転生したら召喚獣になったらしい

獅月@体調不良

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一章 聖獣への道のり編

02

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真っ暗で何も見えない、聞こえない
寒さも感じない感覚なのに
不思議な程に、気持ちはとても落ち着いてる

海へと落ちて最後まで聞こえていた鼓動は
今は全く感じれない

なのに俺は生きてるのか……?

「 随分と面白い迷える子羊が来たもんだ 」

『( 誰だ? )』

急に聞こえた来た声は若い青年の様に聞こえるが、少しだけお年寄りの様な口調すら混じる
若作りなのか、老けてるのか声だけでは分からないが今は、その声すら一人ではないことに安心感すら感じる

「 私はせいの神だよ 」

『( 性の神? )』

「 いや、命を司る生の神だ。性の神と一緒にされたくはない 」

聞こえ辛いんだ、許して欲しい
其にしても自分で喋ってる感じはしないのに、思ったことは伝わるらしい

命を司る生の神なんて、意味の分からない事を言われても頭に疑問符が浮かぶだけ

四体全て有るのかも微妙だが、俺の中で頭の上と言うことにしとこう

『( それで、生の神が何のようだ? )』

思考が回らない中で深く考えたくは無いし、この声の主をスルーしても仕方無いから
取り敢えず聞けば、青年の声をした相手は笑ったように声のトーンが高くなった

「 よく聞いてくれた!今、丁度新しい命を創るところだったんだが、中々いいアイデアが無くてな…… 」

『( ……ん? )』

新しい命を創る?
なんだ、その粘土を弄ってる時に呟きそうな芸術家の言葉はって疑問になっていれば
辺りの暗闇は一瞬で晴れた

『( !! )』

「 そこで御前に意見を聞こうと思ってたところだ 」

暗い中にいて、急に明るい場所へと出れば
目が眩むように、有るかも分からない瞼を閉じては徐々に明るさへと慣らしていく

声の主へと言葉を返すより先に、俺が会話していた青年の姿を見る

『( 真っ白だ…… )』

「 ふむ、真っ白が好きか…… 」

いや、そうじゃなくて声の主の髪も肌も服すら真っ白だと言いたかったのだが……

この青年は、横髪は長く後ろ髪は短い白髪を密かに揺らし、指先が露になる白手袋を両手に嵌め
俺の予想通りに粘土のような物を弄っていた
けれど、それは直接揉んだり引っ張ったりして作るのではなく、両手から浮いてるように見える

「 猫は好きか? 」

『( いや、そんなに…… )』

「 猫は嫌いか、なら馬はどうだ?蛇とかは? 」

『( いや…… )』

「 迷える子羊よ、御前は可愛いげがないな 」

『( 悪かったな…… )』

可愛いげがないって、猫の後に馬やら蛇やら言われてもピンとは来ないだろ 

それに動物は昔から余り好きではない

人間に飼われてるペットも動物園も水族館も、人のエゴで生き物を飼育してる事すら好きじゃないんだ
生まれた瞬間から自由を奪われて、生きていく生き物の気持ちは理解できない
其なのに飼い主と楽しげに過ごしてる猫や犬は尚更だ

「 ……… 」

俺が考え込んだ事で、青年の視線が此方へと向いてる事に気付く
良く見れば顔立ちは、芸能人やモデルより整っていて
日本人離れした外国人のように鼻筋は細く、輪郭もシャープで小顔だ

映画等で見る魔法使いを思わせる、黒いドレスローブではなく装飾すらされた真っ白なドレスローブは足首を隠すほど
僅かに見える両手の手首には光る宝石の付いたブレスレットがあり、首には似たネックレスが二重で着けている

都会のコスプレかと思うほどに、この人からは平凡な大学生とは比べられない、雰囲気がある

睫毛すら真っ白で目は月のように銀色だ

「 嫌いな事はあるか? 」

『( 嫌いな事? )』

「 そう、思い付く限り上げるとよい 」

こんな人間がこの世にいるのかと
男相手に見惚れていた俺は、聞かれた問いに反応が遅れ、同じ言葉を繰り返した

『( 嫌いな事…… )』

赤の他人に嫌いな事、詰まり弱点を言うのはどうかしてると思うのだが
この何もかも見透かすような瞳を見れば自然と言葉は出ている
初対面なのに、警戒心すら何処か消え去るほどに綺麗な青年だからだろ
口調は相変わらず年寄りっぽいが………

『( 寒いが苦手だ……寒いぐらいなら着込む…… )』

「 ほぅ、フカフカの毛皮がいいとな 」

そんな獣の死体を羽織るような毛皮は欲しくはないが、厚手のコートは確かに欲しい
さっきももう少し、着込めば良かったと思うほどだからな

「 他には? 」

『( 一人なのは嫌だな )』

一人っ子だったからこそ、兄弟に憧れた
両親が共働きで常に家にいなかったこそ、祖父や祖母と遊ぶことが好きだったし
近所の子供といつも一緒にいた

だが、やっぱり帰るときに一人は何処か寂しさがあった
彼女に依存して" 見た目より重い "と言われてフラれたことを思い出し胸が痛む

『( もし、来世は……兄弟とかいるといいなって思うことはあった )』

何故か呟いた俺に、青年は密かに口角を上げた

「 寂しがり屋の御前にはぴったりな生を思い付いた 」

寂しがり屋、二十歳過ぎて言われたら否定すら出来ないと内心笑えば
青年の手に平にある粘土は様々な方向に動いていく
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