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~ クオレ 視点 ~
最初は只の嫌がらせだった
嫌って恨む、仇の悪魔に抱かれて嫌がる彼を見て楽しんでいた
だけど精子を注ぐにつれ、流石に疲れてきたから腹の子に直接、精子と生気を与えてやろうと考えてケルベロスを始めとした
奴隷紋を施した魔物達に遊ばせてやった
上級悪魔が従えている魔物であり、その悪魔の奴隷となった魔物は忠実な下僕となる
餌となる人間を喰らうことが出来ないまま、空腹に飢えながら、本能のままに腰を揺らす姿は滑稽だ
そして何よりも……
「 ク、オレ……ク、オ…レ…… 」
人間の世界で言えば1週間
何度も雄に回されて犯されたオニーサンは、俺への認識が仇ではなく、助けてくれる唯一の相手だと認識し始める
傷だらけで血やら精子で汚れた身体を持て遊ばれながら、呟くように名を呼ぶ
其れがなんと言ってもウズウズと腰に来る
「 クオレ~。悪趣味だなぁ~ 」
「 シヴァ…か、…なにがだ? 」
椅子に座ってオニーサンの出した涙を飲み、傍観していれば背後に現れ、前へと腕を回すシヴァの方を見る事無く問えば
彼は胸元に手を当て、撫でるように触っては耳へと唇を寄せる
「 ずーと自分の名前を呼ぶ人間を、殺すこのなくいたぶって眺めてるだけ。魔界じゃちょっとしたネタになってるぜ? 」
「 へぇ? 」
「 あのクオレが一匹の人間に執着してるって。あんな神職擬きは勝手に産ませて、俺達と遊ぼうぜ 」
舌先が耳をなぞり形にそって舐めたシヴァは、前へと来るなり膝の上へと座ってくる
視線を重ね、顎に触れれば彼の両手は俺の頬に添える
「 悪く無いだろうが…俺は今、此れを楽しんでるんだ。兄貴達と遊ぶ気はねぇの♡ 」
涙の入ったグラスを飲み干し、床に落としワインガラスを割り
シヴァの背へと腕を回し、首筋へと顔を埋める
「 はっ……お前らしくねぇな…… 」
「 そうかな?俺はずっと、一つの遊びを楽しむタイプだよ……そうだ、お願い聞いてよ 」
「 代償は?なのをくれるんだよ 」
「 好きなだけ犯してあげるから、ちょっと人間界に行って、ある子の様子を見てきて 」
「 よっしゃ、そんなぐらいならやってやるよ 」
ふっとある事を思い出して言えば、シヴァは嬉しそうに膝の上から退いて拳を握り締めた
「 手は出さないでね。しょーたが困ってたら手伝って上げてね 」
「 嗚呼、その変わり帰ったら滅茶苦茶抱いてな…… 」
「 はいはい 」
契約する様に、シヴァはお互いの額を当て記憶の共有をし、唇を重ねてから
嬉しそうにその場から姿を消した
翔太、たまにディアモンが様子を見てるらしいけど
余り経過報告を聞かないから、もう一人ぐらい見に行かせてもいいと思ったんだ
シヴァが消えて、ガラスの方を見ればオーガは俺の方を向いて鼻を鳴らした
「 御主人様、ニンゲンがまた意識を飛ばしました 」
横に現れ頭を下げたまま告げるシュバルツに答えた
「 んじゃ、もういいよ。身体を綺麗に洗って、他のオスの精子を掻き出してから、俺の寝室に連れてきて 」
「 畏まりました。後ほどお連れ致します 」
ゆっくりと立ち上がりシュバルツの頭を撫でては、そのガラス張りのリビングから立ち去った
彼に任せたらオニーサンも綺麗になるし、少しは休ませたいし、そろそろいい頃合いだと思うんだよね
サタン城の廊下を歩いていれば、壁に凭れている珍しい淫魔に自然と口角は上がった
「 お楽しみは終えたのか? 」
長いストレートの黒髪を揺らし、
褐色肌に、緑色の瞳をした…
淫魔の中で長男であり、
そして次のサタンの器と実力があると言われてる
俺の実の兄……リオン=ディアブロ・レオ
黒獅子の悪魔と呼ばれる悪魔であり
その服装はどこかの王様のようで、ライオンの耳と尻尾を持ってる
でも、魔力が桁違いに強いから外見は人間に近い
