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別ルート
二十一話 それが女王蜂の本質
しおりを挟む辺りに立ち込める血の匂いは、直ぐに他の魔物にも誰の血か分かったのだろ
血に含まれる魔力によって、
彼等は急いで最上階にある寝室へと向かった
壊すように扉を開いた軍事責任者であるネイビーと、その周りにいるハク、ブラオンはその光景に言葉を失った
「「 !!! 」」
ベッドに無惨にバラバラになった肉片と床に滴る血は水溜まりが出来、六枚の羽を大きく広げた顔や身体が蜂であり、蜥蜴のような尾を揺らし、内蔵を丸めては口に入れ丈夫な牙で噛み砕き、時より動く腰に、何をしてるのか分かったのだ
「 っ……くっ……! 」
慣れてるはずの兵士さえ、込み上げる吐き気に顔を背け、雄達は“ 本物の女王蜂 “の恐ろしさに脚を竦めた
腸は垂れ下がり、落ちているにも関わらず、その下にある袋のような部分は膨らみがあり、ドクリと脈打つように動くのは見える
そして、その育児嚢へと差し込まれた輸卵管は軽く擦っては欲を放つ
「 くっ……サタンを、助けろ……! 」
震える声でネイビーは告げれば、彼等は動くことが出来なかった
絶対的な存在である、女王蜂が孕ませながら喰ってることに自分達も“そうなる“と思えば恐怖心で動けないんだ
「 サタン様は、生きて……るのですか……? 」
「 頭は、見当たらないぞ…… 」
ハクの言葉に、ブラオンは眉を寄せ告げればネイビーは奥歯を噛み締め一歩脚を踏み込む
靴につく血の水溜まりに鳥肌は立ちながら、彼等に告げる
「 喰ってる事に夢中でこっちに気を向けない、変わりになる餌を準備しろ、直ぐにだ! 」
「 は、はい! 」
「 今、持ってきます! 」
彼等はやっと指示に動くことが出来れば、急いで肉を取りに向かえば、ハクは告げる
「 どうやって、サタン様から抜きますか…… 」
「 劣りになるしかないだろ……俺が、誘う。お前等は肉体を引き離せ……餌が来たらな 」
「「 はい 」」
一旦扉を閉めた彼等は顔を見合わせることなく青ざめれば、ブラオンは腹に触れ告げる
「 あれが、女王蜂なのか……腹が減れば……雄を喰いながら犯すのは聞いたことはあったが……あの、サタン様が、喰われるのか? 」
「 俺だって初めて見たんだ……あの状態で、生きてると、思うか? 」
「 生きてるから、孕ませてたのでは無いですか……? 」
「 あの状態でまだ孕ませてるのかよ、とんだ…… 」
“ バケモノ “その言葉をブラオンはいいかけた事に顔を背ければ、彼等もまた視線を落とした
自分達のように死んだあとに喰うのではなく、生きながら喰われていくのは想像できなかったからだ
まるでカマキリの雌が、交尾を終えた雄を栄養の為に喰うのと同じであり、空腹の女王蜂には雄など餌でしか無い
「 何故、こんなことになったのですか…… 」
「 ……腹が減るようなことが…… 」
「 スミマセン!それは、自分のせいです! 」
当然と頭を下げた兵士に、彼等の視線が向けられればそこには涙を流してる、黒い羽を生やした若い青年の姿がある
「 自分が羽根を貰ったことを仲間にも言ったら、皆が揃ってプレゼントを贈り……ルイ様は変わりに羽根を渡していたそうです……失った魔力のために、サタン様が自ら喰われることを…… 」
女王蜂が倒れる時に見ていた彼に、其々は眉を寄せネイビーは怒りより、気付かなかった事に悔やんだ
「 もういい……其よりサタンを…… 」
「「 変わりの餌を持ってきました 」」
