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Episode13
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次の日。
目が覚めてすぐあの女の子の事を思い出し、ユーリ様に頼んで何とか会わせて貰えることになった。
あの女の子はアーカーシュ家で匿ってくれているらしい。
理由は簡単。ロリ好きな王に報告なんてしたら絶対傍に置くと言い出すだろうし、イフリータの核を巡って争いになる可能性も高いからだ。
ちなみに私もアーカーシュ家にお世話になっていた。
何か宿の部屋より広い気がしてたんだよなぁ。
「どうかされましたか?」
前を歩くユーリ様が振り返って言った。
「いえ、せっかく宿を教えて頂いたのに泊まれなくなってしまって、フローリアさんにも直接お詫び出来なかったので」
「その件なら大丈夫ですよ。フローリアには既に伝えておりますし、お詫びの品も渡してあります」
「いいえ、いけません。ちゃんとそういう事は自分で伝えなくては意味がありません。今度必ず伺わなくては」
「しっかりしてらっしゃいますね」
「そうですか?当たり前の事だと思いますが」
「当たり前の事が出来ない方も多いですから」
「そうなのですね」
「ルナお嬢様、こちらです」
歩きながら話していると、屋敷の一番端の小さな部屋に辿り着いた。
「どうぞお入り下さい」
「ユーリ様は入られないのですか?」
「イフリータの魔力が私を拒絶しているので、これ以上は近づけません。父や母やレイ、使用人達も近づけなかったようです。ルナお嬢様も気分が悪くなったりした場合はすぐに出てきて下さい」
「分かりました」
ガチャ。
扉を開けて中に入ると、ふわっと春風のような涼しい風が肌に当たる。
何だろう。凄く落ち着く。
ベッドの横まで来て椅子に座り、寝ている女の子を見ていると、
「だ、れ…」
今にもぷっつり事切れそうな小さな声でそう言った。
「私はルナです。貴方の助けを呼ぶ声が聞こえました。助けるのが遅くなってしまい申し訳ありません。ですが、今度こそ必ず貴方を助けます。私が救う方法を見つけてみせます」
女の子は目を開けることなくゆっくりと首を振る。
「だ、め…も、たす、からな…い…わ、たし…わ、かる…」
「そんな…」
何もしてあげられないの?せっかく見つけられてもこれじゃ意味ないじゃん。どうして私はこんなに無力なの。
「う、た…」
「…え?」
「か、あさま、の…うた…」
歌?歌が聴きたいの?でも、私はこの子の母親じゃない。何の歌がいいのかなんて分からない。どうすれば…
「さ、いご…に、ききたかっ…た…」
ええい、私しかいないんだから私が歌うに決まってるでしょうが!何悩んでんだ!今は私にしか出来ないんだ!
「分かりました。では、私の好きだった歌を聴いてください。心を込めて歌います」
すぅ…
息を吸って呼吸を整える。
『春風のような貴方~♪
いつからそこにいたの~
いつも変わらず笑っている
その笑顔が大好きよ
貴方の傍はいつもそう
愛しているの、貴方だもの~♪』
思い出して歌いながら少し泣いてしまった。
何気なく女の子の方を見ると、結晶の様な綺麗なものが目から溢れていた。
きっとこの子も思い出しているんだ。
大好きだったあの頃を。
目が覚めてすぐあの女の子の事を思い出し、ユーリ様に頼んで何とか会わせて貰えることになった。
あの女の子はアーカーシュ家で匿ってくれているらしい。
理由は簡単。ロリ好きな王に報告なんてしたら絶対傍に置くと言い出すだろうし、イフリータの核を巡って争いになる可能性も高いからだ。
ちなみに私もアーカーシュ家にお世話になっていた。
何か宿の部屋より広い気がしてたんだよなぁ。
「どうかされましたか?」
前を歩くユーリ様が振り返って言った。
「いえ、せっかく宿を教えて頂いたのに泊まれなくなってしまって、フローリアさんにも直接お詫び出来なかったので」
「その件なら大丈夫ですよ。フローリアには既に伝えておりますし、お詫びの品も渡してあります」
「いいえ、いけません。ちゃんとそういう事は自分で伝えなくては意味がありません。今度必ず伺わなくては」
「しっかりしてらっしゃいますね」
「そうですか?当たり前の事だと思いますが」
「当たり前の事が出来ない方も多いですから」
「そうなのですね」
「ルナお嬢様、こちらです」
歩きながら話していると、屋敷の一番端の小さな部屋に辿り着いた。
「どうぞお入り下さい」
「ユーリ様は入られないのですか?」
「イフリータの魔力が私を拒絶しているので、これ以上は近づけません。父や母やレイ、使用人達も近づけなかったようです。ルナお嬢様も気分が悪くなったりした場合はすぐに出てきて下さい」
「分かりました」
ガチャ。
扉を開けて中に入ると、ふわっと春風のような涼しい風が肌に当たる。
何だろう。凄く落ち着く。
ベッドの横まで来て椅子に座り、寝ている女の子を見ていると、
「だ、れ…」
今にもぷっつり事切れそうな小さな声でそう言った。
「私はルナです。貴方の助けを呼ぶ声が聞こえました。助けるのが遅くなってしまい申し訳ありません。ですが、今度こそ必ず貴方を助けます。私が救う方法を見つけてみせます」
女の子は目を開けることなくゆっくりと首を振る。
「だ、め…も、たす、からな…い…わ、たし…わ、かる…」
「そんな…」
何もしてあげられないの?せっかく見つけられてもこれじゃ意味ないじゃん。どうして私はこんなに無力なの。
「う、た…」
「…え?」
「か、あさま、の…うた…」
歌?歌が聴きたいの?でも、私はこの子の母親じゃない。何の歌がいいのかなんて分からない。どうすれば…
「さ、いご…に、ききたかっ…た…」
ええい、私しかいないんだから私が歌うに決まってるでしょうが!何悩んでんだ!今は私にしか出来ないんだ!
「分かりました。では、私の好きだった歌を聴いてください。心を込めて歌います」
すぅ…
息を吸って呼吸を整える。
『春風のような貴方~♪
いつからそこにいたの~
いつも変わらず笑っている
その笑顔が大好きよ
貴方の傍はいつもそう
愛しているの、貴方だもの~♪』
思い出して歌いながら少し泣いてしまった。
何気なく女の子の方を見ると、結晶の様な綺麗なものが目から溢れていた。
きっとこの子も思い出しているんだ。
大好きだったあの頃を。
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