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Episode11
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『目を閉じて暗い先には華がある~♪
良い子は何色か~赤、青、黄色~♪
さぁさぁゆっくり力を抜いて朝日の前に夢をみよ~♪』
母が小さい頃寝られない私の為に歌ってくれた歌だ。
やっぱりどんな歌より最初にこの歌を思い出すなぁ。一緒に歌ったりして歌詞も覚えちゃったし。
懐かしいなぁ。
そんな事を考えながら歌っていると、いつの間にか全て歌いきっていた。
あれ?
さっきまでの男の罵声も女の子のか細い声も聞こえない。その代わりにぐぅぐうとうるさい音が響いている。
恐る恐る中を覗くと、男が倒れていびきをかいている。
女の子は倒れて動かない。
忍び足で中に入り、女の子の横まで来ると、
すぅすぅ……
良かった。傷は酷いけどちゃんと生きてる。
さっきまで出ていた綺麗な光のようなものももう出ていない。
今のうちに女の子をお姫様抱っこして静かに部屋を出る。
「はぁはぁ…やばい…こんな事ならもっと鍛えとくんだった…」
重い足を必死に動かして階段を上がる。
下りはいいけど上りはキツイな…。
クラクラと目眩がして視界がぼやける。
その時、
「あっ…!」
足元を踏み外して体が後ろに傾く。
倒れると思った瞬間、誰かに体を支えられる。
ゆっくりと目を開けると、目の前には美男子が一人。
「ユーリ様…」
「遅くなり申し訳ありません。大丈夫ですか?」
「はい…あ、りがとう…ござい、ま、す…」
ほっとした瞬間、体のだるさと疲労で私は意識を手放してしまった。
ーーーーーーー
『かーちゃん』
『なあにママ』
『かーちゃんは歌が好き?』
『うん!でもママの方が好き!』
『お母さんもかーちゃん大好きよ』
『うん!』
『ねぇかーちゃん。もしお母さんがいなくなったらかーちゃんがお母さんの代わりに大好きな人達を歌で幸せにしてあげてね。歌には人の気持ちを動かす力があるから、きっとかーちゃんの事も助けてくれるはずよ』
『うん!わかった!』
『ふふふ、かーちゃんは本当に可愛いね』
きゃははっ…
ふふふ…
笑い声がいつまでも頭の中に残っている。本当に楽しかったんだ。
でもお母さんがかーちゃんって言ってるのちょっとだけ気になってたんだよね。大好きだったからなんて呼ばれても嬉しかったんだけどさ。
そういえば、私今何してるんだっけ?
体が重くて動かせない。
頭も何かふわふわしてる。
「うーん……」
「目が覚めましたか」
「…え?」
目を開けると、目の前にはまたもや美男子が二人。
「ユーリ様、レイ様」
「ルナお嬢様、ご無事で何よりです」
「無事……そういえば、あの女の子はどうなりましたか?傷が深かったようですが…ちゃんと、ちゃんと生きていますよね?」
無理に起き上がろうとしたせいか、頭がクラクラしてまたベッドに倒れ込んでしまった。
こんなに気分が悪いのは初めてだ。
良い子は何色か~赤、青、黄色~♪
さぁさぁゆっくり力を抜いて朝日の前に夢をみよ~♪』
母が小さい頃寝られない私の為に歌ってくれた歌だ。
やっぱりどんな歌より最初にこの歌を思い出すなぁ。一緒に歌ったりして歌詞も覚えちゃったし。
懐かしいなぁ。
そんな事を考えながら歌っていると、いつの間にか全て歌いきっていた。
あれ?
さっきまでの男の罵声も女の子のか細い声も聞こえない。その代わりにぐぅぐうとうるさい音が響いている。
恐る恐る中を覗くと、男が倒れていびきをかいている。
女の子は倒れて動かない。
忍び足で中に入り、女の子の横まで来ると、
すぅすぅ……
良かった。傷は酷いけどちゃんと生きてる。
さっきまで出ていた綺麗な光のようなものももう出ていない。
今のうちに女の子をお姫様抱っこして静かに部屋を出る。
「はぁはぁ…やばい…こんな事ならもっと鍛えとくんだった…」
重い足を必死に動かして階段を上がる。
下りはいいけど上りはキツイな…。
クラクラと目眩がして視界がぼやける。
その時、
「あっ…!」
足元を踏み外して体が後ろに傾く。
倒れると思った瞬間、誰かに体を支えられる。
ゆっくりと目を開けると、目の前には美男子が一人。
「ユーリ様…」
「遅くなり申し訳ありません。大丈夫ですか?」
「はい…あ、りがとう…ござい、ま、す…」
ほっとした瞬間、体のだるさと疲労で私は意識を手放してしまった。
ーーーーーーー
『かーちゃん』
『なあにママ』
『かーちゃんは歌が好き?』
『うん!でもママの方が好き!』
『お母さんもかーちゃん大好きよ』
『うん!』
『ねぇかーちゃん。もしお母さんがいなくなったらかーちゃんがお母さんの代わりに大好きな人達を歌で幸せにしてあげてね。歌には人の気持ちを動かす力があるから、きっとかーちゃんの事も助けてくれるはずよ』
『うん!わかった!』
『ふふふ、かーちゃんは本当に可愛いね』
きゃははっ…
ふふふ…
笑い声がいつまでも頭の中に残っている。本当に楽しかったんだ。
でもお母さんがかーちゃんって言ってるのちょっとだけ気になってたんだよね。大好きだったからなんて呼ばれても嬉しかったんだけどさ。
そういえば、私今何してるんだっけ?
体が重くて動かせない。
頭も何かふわふわしてる。
「うーん……」
「目が覚めましたか」
「…え?」
目を開けると、目の前にはまたもや美男子が二人。
「ユーリ様、レイ様」
「ルナお嬢様、ご無事で何よりです」
「無事……そういえば、あの女の子はどうなりましたか?傷が深かったようですが…ちゃんと、ちゃんと生きていますよね?」
無理に起き上がろうとしたせいか、頭がクラクラしてまたベッドに倒れ込んでしまった。
こんなに気分が悪いのは初めてだ。
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