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冬休み
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「うーさむっ!」
居間のこたつに入ってテレビを観る。
もうすぐクリスマスかぁ。毎年クリスマスは騒がしいんだよなぁ。桜組全員集まって宴会するからなぁ。
ゴロゴロしていると、
「花子お嬢様」
鈴音さんが障子を開けて入ってくる。
「お茶を持って参りました」
「鈴音さん気が利くー!ありがとう!…あちっ!」
「大丈夫ですか?」
「平気平気!それより、何かつまみが欲しいな」
「それでは何か買って参りますね」
「ううん!大丈夫だよ!自分で買ってくるから!鈴音さんも一緒に行く?」
「そうですね。今日は卵の特売日ですし、たくさん買って帰りましょう」
「おっしゃ!主婦の戦争だね!」
「そうですね」
鈴音さんは優しい笑みを浮かべる。
----スーパーにて----
「うっひゃあ!やっぱ人多いなー」
スーパーに来ると、そこは近所の主婦や子供で溢れていた。
「早く行きましょう!」
「おう!」
鈴音さんの目はもう食材にしか向いていなかった。
「うぐぅぅぅ!死ぬぅぅ!」
「花子お嬢様頑張って下さい!」
特売の卵に群がる戦士達をくぐり抜け、何とか卵に辿り着く。
「よっしゃ!いただき!」
卵のパックを取れるだけ取って鈴音さんの元に戻る。
「花子お嬢様凄いですよ!これだけあれば大きなクリスマスケーキが四つは作れます!」
毎年クリスマスの宴会には総勢140名が参加する。
そこで食べる料理やケーキは鈴音さんが一人で作ってくれているのだ。
健康を考えたバランスの良い食事にパティシエが作ったかのような豪華なケーキが毎年楽しみで仕方がない。
「今年もお手伝いさせてよ!」
「心配して下さらなくても私一人で大丈夫ですよ?」
「ウチが一緒に作りたいんだって!待ってるだけじゃ暇だし、むさ苦しい男達の中に女の子一人なんて嫌だし!」
「花子お嬢様…」
鈴音さんは何か言おうとするが、その先はあまり言いたくないようだ。
正直ウチもその先は聞きたくない。分かってるんだ。分かってるんだよ。でも…まだ無理だ。
「卵ゲットしたし、次はお菓子買お!お菓子!あと花子団子食べたい!甘くてモチモチしてて美味しいんだよね!ほら、鈴音さん早く行こっ!」
ウチは鈴音さんの手を引っ張ってお菓子コーナーに走る。
「ふぅっ、買った買った!帰ったら早速花子団子食べよ!」
「すみません。私はまだ仕事が残ってますので」
「そっか。残念…ん?」
「どうしました?」
鈴音さんと家に帰る途中、知った顔を見つける。
「ごめん鈴音さん!先に帰っててくれる?」
「どうされたんですか?」
「ちょっと友達がいたから声掛けてくる!」
「分かりました。ではそちらの荷物も私が持って帰ります」
そう言ってウチが持っていたビニール袋二つを合わせ、合計五つのビニール袋を軽々と持ち上げる。
あの細身のどこにそんな力があるのだろう。
居間のこたつに入ってテレビを観る。
もうすぐクリスマスかぁ。毎年クリスマスは騒がしいんだよなぁ。桜組全員集まって宴会するからなぁ。
ゴロゴロしていると、
「花子お嬢様」
鈴音さんが障子を開けて入ってくる。
「お茶を持って参りました」
「鈴音さん気が利くー!ありがとう!…あちっ!」
「大丈夫ですか?」
「平気平気!それより、何かつまみが欲しいな」
「それでは何か買って参りますね」
「ううん!大丈夫だよ!自分で買ってくるから!鈴音さんも一緒に行く?」
「そうですね。今日は卵の特売日ですし、たくさん買って帰りましょう」
「おっしゃ!主婦の戦争だね!」
「そうですね」
鈴音さんは優しい笑みを浮かべる。
----スーパーにて----
「うっひゃあ!やっぱ人多いなー」
スーパーに来ると、そこは近所の主婦や子供で溢れていた。
「早く行きましょう!」
「おう!」
鈴音さんの目はもう食材にしか向いていなかった。
「うぐぅぅぅ!死ぬぅぅ!」
「花子お嬢様頑張って下さい!」
特売の卵に群がる戦士達をくぐり抜け、何とか卵に辿り着く。
「よっしゃ!いただき!」
卵のパックを取れるだけ取って鈴音さんの元に戻る。
「花子お嬢様凄いですよ!これだけあれば大きなクリスマスケーキが四つは作れます!」
毎年クリスマスの宴会には総勢140名が参加する。
そこで食べる料理やケーキは鈴音さんが一人で作ってくれているのだ。
健康を考えたバランスの良い食事にパティシエが作ったかのような豪華なケーキが毎年楽しみで仕方がない。
「今年もお手伝いさせてよ!」
「心配して下さらなくても私一人で大丈夫ですよ?」
「ウチが一緒に作りたいんだって!待ってるだけじゃ暇だし、むさ苦しい男達の中に女の子一人なんて嫌だし!」
「花子お嬢様…」
鈴音さんは何か言おうとするが、その先はあまり言いたくないようだ。
正直ウチもその先は聞きたくない。分かってるんだ。分かってるんだよ。でも…まだ無理だ。
「卵ゲットしたし、次はお菓子買お!お菓子!あと花子団子食べたい!甘くてモチモチしてて美味しいんだよね!ほら、鈴音さん早く行こっ!」
ウチは鈴音さんの手を引っ張ってお菓子コーナーに走る。
「ふぅっ、買った買った!帰ったら早速花子団子食べよ!」
「すみません。私はまだ仕事が残ってますので」
「そっか。残念…ん?」
「どうしました?」
鈴音さんと家に帰る途中、知った顔を見つける。
「ごめん鈴音さん!先に帰っててくれる?」
「どうされたんですか?」
「ちょっと友達がいたから声掛けてくる!」
「分かりました。ではそちらの荷物も私が持って帰ります」
そう言ってウチが持っていたビニール袋二つを合わせ、合計五つのビニール袋を軽々と持ち上げる。
あの細身のどこにそんな力があるのだろう。
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