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二章 宝物捜索 編
08
しおりを挟む氷属性は元々持ってるけど、
完璧に使えるようになったのは、
フリーレンに召喚された時に、
魔力を制限しながら
使う方法での、修行の結果だ
風属性は四神獣である白虎から、
加護として貰ったもの
そして闇属性は、魔人でありながら
召喚士であった主…クララから学び、得たもの
『 そう言えば…雷属性って何処で手に入れたんだっけ?……誰かに学んだ気がする…誰だっけ? 』
フッと…簡単に使っていた雷属性の魔法だけど、
本来なら俺が得意とする属性では無い事を思い出した
それと同時に、その魔法を与えて…教えてくれた人物がいるはずなのに、全く思い出せない
それどころか、その雷属性に関する記憶が全て抜け落ちてる気がするんだ
『 主の事を覚えてる俺が……雷属性を貰った相手を忘れてるなんて、可笑しい。誰かによって記憶が消された?そんな…雷属性について知ってたら駄目な事とか? 』
幾つもの疑問を抱いたまま、干上がった地面と枯れ木のみになった森を歩き進める
思い出そうとするも、
何かに阻まれて思い出せなくて…
考えれば考える程に、忘れていく感覚がする
これは逆に可笑しいと疑問を感じていると、森を抜けた先にあったのは…
大地が真っ二つに割れていた
『 深っ……。でも、なんだろ…ここを知ってる気がする 』
人の姿では降り辛いから、黒い毛並みをした狼の姿へと戻り、下りていく
地上から更に深く、割れの下に有る地面へ降り立つと、
穴の直径が全体的にデカい、大きな洞窟が目の前にある
『 ……やっぱり、なんとなく… 』
普段の俺なら、怖がって入るのに躊躇するだろうけど、今はなんとなく入ってみたかった
いや、入らなきゃ行けない気がしたんだ
『 ……中は広いというか、え…… 』
洞窟を少し進んだ先には、広々とした空間があったが、
其処には場違いな程に、違和感しかない…
子供向けの玩具の数々が置かれていた
『 すべり台にシーソー……こっちはおもちゃ箱… 』
鼻先を狼のぬいぐるみに寄せると、ほんの微かに俺自身の匂いした
それも、何処かミルク臭い子供らしい匂いが…
『 俺は此処で過ごしていたのか…。でも、誰と…?誰かが…一緒だったはずなのに、なんで…思い出せないんだ…! 』
忘れ掛けていた記憶の中に…
小さな俺が…誰かに笑い掛けてる様子を思い出したが、
その者は黒い靄に覆われて、姿形どころか、声すらも聞こえない
消された記憶に苛立ちを覚えていると、淡い光がこの部屋に照らされた
『 ……これは、入り口? 』
他の場所に繋がってそうな入り口を見かけ、後ろを振り返ってから、中へと足を踏み入れた
『 ッ……ん?わっ……! 』
洞窟の中に、場違いに置かれたおもちゃがある空間とは違って、入った先は白と金に統一された、美しい程の宮殿だった
真っ白な柱や大理石の様な床、そして高い天井を含め、あの場所とは大違いな程に美しい建物だ
『 ほぁー…すげぇ……。此処…雲の上だ… 』
記憶が無いことに苛立ってたことよりも、歩いた先に見かけた、宮殿の外の方が気になって仕方ない
天空に建つ…宮殿、いや…神殿かもしない
『 神様が住んでそう……。って事は…神様がいるんだろうか? 』
辺りを見渡しても気配は無いけど、誰かしら住んでるんじゃないかと思って、歩き出す
部屋数は少ないように思える程に、扉の数は余り無いのに、廊下はバカでかい
だからこそ、辿り着くのは早かった
『 お邪魔してます……。あっ…… 』
恐る恐るに中を覗き込むと、玉座の間みたいな場所に、三段ほどある段差の上にある平たい部分の上には、大きな黄金色をした綺麗な毛並みと翼を待つ、巨大な獣が眠っていた
『( 此の神殿の門番?いや、門番ならもっと…入口付近に居そうだけど…。なら、主?挨拶必要よな…? )』
門番にしては神々しい雰囲気の獣にそっと近付こうとすると、此方の気配に気付いたのか、閉じていた瞼は揺れ、長い睫毛の隙間から黄金色の瞳が動き、俺の方へと鋭く向けられた
「 ……何者だ…?何故、この俺…雷神の神殿に入って来れた…? 」
『( 雷神…!?やっぱり神様…! )いや、その…洞窟の奥を進んだら…ここ辿り着いてしまって… 』
起きた事で圧倒される威圧感に、一歩後ろに下がって目線を逸しながら答えると、
雷神は大きな身体を持ち上げ、手足に着けた豪華な装飾品の音を響かせ、それに負けない程に低い声で告げる
「 ふざけた事を抜かすな。俺の神殿に入れる聖獣など、存在しない 」
『 でも、入れたん…です!!何故か、分かんないけど…! 』
「 ほざけ!!! 」
『 ッ……! 』
吼えられた事に耳は下がり、無意識に尻尾を股の間に回して身を縮めると、雷神は立っていた場所から動き、俺の方へと近付いて来た
「 それも御前……闇属性じゃねぇか。雷と光属性を持つ俺の神殿に踏み込んで、此処まで来るまで気づかれないとか…どんな能力を隠し持っている? 」
『 …なんも、持ってないけど… 』
雷属性と光属性…
それを得意とするのは、なんとなく見た目で分かったけど…
そんな神様ですら、俺が此処に来るまで気づかないとか…
逆に危機感知能力大丈夫ですか?って聞きたいわ!
聞いたら殺されそうだけど…
「 隠したところで…無意味だがな 」
神様と言うわりには、俺の方に近づく度にサイズを小さくして、俺より一周り大きい程まで変わると、犬らしい挨拶のように、身体の匂いを嗅いできた
『( ずっと、船の上に居たから臭いかも… )』
なんか、綺麗にする前に嗅がれるのは凄く抵抗あるなって、耳を下げて雷神の好きにさせていると、
彼は尻の辺りを嗅いだ後に顔を持ち上げ、
僅かに口を開いたまま硬直してしまった
「 ……………… 」
『( そんなに硬直する程臭かった!!?いや、違う…!これ、フレーメン反応だ!! )』
ヤコブソン器官(鋤鼻器)だっけ?
そこで匂いを判断した事で、本能的にしちゃう顔なんだろ!
よく知られてるのは猫科とか…馬だけど、
犬科もあるって聞いたことある…
『( でも、神様って…フレーメン反応するんだ…。もしかして…神様、成り立て? )』
まだ獣らしさが残ってる神様なんだろうか?と疑問を考えていると、
少しだけ停止していた雷神は、飾り毛のある耳を下げて、如何にも嫌そうな顔を見せた
「 なんで御前……そんな、変な匂いがするんだ? 」
『 え……( 変な匂いって言われた…やっぱり、臭いんだ…… )』
余りにもドストレートに告げるから、心の中でオスとしてのプライドが砕けた気がした
気晴らしと思って来たけど…
こんなとこなんて来なきゃよかった!!
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