タイミングよく彼等は大きな肉団子を持ってくれば、ネイビーは軽く頷き扉をそっと開けば、開き辛い事に驚けば、扉の隙間から覗く蜂の手に彼等は声にならない恐怖を感じる
「「 っ!!! 」」
押してもないのに開いた扉
目の前には、大きな赤い目を向け血だらけに牙を向けた蜂の姿と、足元には形さえ失った無惨な肉片が点々と落ちていた
「 ……ルイ……俺達が、わかるだろ……? 」
「 おちついて、ください…… 」
サタンの性機能と繋がっている下半身だが、その体の部分は既に無く、彼等は目を見開いた時には女王蜂は動いていた
兵士の悲鳴と、パニックになる彼等は喰い殺されていく
女王蜂の空腹を癒すには、一匹じゃ足りないと……
「 なにが、あった……の……? 」
一人遅れたアランは、見るも無惨な光景に目を疑えば、女王蜂はゆっくりと顔を向け羽を動かしていた
「 !! 」
…………
………………
……………………
『 はっ!!! 』
流れる汗と冷たくなった身体を感じて、ベッドから飛び起きて辺りを見渡せば血は一切無く
けれど、唇の感触は覚えてるために横へと視線をやればそこには眠ってるサタンの姿があった
『 パパ!!? 』
「 ん……? 」
布団を捲り上げ、確認の為に身体やら触ってズボンをずらし見れば、ちゃんと有ることに安堵すらしていれば、サタンはクツクツと笑い始めた
「 ふふっ……どうしたの?俺の身体でも興味あるなら、いつでも孕むけど? 」
『 へっ……いや、夢か…… 』
「 ん?あー……熱があると怖い夢みるよね。元気そうで良かった 」
ゆっくりと起き上がった彼は、額に触れ熱を確認しては安堵の表情と共に手を動かし羽に触れ、傷口が治り羽根も揃っていれば、肩に触れもう一度、ベッドに押し倒してきた
『 ……俺が、デカいハエみたいな、蜂になって、沢山喰う夢を見た……めっちゃ、怖かった……あんなの、本当の姿だったら…… 』
「 ふふっ、怖い夢だね、もう大丈夫だよ、ルイ 」
『 ん…… 』
大きなスズメバチのような姿、あれは本当に俺では無いのだろうか
自棄に生々しいような感覚に、気持ちを落ち着かせる方法が分からず何度も撫でられるままに身を委ねた
「 ルイ……エッチしようか、イチャイチャしよ? 」
『 はっ?あんな夢みた後で、やだぁ、あっ……! 』
「 攻めるだけじゃ可哀想だから、俺が攻めて上げるよ。パパ、上手だからさ 」
『 そう言うもんだいじゃない! 』
片手で陰茎を揉まれ、額やら頬に口付けを落とされれば服は脱がされ、簡単に行為へと染まっていく
俺が喰い殺していくのではなく、今度は俺が喰われそうだ
けれど、やり方は分からないけど魔力が回復したのは事実だった
「( 喰った衛兵の数は、教えられないね…… )」
妖笑みを浮かべるサタンの表情は、俺の知る雄達とは違って、大人びて余裕さえあり綺麗だ
そして何より行為について経験豊富なのだろう
“女王蜂“を相手にするのに良く慣れていて、
何処に触れ、どうすれば発情するのか熟知してる
前世の父親とか、そんなの考える事すら忘れるほど、肉体を求め卵子を植え付けたくなるほど上手い
『 はぁ……ん…… 』
「 ふっ……ハァーッ……気持ちいい? 」
『 あぁ、ン…かなり、な…… 』
父親が子を襲う、それなら犯罪だと喚きたくなるが
今は全く違う
だって、サタン自ら、俺の陰茎を勃起させ
後孔へと挿入して、そして自分で腰を振って動いてるのだから、俺自身はその光景を下から眺めてるだけ
襲われてる感覚は無いほどに、疼く
引き締まり、案外細身の腰は上下や前後に揺らしたりと厭らしく動き