彼が母親が同じ、上級淫魔なんだよな
唯一の兄弟であり、
サタンと母さんの次に逆らえないと思う
「 ……此れからだけどね、御兄様 」
緩く笑って、少し近付けば兄は壁から背を離し目の前に立つなり、左手を大きく振った
「 ふっ…… 」
廊下に響く音と共に、頬に痛みが走り口端から血は流れ落ちた
片手で拭き、瞳を向ければ兄は顔色一つ変えず言葉を続ける
「 神職の者に手を出した事については何も言わないが……。人間を魔界に連れてきたのは此れで二度目だ。いい加減、事の重要さに理解しろ 」
「 一度目は観光気分の神父、二度目は孕んだ神父……ねぇ、御兄様。俺って神父が好きなのかな? 」
「 知らん、御前の好みなんて興味はない 」
手を下げた兄を見て、腕を伸ばしその身体を抱き締めれば嫌そうにされるも、肩口へと顔を埋め脚を動かし、壁へと押し付ける
「 黒髪だし…。身長とか……どこか御兄様に似てるとは思わない? 」
「 っ……いい加減、ブラコンを…卒業しろ……こらっ、探るな!! 」
「 久し振りだから、突っ込むね…… 」
「 おまっ、っ!! 」
軽くズボンを下げ、早々にその場で陰茎を押し当てて突っ込めば
顔色の変わらなかった兄は僅かに頬を染め、背中へと腕を回し、息を吐いた
腰を揺らし、中に感じる温もりと似た魔力の心地よさに堪能していれば
兄は髪を撫でて、耳元で答えた
「 そうやって、お前は……最初に、愛した…神父を、忘れられないだけだろ……! 」
「 ……そんなこと無いよ 」
「 淫魔が…一人の、人間に執着するな…… 」
エカード……、エカード……
悪魔である俺を受け入れ、子供を望んでくれて、優しく頭を撫でては微笑んでくれた男
魔界が気になるからと連れて来た時も、他の魔物を見ても怖がることもなく
部屋で抱く俺を、嬉しそうに受け入れてくれた
″ クオレ……愛してるよ…… ″
「 っ…… 」
「 ぉ、まっ!ぁ、っ!! 」
苛々する……
エカードはもう、この世にいないのに
何度も何度も、頭を過ぎって
誰を抱いても、似てる兄を抱いても、気が済むことは無かった
その声はもう…聞くことは出来ないんだ
「 ひっ……っ~~!! 」
キツく抱き締めて欲を放った兄は、息を荒くし肩へと額を当てる
「 はぁ……。お前の好きな、神父の…魂はもう二度と…人間界にはいかない……。今の男が気になるなら…未練たらしく、兄を抱くより、そいつを抱け…… 」
「 随分と、気に掛けてくれるね…… 」
「 末っ子であり……俺の可愛い、唯一の弟だからだよ…… 」
目線を重ねれば兄はポンポンと頭を撫でて額を合わせた
俺のことをブラコンと言う割には、リオンも、シヴァ、ディアモンも……俺に甘いと思う
そう言う、父親も……今頃笑って傍観してるだけだろうな
神父に惚れても、それにキレた天使と魔界が喧嘩しても
他の連中は気にせず争いを行ってくれる
クオレだから、可愛い弟だから……
そう笑う彼等を、俺もまた好きだ
「 ん……俺も、兄貴達が好きだよ…… 」
「 あぁ、分かったから…抜くか…動くかしてくれ… 」
「 んー? 」
「 俺も淫魔だ……。興奮してくる 」
緩く揺れる上級悪魔が付けるマントがひらっと動き、目線を合わせれば、目元に紅を付けたようなリオンを見え、口付けを重ねる
「 ん…… 」
「 御兄様…好きだよ……。いつも味方でいてくれてありがとう 」
唇を離し頬へと口付けを落とせば、ゆっくりと中から引き抜き
片手で服を整えれば、彼もまた整えれば笑った
「 ほら、行け。気持ちが分かるまで、一人を抱けば…御前のクルミの脳味噌でも分かるだろ 」
「 そうするよ、俺の身体に聞いてみる 」
未練が有るのは理解してる
エカードの魂が二度と転生出来ないのも知っている
どんなに悪魔に心を売ろうが、それが美しく純粋なら神は許すからだ
例え、天使達に反対されようが
天界では、神の言葉が絶対であり
