ヤクザ娘の生き方

翠華

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日常

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「なんてこった…」


体育祭から二週間。


「きゃあああ」


「今日もかっこいい!」


「私告白しちゃおうかな!」


「女子でも有りだよね!」


1年A組には毎日休み時間の度に女の子が集まって来ていた。


そう。ウチはやらかしてしまった。まず一つ目。立ち入り禁止区域に入ってしまった事でクインテットに出会ってしまい、目的を話す羽目になる。二つ目。初めての体育祭のリレーで周りの雰囲気に感化され調子に乗って目立ってしまう。つまり、この二つのミスによってウチの行動はかなり制限されてしまったのだ。


顔を沢山の生徒に覚えられてしまった為下手に動けない。それは学校内でも外でも同じだ。どこに行こうにも女の子の目がある。そしてクインテットという目立った存在に目をつけられてしまい、退学の危機にまで陥ってしまった。これは厄介だ。ウチは何があっても退学になる訳にはいかないからな。


「はぁ…」


「また溜め息ついてる」


「だってさー」


「いいじゃない。皆花子ちゃんの事かっこいいって褒めてくれてるんだし」


「目立たないように努力してきたのに…あのリレーで全て水の中になってしまった…」


「水の中?…もしかして水の泡って言いたかったの?」


「ああ…」


「花子!お前あんだけ目立っといて何落ち込んでんだよ!俺はな!せっかくのブロック対抗リレーアンカーだったのにお前のせいで全然目立たなくてショック受けてんだぞ!」


顔を上げると目の前に仁王立ちのバカ谷と涼しい顔の秀司が立っていた。


「いや、バカ谷の事かっこいい!なんて言う人いたらやばいって」


想像して思わず笑ってしまう。


「花子のくせに俺とやり合おうってか?ああ?」


「バカ谷ごとき一秒で片付けてやるわ」


立ち上がってバカ谷に関節技をかける。


「い、いててててててて!あ痛い痛い痛い痛い!ギブ!ギブ!」


「またやってるよ」


「本当は仲良いくせに」


あかりと秀司が呆れた顔でこちらを見ている。


そう言えばあのイケメン五人組の名前聞いてなかったなー。今度聞いてみよう。


「あ、そうそう。今度中桜公園で花火大会があるんだって。皆で行こうよ」


あかりが思い出したように言った。


「花火大会?いいね!行こう!バカ谷なんか置いて三人でさ!」


「いや、仲間外れやめてください」


「それいつ?」


「確か10月21日だよね?」


「ああ。明後日だね。俺達も一緒に行っていいの?」


「もちろんだよ!皆で行こう!」


「仕方ないなぁ。人数多い方が楽しいだろうし、秀才もバカ谷いないと寂しいだろうから四人で行くか」


「いや、だから秀司なんだけど。いい加減覚えてくれない?」


「あっはは!ごめんごめん!秀才って言うの癖になっちゃってさ!」


「はぁ…大和だけでも疲れんのに…」


「おい、聞こえてんぞ」


「じゃあ、中桜公園に18時集合ね。屋台とかも出るみたいだからちゃんとお金も持って来てね!」


「了解!」


「おっしゃ!」


「分かった」


花火大会かぁ。この学校に来てから初めての事ばかりだなー。ちょー楽しみ。


花火大会の事で頭がいっぱいになったウチは、中桜区が危険な地区だという事をすっかり忘れていた。
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