人間の雌が欲しがりそうな、立派な陰茎は使い道を無くしそそり勃つだけ
繋ぎ目から垂れる体液は、彼の膣内が求めるように溢れる先走り
体重をかけないように、シーツに膝を付き太股を動かしそれに合わせて腰は揺れ内部は搾り取るように締め上げる
『 ぁ!はっ……っ…… 』
一瞬、吐き出しそうになった感覚をグッと堪えて
太股に当てていた両手を内股へと触れば
サタンは三日月に目を細めて笑みを浮かべ、長い爪を持つ片手を俺の胸板から腕へとなぞる
「 はぁー……若い雄と違って…いいだろ?さっさと終わらない交尾… 」
『 其々…良さがある、が…パパは、厭らしい…… 』
鱗を持つ尻尾は、俺の蜥蜴の尻尾と絡ませて擦る様子はまるで陰茎を互いに擦ってるように気持ちがいい
寝てるだけじゃつまらなくて、触れたくなる本能のままに上半身を起こせば深くなる陰茎と共に、彼は腰に脚を巻き、身体へと腕を伸ばし抱き締めてくる
「 ……大人だから、ね…。俺、子を産むのが好きなんだ…… 」
『 知ってる、聞いた…… 』
気を失って寝る前に、譫言でも俺から“孕ませたい“と言わせたのだろ
丸一日、寝てる間にサタンの内部は女体へと変わり、顔を寄せれば香る匂いに思考は溶け、肌を舐め首筋へと顔を埋めながら、肉壁を軽く回すように腰を動かせば、奥が開くのが分かる
この雄は、欲してる……卵子を貰うために、
長年閉じていた育児嚢を開いてるのだと本能的に気付く
「 俺にも…頂戴……ルイの、種を…… 」
髪に触れ、角へと口付けが落とされ、絡んだ尻尾が擦り合わせれ刺激するように彼の尻尾は蛇のように音を立て震わせる
浴は掻き立てられ首筋や喉元へと舐め、犬歯を当てては、目線を向け軽く視線を外す
『 ……あんたは、俺の……父親……なのに…… 』
「 この世界では関係無い……雄と女王蜂……それだけ…… 」
僅に残る理性によって、甘い肌も汗の味も気にもならないほど、一つの事が気にかかる
「 っ……ルイ……? 」
『 なぜ、アンタは…… 』
そのままベッドに押し倒し、繋げたまま喉へと両手を当て掴めば、彼は眉を寄せ僅に首を傾げる
『 ……母さんがいたのに、浮気したり…暴行をしたり、ギャンブルをして、借金抱えて逃げたんだ 』
「 っ…………! 」
『 ……しねばいいのに…娘にも、こんなことをするなんて……嫌だと泣いて孕めば、犯すのに、喜ばれるなら、嫌だな…… 』
母さんはこの人を、毛嫌いして顔だけの男だと言ってた
確かにそうだと思うほどに、今でも性格が屑だと思ってる
交尾されるのが嫌なら犯すのに、求められるなら本能は崩れ落ち理性が勝り、荒く貯精嚢へと突き上げれば彼は目を見開き腰を浮かす
「 ッ!!あぁ、ルイっ、まって、ちがう……! 」
『 違う?何が? 』
雄が弱い貯精嚢、余り強くする気はないけど腹が立つから敢えて腰を打ち付ければ、余裕ぶっこえていたサタンの表情は快楽に飲まれ、首を持つ手首へと掴みながら、中を締め付け種を欲する
「 ぁ、あっ!そんな、されたら、話せない……んぅ、ンっ!だめ、るいっ、まって……あぁっ、あぅ! 」
『 なに……話せよ……。それとも、子にパコられて興奮してんの?変態 』
「 ひっ、ぁあっ!あっ! 」
顔を真っ赤に染め、身体に静電気が走るように腰を浮かしたり、自ら動かす彼は太股へと力がこもり、俺の言葉と共に目を閉じ育児嚢を震わせた
「 だめっ、だっ、だめっ、ぁあっ、ンンッ!! 」
『 はっ……一人で、イッてんの……?最低だな、ドロドロに精子出して……きたねぇ音…… 』
「 ひっ、ぁ!!るいっ、ちゃん……るいっ、ぁ、あっ! 」