魔界では、サタンの言葉は絶対なんだ
オニーサン………
君を、ここに連れてきた本当の理由
今から…知っていくとするよ
最初は只の嫌がらせだった
嫌って恨む、仇の悪魔に抱かれて嫌がる彼を見て楽しんでいた
だけど精子を注ぐにつれ、流石に疲れてきたから腹の子に直接、精子と生気を与えてやろうと考えてケルベロスを始めとした
奴隷紋を施した魔物達に遊ばせてやった
上級悪魔が従えている魔物であり、その悪魔の奴隷となった魔物は忠実な下僕となる
餌となる人間を喰らうことが出来ないまま、空腹に飢えながら、本能のままに腰を揺らす姿は滑稽だ
そして何よりも……
「 ク、オレ……ク、オ…レ…… 」
人間の世界で言えば1週間
何度も雄に回されて犯されたオニーサンは、俺への認識が仇ではなく、助けてくれる唯一の相手だと認識し始める
傷だらけで血やら精子で汚れた身体を持て遊ばれながら、呟くように名を呼ぶ
其れがなんと言ってもウズウズと腰に来る
「 クオレ~。悪趣味だなぁ~ 」
「 シヴァ…か、…なにがだ? 」
椅子に座ってオニーサンの出した涙を飲み、傍観していれば背後に現れ、前へと腕を回すシヴァの方を見る事無く問えば
彼は胸元に手を当て、撫でるように触っては耳へと唇を寄せる
「 ずーと自分の名前を呼ぶ人間を、殺すこのなくいたぶって眺めてるだけ。魔界じゃちょっとしたネタになってるぜ? 」
「 へぇ? 」
「 あのクオレが一匹の人間に執着してるって。あんな神職擬きは勝手に産ませて、俺達と遊ぼうぜ 」
舌先が耳をなぞり形にそって舐めたシヴァは、前へと来るなり膝の上へと座ってくる
視線を重ね、顎に触れれば彼の両手は俺の頬に添える
「 悪く無いだろうが…俺は今、此れを楽しんでるんだ。兄貴達と遊ぶ気はねぇの♡ 」
涙の入ったグラスを飲み干し、床に落としワインガラスを割り
シヴァの背へと腕を回し、首筋へと顔を埋める
「 はっ……お前らしくねぇな…… 」
「 そうかな?俺はずっと、一つの遊びを楽しむタイプだよ……そうだ、お願い聞いてよ 」
「 代償は?なのをくれるんだよ 」
「 好きなだけ犯してあげるから、ちょっと人間界に行って、ある子の様子を見てきて 」
「 よっしゃ、そんなぐらいならやってやるよ 」
ふっとある事を思い出して言えば、シヴァは嬉しそうに膝の上から退いて拳を握り締めた
「 手は出さないでね。しょーたが困ってたら手伝って上げてね 」
「 嗚呼、その変わり帰ったら滅茶苦茶抱いてな…… 」
「 はいはい 」
契約する様に、シヴァはお互いの額を当て記憶の共有をし、唇を重ねてから
嬉しそうにその場から姿を消した
翔太、たまにディアモンが様子を見てるらしいけど
余り経過報告を聞かないから、もう一人ぐらい見に行かせてもいいと思ったんだ
シヴァが消えて、ガラスの方を見ればオーガは俺の方を向いて鼻を鳴らした
「 御主人様、ニンゲンがまた意識を飛ばしました 」
横に現れ頭を下げたまま告げるシュバルツに答えた
「 んじゃ、もういいよ。身体を綺麗に洗って、他のオスの精子を掻き出してから、俺の寝室に連れてきて 」
「 畏まりました。後ほどお連れ致します 」
ゆっくりと立ち上がりシュバルツの頭を撫でては、そのガラス張りのリビングから立ち去った
彼に任せたらオニーサンも綺麗になるし、少しは休ませたいし、そろそろいい頃合いだと思うんだよね
サタン城の廊下を歩いていれば、壁に凭れている珍しい淫魔に自然と口角は上がった
「 お楽しみは終えたのか? 」
長いストレートの黒髪を揺らし、
褐色肌に、緑色の瞳をした…
淫魔の中で長男であり、
そして次のサタンの器と実力があると言われてる
俺の実の兄……リオン=ディアブロ・レオ
黒獅子の悪魔と呼ばれる悪魔であり
その服装はどこかの王様のようで、ライオンの耳と尻尾を持ってる
でも、魔力が桁違いに強いから外見は人間に近い
彼が母親が同じ、上級淫魔なんだよな
