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一章 聖獣への道のり編
09
しおりを挟む俺がヘトヘトに疲れたことで、休憩を考えてくれたノアはこの町を一望できる
一番高い民家のある場所へとやって来た
塀に囲まれた町の外には、乾燥地が広がり
此所は一枚岩の上にある町なんだと知る
岩を削り、道を造り、そして家を建てる
階段が多くあるのも、羽毛馬が居た辺りが宿の多い市場の付近なのも納得できる
岩を守るような塀は、乾燥地から吹き付ける風を防ぐものだろ
この壁の向こうには羽毛馬達の身体についていた砂の匂いも森の匂いも沢山有るのだろ
途中には怖い銀狼もいそうだが
「 やっぱり、ここがいいなーみーんなみてまわれる。このむこうがノワールをひろった、おかがあるほうだよ 」
軽々と塀の上に登って立ったノアに、落ちないか心配になるも
彼は町とは違った方へと視線を向けた
そこは民家で見えないが、反対側は乾燥地とは真逆の花畑のある丘なのだろ
此所はその二つがある中央に栄えた町
だからこそ、商人がやって来るんだなと思う
「 ボクね、いつかここをでたいんだ 」
『( 町を出る? )』
まだ小学生が語るには、無謀な夢に思える
日本のように安全とは思えないし、日本でも誘拐やらなんやら色々あるのに
銀狼がうろちょろしてそうな町の外なんて危ないに決まってる
それなのに何故、出たいのか?
そう視線を向ければ立っていたノアは地面に降り、俺を抱っこしては町の方へと視線を向けた
「 このくにはとてもちいさい、だからいろいろみてみたいんだ。あのさきには、なにがあるかなって 」
遠くを見詰めるノアに、俺もまた同じく遠くを見ていた
何があるのか見てみたい、幼い好奇心に少しだけ胸が痛む
もし俺が彼の兄なら、ダメだと引き止めるだろ
家族が危ないことには首を突っ込んで欲しくはない
「 だからノワール、いっしょについてきてね! 」
『( えっ……? )』
一緒についてきて?いやいや、銀狼に出会う外なんて出たくないと必死に首を振れば
ノワールは楽しそうにケラケラと笑っていた
そんな笑い事じゃないのに
「 だいじょうぶだよー、おれがもうすこしおおきくなってからのはなしだよー 」
『( 大きくなって……いや、それでも危ないのはよくないだろ!! )』
羽毛馬達が襲われたってことは商人も危険なことを経験したはず
そんな外の場所なんて進んでいかなくとも、此所でのんびり暮らせばいい
俺はそう思うのだが、ノワールが向ける好奇心溢れる瞳を見れば眉間に皺は寄る
『( 俺が大きな狼なら、助けることも出来るだろうが…今はチビな子犬だからな…。銀狼の餌になるのがいいところだ )』
劣りになれるかは分からないが、それでも餌として気を逸らす事しか出来ない
俺は何故この世界にいるのか、只自称神様の創作欲をわかせるために狼の姿になっただけなのなら
ペットとしてこの子供と一緒にいることが、俺の生きる理由なのだろ
学生の時に将来考えて学校を選んでいったのとは、少し違う気もする
今は、この先の将来がどうなるか分からない
なんせ俺は小さな子犬だからな
「 よし!ほかのばしょもいこっ! 」
『 ガルッ! 』
休憩を十分終えたところで、ノアに連れられて町を案内して貰った
複雑な町、迷子になれば似た建物ばかりで分からなくなりそうだが
流石、生まれ育っただけある
ノアは迷うことなくどんどん突き進んでいく
そして俺は時より匂いを嗅ぎながら、場所を確認して着いていく
「 そのへん、くらいなぁ…… 」
『( 今、来た道を戻って右に曲がれば……!! )』
裏路地と思うほどに暗い場所
道順を覚えてきた俺は振り返り、戻ろうと考えるも
嫌な匂いに民家の屋根の方を見た瞬間、細い通路へと視線をやる
「 やっと人通り少ない場所まで来てくれたな 」
「 えっ? 」
声に驚いたノアは俺を隠すように前へと何気無く立った
何故、匂いを嗅いで歩いてたのに気付かなかったのか……
そう後悔しても
この鼻を上手く使いこなせて無いから
国民と変な奴等の匂いを掻き分けられ無かったのだ
暗い影から現れたのは、よく見る盗賊でも無く
軍服の様な者を見に纏った、如何にも王族やらに支える奴等ってのはこの世界を知らなくとも分かる
「 第二王子。ジョセフ様の命令だ。一緒に来てもらうぞ 」
この国に、城とかあったんだな
全く気付かなかったと思う俺は、ノアが抵抗を止めたのに気付けば自分の身体の力は抜けていた
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