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一章 聖獣への道のり編
2話 彼は最強クラスらしい
しおりを挟む透き通ったライトブルーの美しい泉に繋がる川は
遠くの方で天へと続いてる
俺の足でそこまで走れるかは分からない程に言葉で現すのが難しいほど遠くだ
この世界に端があるのか分からない、だがこんなに数がいるなら先を知ってる奴もいるんじゃないか
『( 大きさが似てる……。話し掛けてみるか )』
息を切らして、落ち着いてから辺りを見てから
片方は猫の姿にコウモリのような羽根が生え、もう片方は尾の数が二本の狐に出逢い
彼等がじゃれて遊んでる姿に、俺は話し掛けようと近付いた
獣なら言葉が分かる筈、羽毛馬達みたいに直ぐに親しくなれるだろうかと期待を込めて一声を察した
『 えっと、こんにちは! 』
「 ん? 」
「 だぁれ? 」
なんだこの、クラス替えをした時に新しい友達を作る時のような感覚
既にあるグループに入ることの難しさを肌に感じるほどに、二頭の視線が突き刺さる
俺は自分から友達作りをするような性分じゃ無かったからこそ、次に何て言っていいか分からず身体は硬直する
「 見掛けない顔ね?それに獣臭い 」
「 貴方、成り上がり? 」
『( 成り上がり? )』
今の俺は獣だと分かるんだが……
そう、近付いて来てクンクンと身体中を匂われると居たたまれない気持ちになる
左手と右足が浮いたまま硬直した俺に、二頭は言葉を続けた
「 成り上がりなら獣臭いのも分かるわ 」
「 大丈夫よ!身体を洗って、一時遊んでたらそんな匂いは無くなるよ! 」
臭いのか、つまり俺は臭いと言いたいのか
「 ほら、泉に入ろ!こっちだよー 」
「 おいで! 」
『 お、おう…… 』
其々に跳ねてから泉の方に行く二頭に
此処は人間社会らしく、元々居た者達の言葉を受け入れとこうって考えが働き
素直に着いていき泉の方へと向かった
俺が通る度に顔を向けたり、中には逃げていく聖獣も居ることに傷付きやすい心は砕けそうだ
加齢臭放ったオッサンが満員電車の中にいて、誰も臭いとは言えない、あの状況が今まさになんだろ?
風呂にはいった?とか早く降りてくれないかなーなんて言えずに嫌そうな顔だけを必死に堪えてる
あの場面に似てると、若い自分が臭いことにショックを受けつつ泉の前へとやって来た
『 これ、深さ……どのぐらいだ? 』
「 さぁ?でも大丈夫よ!死にはしないわ 」
「 そう!入りたくなければ、立てばいいものの 」
海で溺れたのが記憶に有るために、透き通って
中に水中の聖獣らしきものが泳いでるのは見えるが、尚更怖いだろ
底が見えない水ほど入ったらダメだと思う
立てば、と言った猫へと視線をやればごく普通に泉の上に立ってることに眉は寄る
きっとレベルの差だろうってことは理解した
『 お、俺は泳げない種族とおも…… 』
「 ドーーン!! 」
『 !!!? 』
尻込みして後ろへと下がろうとすれば、急に背中に感じた衝撃によって身体は予想外に宙へと浮いた
聖獣達の視線が下から上に上がるのを感じ
俺の視界もぐるりと世界が一周したようにも思える
また落ちる、そう思ってるときに泉の中にいた
『 っ…… 』
小さなボディーは泉の中へと沈み、水中で聞こえる声は遠くだ
けれど海に落ちた時のような寒さ等は感じること無く、水中で泳ぐキラキラした大きな聖獣がこっちにやって来る事に青ざめた
『( いやいや、どっかの泉の主みたいな姿だけど、来ないでくれ!! )』
バカデカイから一口で食われるっ、と目を閉じた時には尻に当たる感覚と共に
上へと押し上げられる水圧に気付き、水面へと上がった後に陸へと投げ出されていた
『 わっ! 』
「 ふふっ、まずは泳ぎ方をマスターすることね。坊や 」
あの泉の主みたいな奴が喋った!と視線の端で笑ってからまた水中へと消えていった、姿を見た後に俺は急いで身体の水気を取るために身体を振る
『 っ、誰だ!泳げないやつを落としたのは! 』
「 えー、僕かなぁ? 」
『 僕かなぁ、っておま…… 』
「「 大丈夫ー? 」」
心配して見に来る二頭ではなく、突き落とした本人へと睨めば
座り込んでいたのは、日本というか俺の世界じゃ見ることのない者だった
『 ど、ど、どらごん……!? 』
「 そうだよぉ?僕はドラゴン。でも地上にいる悪いドラゴンじゃないよぉ?聖獣だから、うーん……ドラゴンっぽい見た目ってだけかなぁ? 」
いや、本物のドラゴンすら見たことないから
目の前にいる赤みかかったドラゴンを本物と、思うしかないだろ
「 ロッサはドラゴンより全然、怖くないよ! 」
「 小さいし、 強そうに見えない!実際強くないんだけど 」
「 僕強いよぉ?力持ちだもん 」
『( いや、んー……確かに強そうには見えないな )』
ドラゴンという容姿に驚いたが
よく見れば身体は丸びおびて、羽だって飛べるか分からないほどに小さい
目も丸くて可愛らしい印象がある
爪とか牙は鋭いが、背中の刺?は痛そうに思えない
頑丈な見た目とお相撲さん体型ってだけ見れば、確かに弱そうだ、子犬の俺が言えたことではないが
「 力持ちと強さは関係ないもーん 」
「 むぅー…… 」
「 ドラゴンで強いと言えば、ブリザードとかだよね! 」
「 あー!氷のドラゴンねっ 」
『 ブリザード? 』
他にもドラゴンっぽい聖獣がいるのかと、首を捻れば二頭はこっちとばかりに俺を呼んだ
また走るのか、と思い仕方無く水を含んで重い身体を動かして二頭についていけば
少し高さの有る場所に来れば目線を向けた
「 むこーに、すこーし見えるのがブリザードの住む山。彼が戻ってくるといつも彼処は吹雪で覆われて近付けないんだ 」
「 前に勇者が死んで帰って来たらしいから、今は吹雪だね 」
『 ……… 』
あれだな、よくある能力が強すぎて周りにも影響しちゃってるパターンだなって事は察した
そして二頭は反対の方へと目線を向けた
そこには常に噴火してる山がある
うん、彼処にもなにかいるんだな
「 強い聖獣は滅多に召喚されないから、地形が変わるんだよねー 」
「 そそ、互いに干渉しないし 」
『 縄張り意識が強いとか? 』
「 それは属性が違うと近付かないでしょ 」
『 属性……あぁ…… 』
真反対にある火山の山とブリザードという吹雪で覆われた雪山を見れば納得する
確かにお互いに好き好んで近付きそうにはないな
納得できると頷けば、やっと走ってきたロッサは息を切らしヘトヘトで顎を地面へと付け倒れた
「 君達速いよぉ~…… 」
「 ロッサが遅いだけ、あ、私はミュー 」
「 私はルナールだよ 」
猫の方がミュー、狐がルナール、そしてこのドラゴンがロッサ
覚えておこうと頷けば、彼等は俺に視線を向けた
「 それで、君の名前は? 」
『 俺の名前…… 』
名前、ノワールって名乗るべきなのか
考えていれば俺達の横にあの自称 神様が現れた
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