「ルナお嬢様!?どこに行かれるのですか!」
慌てて追いかけて来るユーリ様とレイ様。
何故だろう。姿は見えないし誰の声かも分からないのに、確かにこっちにいる。
不思議な感覚に戸惑いながらも、ひたすら走る。
今は頭より足を動かさなきゃ。
声を辿って着いた場所は人気のない裏路地だった。
「はぁ…はぁ…っ」
そういえば私、体力なかった。あ、でも体は前の私のじゃないじゃん。
ぜぇぜぇ言いながらも、助けを求める声に近づいているのが分かった。
「本当に大丈夫ですか?」
「は、はい…ちょ、ちょっと…うんど、うぶそ、くでして…はぁっはぁっ」
『やめ、て…しにたく、な…』
休んでいる間にも声は聞こえてくる。
どこ?どこなの?確かにここら辺にいるはずなのに。どこにも見当たらない。
「ここら辺、何かおかしい」
「ああ。嫌な感じがする」
「え?なん…」
話そうとするとユーリ様に手で口を塞がれ、急に整った顔が近くにきて少しドキドキしてしまった。
「申し訳ありません。今は少し静かにお願いします」
私が頷くと、ユーリ様は口から手を離す。
『た、すけて…』
早く見つけてあげないと。助けてあげないと。そんな風に思いながらも、内心自分を笑っていた。
正義感なんて無いと思ってたのにな。意外とお節介なのかな。
「この魚は今朝取れた新鮮なやつだよ!1匹どうだい?」
「甘くておいしいドゥーレの実だよ!1つどうだい?」
商売人達の声が今は何故か落ち着く。
あれから気まずい雰囲気にはならなかったものの、すごく笑われて恥ずかしかった。
そして王都を見て回ろうと出てきた訳だが、
見た事ない食べ物ばかりで興味が湧いてしまう。
味見したい…試食とかないのかな?
「ルナお嬢様、私達に分けて下さったせいでお腹が空いているのではないですか?」
ユーリ様は心配そうに言った。
やっぱりそういうの気にしちゃうよね。私から言い出したのに。
「ユーリ様達のせいではありません。私は食べ物を見るとお腹が空いてしまうのです。それはもう食べ物の呪いにでもかかってしまっているみたいにですよ」
ニコッと笑って言うと、ユーリ様は一瞬驚いた表情をしてすぐに呆れたような、嬉しそうな、そんな表情で言った。
「それは大変ですね。食べ物を売っている店は沢山ありますから、色々見て回りましょう」
「はい!」
それから色々な食べ物を食べ、沢山歩き回っていると、ふと目の端にお洒落な店を見つける。
ん?
「『ラムパール』?」
「ああ、あそこは宝石店です。ネックレスや指輪などが売られています」
「そうなのですね」
なんだろう。宝石なんて今まで興味なかったのに。
考えながらラムパールの方を見ていると、
『だ…か……て…』
え?
『だれ、か…た、すけ…』
何?誰?
「どうかされましたか?」
「いえ…何か、声が…」
「声ですか?」
周りのわいわいと賑わう声とは違う、か細く、助けを求める声。
『助けて…誰か…』
耳をすまして助けを求める声に集中する。
「大丈夫ですか?」
心配そうに見てくるユーリ様とレイ様。
ごめんなさい。今は返事してる余裕ないんです。
『だ、れか…』
こっちだ!
声の聞こえる方に走り出す。
「ルナお嬢様!?どこに行かれるのですか!」
慌てて追いかけて来るユーリ様とレイ様。
何故だろう。姿は見えないし誰の声かも分からないのに、確かにこっちにいる。
不思議な感覚に戸惑いながらも、ひたすら走る。
今は頭より足を動かさなきゃ。
声を辿って着いた場所は人気のない裏路地だった。
「はぁ…はぁ…っ」
そういえば私、体力なかった。あ、でも体は前の私のじゃないじゃん。
ぜぇぜぇ言いながらも、助けを求める声に近づいているのが分かった。
「本当に大丈夫ですか?」
「は、はい…ちょ、ちょっと…うんど、うぶそ、くでして…はぁっはぁっ」
『やめ、て…しにたく、な…』
休んでいる間にも声は聞こえてくる。
どこ?どこなの?確かにここら辺にいるはずなのに。どこにも見当たらない。
「ここら辺、何かおかしい」
「ああ。嫌な感じがする」
「え?なん…」
話そうとするとユーリ様に手で口を塞がれ、急に整った顔が近くにきて少しドキドキしてしまった。
「申し訳ありません。今は少し静かにお願いします」
私が頷くと、ユーリ様は口から手を離す。
『た、すけて…』
早く見つけてあげないと。助けてあげないと。そんな風に思いながらも、内心自分を笑っていた。
正義感なんて無いと思ってたのにな。意外とお節介なのかな。
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