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初詣
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寒空の下、久しぶりに会える高揚感で心は暖かかった。
「花子お嬢様、大丈夫ですか?」
鈴音さんが心配そうに見てくる。
1月2日。父さんに外出許可は出してもらえたが、条件として鈴音さんと一緒に行動する事になったのだ。
「大丈夫だよ。鈴音さんの事あかりに紹介出来るの楽しみにしてるんだから」
「そうですね。私もとても楽しみです」
「でも、花子お嬢様って言うのはやめてね!花子ちゃんで!」
「ですが…」
「家政婦さんとは言ってるけど、堅苦し過ぎると変に思われるし。桜組の娘ってバレたら危険に巻き込んじゃうかもしれないからね」
「…そうですね」
「気軽に花子ちゃんって呼んで!はいっ!」
「は、花子…ちゃん」
「そうそう!ずっと言ってれば慣れるよ!」
「うーん…」
鈴音さんはとても言いにくそうにしている。普段抜け目がない分、こういう部分が見られるのは嬉しいし、正直面白い。
「花子ちゃーん!」
あかりが走ってくる。
「あかりー!」
久しぶりの再開に喜ぶあまり抱きついてしまった。
「ふふっ、久しぶり花子ちゃん」
「久しぶり!あかり元気してた?」
「うん!」
「そっか。良かった!」
「あ、その人が言ってた家政婦さん?」
「そう!鈴音さんだよ!」
「早見鈴音と申します。花子お…ちゃんとはいつも仲良くして頂いてるそうでありがとうございます。今後とも宜しくお願い致します」
花子お…まで言ったのにその後何食わぬ顔で続けた!さすが鈴音さん!
「こ、こちらこそ宜しくお願いします」
鈴音さんがお辞儀をすると、あかりも慌ててお辞儀する。
「鈴音さんって綺麗で大人の女性って感じ!見た目も若いね!」
「そうなんだよ!ウチも将来はこんな女性になる予定!」
「いくつなの?」
「23だよ!」
「そうなの!?16くらいに見えるんだけど…」
「童顔だし、肌も綺麗だからウチもそれくらいには見えるけど、大人の色気が凄いからなぁ」
「確かに…」
コソコソ話していると、
「それでは初詣に参りましょうか」
鈴音さんがご機嫌な様子で言う。
「そうだね!」
チャリチャリン。
お金を入れて手を合わせる。
「花子ちゃん、何お願いしたの?」
「うーん、願い事は口に出すと叶わないって聞いた事あるから内緒!叶ったら教えてあげる!」
「そうなんだ。じゃあ叶うまではお互い内緒だね」
「うん!それよりお腹減っちゃった!何か食べよう!」
「そうだね!」
屋台を回っていると、
「あっ、ねぇあれ!」
あかりがウチの手を引っ張って行く。
「おおっ、お守りか。いいね!ウチも買う!」
「どれ買う?」
「そうだなぁ…」
恋愛成就、商売繁盛、金運御守、交通安全、学業御守、開運招福、家内安全、必勝祈願、病気平癒、良縁御守…。
「いっぱいあるなぁ。迷う!」
「じゃあ私はこれ!」
「恋愛成就?あかり好きな人いたの?」
「っていうか、付き合ってる人いるんだよ!結構年上なんだけど、優しくて良い人なの!」
「え!?マジで!?全然知らなかったんですけど!」
「言ってなかったし、最近出来たからね。花子ちゃんはどれにするの?」
「うーん…ウチはね…」
どうせなら皆に買っていこう。
「病気平癒を6つと良縁御守を5つ、家内安全を1つ、学業御守を1つ、開運招福を1つかな」
「そんなに買うの!?」
「おう!皆の分!」
「自分のお守りは?」
「うーん…ウチはどれもなぁ」
「では花子お…ちゃんには私が買います。何を買ったかはお楽しみですよ」
鈴音さんは何やら楽しげに笑う。
「花子お嬢様、大丈夫ですか?」
鈴音さんが心配そうに見てくる。
1月2日。父さんに外出許可は出してもらえたが、条件として鈴音さんと一緒に行動する事になったのだ。
「大丈夫だよ。鈴音さんの事あかりに紹介出来るの楽しみにしてるんだから」
「そうですね。私もとても楽しみです」
「でも、花子お嬢様って言うのはやめてね!花子ちゃんで!」
「ですが…」
「家政婦さんとは言ってるけど、堅苦し過ぎると変に思われるし。桜組の娘ってバレたら危険に巻き込んじゃうかもしれないからね」
「…そうですね」
「気軽に花子ちゃんって呼んで!はいっ!」
「は、花子…ちゃん」
「そうそう!ずっと言ってれば慣れるよ!」
「うーん…」
鈴音さんはとても言いにくそうにしている。普段抜け目がない分、こういう部分が見られるのは嬉しいし、正直面白い。
「花子ちゃーん!」
あかりが走ってくる。
「あかりー!」
久しぶりの再開に喜ぶあまり抱きついてしまった。
「ふふっ、久しぶり花子ちゃん」
「久しぶり!あかり元気してた?」
「うん!」
「そっか。良かった!」
「あ、その人が言ってた家政婦さん?」
「そう!鈴音さんだよ!」
「早見鈴音と申します。花子お…ちゃんとはいつも仲良くして頂いてるそうでありがとうございます。今後とも宜しくお願い致します」
花子お…まで言ったのにその後何食わぬ顔で続けた!さすが鈴音さん!
「こ、こちらこそ宜しくお願いします」
鈴音さんがお辞儀をすると、あかりも慌ててお辞儀する。
「鈴音さんって綺麗で大人の女性って感じ!見た目も若いね!」
「そうなんだよ!ウチも将来はこんな女性になる予定!」
「いくつなの?」
「23だよ!」
「そうなの!?16くらいに見えるんだけど…」
「童顔だし、肌も綺麗だからウチもそれくらいには見えるけど、大人の色気が凄いからなぁ」
「確かに…」
コソコソ話していると、
「それでは初詣に参りましょうか」
鈴音さんがご機嫌な様子で言う。
「そうだね!」
チャリチャリン。
お金を入れて手を合わせる。
「花子ちゃん、何お願いしたの?」
「うーん、願い事は口に出すと叶わないって聞いた事あるから内緒!叶ったら教えてあげる!」
「そうなんだ。じゃあ叶うまではお互い内緒だね」
「うん!それよりお腹減っちゃった!何か食べよう!」
「そうだね!」
屋台を回っていると、
「あっ、ねぇあれ!」
あかりがウチの手を引っ張って行く。
「おおっ、お守りか。いいね!ウチも買う!」
「どれ買う?」
「そうだなぁ…」
恋愛成就、商売繁盛、金運御守、交通安全、学業御守、開運招福、家内安全、必勝祈願、病気平癒、良縁御守…。
「いっぱいあるなぁ。迷う!」
「じゃあ私はこれ!」
「恋愛成就?あかり好きな人いたの?」
「っていうか、付き合ってる人いるんだよ!結構年上なんだけど、優しくて良い人なの!」
「え!?マジで!?全然知らなかったんですけど!」
「言ってなかったし、最近出来たからね。花子ちゃんはどれにするの?」
「うーん…ウチはね…」
どうせなら皆に買っていこう。
「病気平癒を6つと良縁御守を5つ、家内安全を1つ、学業御守を1つ、開運招福を1つかな」
「そんなに買うの!?」
「おう!皆の分!」
「自分のお守りは?」
「うーん…ウチはどれもなぁ」
「では花子お…ちゃんには私が買います。何を買ったかはお楽しみですよ」
鈴音さんは何やら楽しげに笑う。
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