俺の方を見る余裕さえなく、横を向いたまま打ち付けられる感覚に喘いで、身体がぶつかる度に水音が響き、屁をしたような空気の音すら出る
綺麗な雄が欲に負けて、壊れていく姿を見て首へと掴んでいた手を離し、片手を繋ぎ、顔を寄せれば
サタンは片腕を伸ばし背中へと抱き締めてくる
「 はぁ、ちがう、んだ……きみはっ、ぁあっ! 」
『 ハッ……しゃべるか、喘ぐか……どっちかにしたら……? 』
「 ンンッ!そんな、ぁあっ、いくっ、いっ、アッ、ひっ、い、くぅ、っ~~!! 」
唾液を垂らし、腹部へと力の入った彼は二度目の精子を吐き出し布団やら俺の陰茎を濡らせば、頭の横で喘ぎ、絡めた尻尾を締め付ける中を求めてくる
「 はぁ、はっ……!だめっ、ぁ、悪いっ子……そんな、突かれたら……ばかに、なる……おす、だから……あぁっ! 」
『 ハッ……しらね…… 』
綺麗な顔をした男は、顔だけと母さんは言っていた
ギャンブルにはまって金を使って、機嫌が悪くなれば暴行して、弟を妊娠してた母さんを放置して、色々置いて死んだ人
それなのにこっちでは、他の雌の子を産んで、子を増やして威張って暮らしてたなんて……
腹が立つし、もう一度でも死ねばいいのに……
本当、夢のように喰い殺しながら犯せば良かったと思いながら優しさもなく荒く腰を打ち付ければ、彼は声を上げ、何度も欲を放ち、ぐちゃぐちゃになった顔を拭くこと無く抱き締めては放つことの無い卵子を求める
それが雄だから……俺は、酷いことをしてるのを知って態と何度も犯しては熱を外へと放ち、また挿入するのを繰り返す
「 ぁあっ、るい、ちゃん……んぁ、ひぅ、ぐっ、ァアッ!きもぢ。いいっ、ぁんっ!あぁっ!らめっ、ぁ、イグ、イグッ!!ンンッ~!! 」
『 っ……くっ…… 』
不味い……貯精嚢に吐き出してしまった
精子が当たらない場所だから、後から受精するにしろ、渡すつもりがなかったに締め付けた肉壁から抜くことが出来なかった
『 ハッ、もう、しらねぇよ…… 』
「 はぁあっ!ルイちゃん、の……らんしが、ぁあっ、パパの、なかに、あぁっ! 」
『 そんなに……孕みたきゃ、産めよ……ルカ…… 』
「 ンンッ、ぁあっ!んっ!なまえ、うれしっ、はっ、はっ、あっ! 」
呼んで、そう言ったサタンに嘲笑っては耳元に顔を寄せ名を呼びながら貯精嚢へと幾度と無く、卵子を注ぎ入れれば、彼も今は使わない精子を吐き出し腰を震わせ、受け入れていく
『 はっ……ルカ…… 』
「 ぁあっ、るいっちゃん……るいっ、あっ、あぁっあっ!! 」
アンタは、綺麗な顔をして嘲笑うより
そうやって子供に犯されて喘いでぐちゃぐちゃになった顔の方がよく似合うよ
他の、雄には見せれないほど、腹立つほどにそそるよ……
『 ルカ…… 』
「 はぁ……ン…… 」
僅に名を呼べば涙を流し、快楽に惚ける表情を向ける彼と口付けを交わしては、内部からゆっくりと引き抜きポタポタと液体を垂らしながら見つめる
『 ……なぁ、俺は…どっちの子なんだ……? 』
母さん?それともアンタの?
似てない二人の子だと自覚してたからこそ、
その事実を知りたかった
一体、誰の子なんだと問えば彼は呼吸を整えて
自らの腹に触れながら、答えた
「 はぁ……ルイの……生まれは……此処だよ…… 」
『 ……なっ、えっ? 』
「 俺と、クロエの、子だ…… 」
それは余りにも理解が出来ず
当然の事に、一瞬頭の中が真っ白になった
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