ヤクザ娘の生き方

翠華

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取り引き

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「じゃあ早速今日中にでも校長に話をつけましょう」


「ちょちょ、ちょっと待って!」


「何です?言い訳なら聞きませんよ?」


「そ、そんなんじゃないってー」


「じゃなんだってんだよ」


「て、提案がありまーす!」


「………」


「見逃してくれたら今回だけ大サービス!この花子ちゃんがクインテットの皆さんに協力しちゃいまーす!」


「いらねぇよ」


「私達の利益になるとは思えませんね」


「てか消えてくれた方が俺らの為になるよ」


痛い!心が痛い!諦めるな花子!ここは押して押して押しまくるのだ!


「ま、まあまあそう言わずに話を聞きなさいって」


「うっざ」


「てめぇいい加減にしねぇとぶん殴るぞ」


「暴力変態!」


「はぁ…茶番は終わりです。これ以上無駄な時間を過ごしたくありません。私達は校長と話があるのでこれで失礼します。ああ、早めに荷物はまとめといて下さいね。明日から貴方の居場所はありませんから」


「………」


「ではこれで」


「…はぁ」


思わず溜め息を漏らしてしまう。


仕方ない。正直隠し通したかったけど、ウチのミスだ。まさかこんなに早く目的をバラす事になるとは。


「これ」


ポケットから三つ折りのメモ紙を取り出して机の上に置く。


「あ?んだこれ」


「これ、この小屋に落ちてたんだ」


「何これ?こんなんで何しようっての?」


「これ、あなた達が探してるものじゃない?」


「ああ?なんだっつうんだよ」


イライラした様子でメモ紙を広げ、それを五人で囲んで見る。


メモ紙には黒い桜とそれを貫く真っ赤な弓矢が描かれている。


「これは…」


五人共あまり表情は変わらないが、確かに一瞬驚いた顔をした。


やっぱりか。


「………」


「探してるんだよね?」


「………」


「教えて欲しい?」


可愛らしく言ってみる。


「てめぇ舐めてんのか」


「ごめんって!怒らないでよ!」


「それで?貴方は何がしたいんです?」


「ウチも探してるんだ」


「なるほどな」


今までずっと黙っていた黒髪のイケメンが前に出てくる。


こいつがリーダーか。


「俺達と普通に話せる奴なんてこの学校にはいねぇ。教師や近所の大人達でさえ俺達を避ける。なのにお前はそういう奴らとは違う。お前、何か隠してるだろ。転校生だから知らなかったなんて言い訳にならねぇよ?」


「あーやっぱ初日に後つけて来てたのここの生徒だったんだー」


「ごまかすなよ」


「そんなつもりないってー。だいたい同じ人間なんだし、違うとこなんて見た目とか性格とかそれくらいじゃん。ウチは誰とだって話すよ」


「そんな事はどうでもいい」


「え、そなの?」


「お前が隠してる事を話せ」


「だから、その刺青つけてる『夜叉(ヤクシャ)』を探してるんだって。その為に来たんだよ」


「それだけか?」


「それだけ!」


「………」


「どうすんの?その様子じゃ夜叉って名前も知らなかったんでしょ」


「…いいだろう。見逃してやる。その代わり、お前はそいつらの情報を逐一報告しろ」


「チクイチ?」


「一つ残らず全て話せという事だ」


「分かった。じゃ、取り引き成立だね」


右手を真っ直ぐその黒髪イケメンの前に差し出す。


「悪いが馴れ合うつもりは無い」


「あ、そう…」


あっさりと拒否されてしまった。
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