唯一の兄弟であり、
サタンと母さんの次に逆らえないと思う
「 ……此れからだけどね、御兄様 」
緩く笑って、少し近付けば兄は壁から背を離し目の前に立つなり、左手を大きく振った
「 ふっ…… 」
廊下に響く音と共に、頬に痛みが走り口端から血は流れ落ちた
片手で拭き、瞳を向ければ兄は顔色一つ変えず言葉を続ける
「 神職の者に手を出した事については何も言わないが……。人間を魔界に連れてきたのは此れで二度目だ。いい加減、事の重要さに理解しろ 」
「 一度目は観光気分の神父、二度目は孕んだ神父……ねぇ、御兄様。俺って神父が好きなのかな? 」
「 知らん、御前の好みなんて興味はない 」
手を下げた兄を見て、腕を伸ばしその身体を抱き締めれば嫌そうにされるも、肩口へと顔を埋め脚を動かし、壁へと押し付ける
「 黒髪だし…。身長とか……どこか御兄様に似てるとは思わない? 」
「 っ……いい加減、ブラコンを…卒業しろ……こらっ、探るな!! 」
「 久し振りだから、突っ込むね…… 」
「 おまっ、っ!! 」
軽くズボンを下げ、早々にその場で陰茎を押し当てて突っ込めば
顔色の変わらなかった兄は僅かに頬を染め、背中へと腕を回し、息を吐いた
腰を揺らし、中に感じる温もりと似た魔力の心地よさに堪能していれば
兄は髪を撫でて、耳元で答えた
「 そうやって、お前は……最初に、愛した…神父を、忘れられないだけだろ……! 」
「 ……そんなこと無いよ 」
「 淫魔が…一人の、人間に執着するな…… 」
エカード……、エカード……
悪魔である俺を受け入れ、子供を望んでくれて、優しく頭を撫でては微笑んでくれた男
魔界が気になるからと連れて来た時も、他の魔物を見ても怖がることもなく
部屋で抱く俺を、嬉しそうに受け入れてくれた
″ クオレ……愛してるよ…… ″
「 っ…… 」
「 ぉ、まっ!ぁ、っ!! 」
苛々する……
エカードはもう、この世にいないのに
何度も何度も、頭を過ぎって
誰を抱いても、似てる兄を抱いても、気が済むことは無かった
その声はもう…聞くことは出来ないんだ
「 ひっ……っ~~!! 」
キツく抱き締めて欲を放った兄は、息を荒くし肩へと額を当てる
「 はぁ……。お前の好きな、神父の…魂はもう二度と…人間界にはいかない……。今の男が気になるなら…未練たらしく、兄を抱くより、そいつを抱け…… 」
「 随分と、気に掛けてくれるね…… 」
「 末っ子であり……俺の可愛い、唯一の弟だからだよ…… 」
目線を重ねれば兄はポンポンと頭を撫でて額を合わせた
俺のことをブラコンと言う割には、リオンも、シヴァ、ディアモンも……俺に甘いと思う
そう言う、父親も……今頃笑って傍観してるだけだろうな
神父に惚れても、それにキレた天使と魔界が喧嘩しても
他の連中は気にせず争いを行ってくれる
クオレだから、可愛い弟だから……
そう笑う彼等を、俺もまた好きだ
「 ん……俺も、兄貴達が好きだよ…… 」
「 あぁ、分かったから…抜くか…動くかしてくれ… 」
「 んー? 」
「 俺も淫魔だ……。興奮してくる 」
緩く揺れる上級悪魔が付けるマントがひらっと動き、目線を合わせれば、目元に紅を付けたようなリオンを見え、口付けを重ねる
「 ん…… 」
「 御兄様…好きだよ……。いつも味方でいてくれてありがとう 」
唇を離し頬へと口付けを落とせば、ゆっくりと中から引き抜き
片手で服を整えれば、彼もまた整えれば笑った
「 ほら、行け。気持ちが分かるまで、一人を抱けば…御前のクルミの脳味噌でも分かるだろ 」
「 そうするよ、俺の身体に聞いてみる 」
未練が有るのは理解してる
エカードの魂が二度と転生出来ないのも知っている
どんなに悪魔に心を売ろうが、それが美しく純粋なら神は許すからだ
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