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一章 聖獣への道のり編
08
しおりを挟む只、無我夢中で走っていた
そして血の匂いに誘われた銀狼が向かってくるのを倒しては、俺の行く先は迷うことがない方面
聖獣の身体は、神の庭ではないにしろ傷の治りは早く
血は既に止まっている、身体に付いた血だけが色濃く残るだけ
『( 満月か、まぁまぁ綺麗だな…… )』
この世界にある一年に一度訪れるウルフムーンが真上へとある
銀狼達が活発なのもそのせいだろ、俺も分かる
今夜はとても血が煮える程に暴れたくなるのが……
『( 銀狼の声と、コカトリスの声か?近いか )』
俺が走ってるのは割れた岩の上らしく、下から聞こえてくる
それな少し先回りしようと、脚を速めれば
目の前に道が無くなったのを見て飛び降りる
『 っ…… 』
崖を滑り降り、地面が見えたところで飛び降り振り返れば
走ってくる地鳴りに気付き口角が上がる
「 銀狼!? 」
「 いや、違う! 」
おや、ルイス
コカトリスじゃなくていい方に乗ってるじゃ無いかと思えば俺の前で立ち止まった彼等は振り返る
「 リアン、感動の再会は後だ。足止めを頼めるか!? 」
『 ……任せろ 』
「 アンドリュー隊長、行きましょ! 」
「 いや……ボスの御出座しだ 」
「「 !!! 」」
『 ボス? 』
銀狼の脚が止まり、アンドリューはコカトリスから降り、剣を抜くこと無く早々に獣人の姿へとなる
俺達は、彼の前に来させられたのだと知る
「 金狼だ 」
金狼・ハンターウルフ
黄金に輝く毛並みに、銀狼達より更にデカい体格は
何処かシロを小さくしたようにも思える
だが、獲物を狙うその表情はかっこよさもなく
只、魔物として十分なほどに恐怖心を煽る
「 群れのボスか…… 」
「 シルバーウルフの中に、希にハンターウルフが生まれることがある。確率は低いがな……コイツは、レベルが違うぞ 」
アンドリューの言葉に、コカトリスから降り
彼等は剣を持つ
アメリア王女を馬に乗せたまま、ルイスは降り、俺の横へと立てば片手で頭から背中へと撫でて来た
「 俺と御前なら倒せるだろ? 」
『 そりゃ、やるさ 』
「 隊長。他の奴を任せていいですか。俺は彼奴を倒します 」
「 ふっ、任せたぞ 」
ゾロゾロと集まる銀狼は、金狼の合図を待ってるように見える
金狼相手に此所にいる全員が気を取られればアメリア王女は殺されるだろう
だからこそ、出来るだけ金狼を仕止める為に最低限の人数で殺らなければ此方に勝機はない
「 我が同族を殺し。森を焼き払った人の子に……貴様は味方をするのか? 」
このレベルになれば喋れない方が可笑しいか……
風に揺れ黄金に輝く毛並みが、針のようなに鋭く見えるのはきっと只の狼じゃないな
『 どうでもいい。人間が何をしようが俺には関係無い 』
「 はっ、なら見てるだけでいいだろ!貴様には関係無いのだから! 」
『 ……それは同じだろ。俺が狼を殺そうが、守ろうが、御前にも関係無い 』
「 虫酸が走る。殺れ 」
「「 ウォォォオン!!! 」」
話にならないと吐き捨てられたが
恐らく話したところでこいつは俺等を殺す気で姿を見せたに違いない
合図と共に吠え、向かって来た銀狼に先に動いたのはアンドリューだ
「 業火に焼かれろ、大紅蓮!! 」
熊が炎を吐いてるわ、なんて横目で見て思ったが
能力が羨ましい限りだ
炎は苦手なのか、銀狼が怯むのが分かる
「 御前達はハンターウルフだけを殺れ!雑魚は任せろ 」
「「( 雑魚って…… )」」
「 降り注げ氷の矢。その身を貫け……千氷華!! 」
大気が冷たくなりルイスの足元から地面が凍り付き、金狼に向かって酸素を瞬間的に氷らせた氷の矢が襲い掛かる
「 小賢しい!! 」
「『 えっ…… 』」
吠えただけの金狼に、氷の矢は砕け散った事に
俺とルイスはキョトンとした
一瞬なにか何だか分からず固まっていれば、ルイスは此方を向いた
「 俺の最大中距離魔法が役に立たなかった……どうしたらいい? 」
『 はぁ!?首席で卒業したんだろ!!もっと魔法ないのかよ!? 』
「 馬鹿言え!途中から脳筋になったから、後は氷らせる魔法しかない! 」
『 なら接近戦って言えよ!! 』
仕方無い、俺が突っ込めばいいんだろって告げればルイスはそれを援護するように足元を氷らせて行く
『 グァッ!! 』
「 この程度か、子犬風情が!! 」
『 !!? 』
氷の矢と同じ様に飛び掛かった俺は金狼が吠えた事で、壁のような物に弾き返され身体は吹き飛び、空中で体勢を整え、地面へと降り立てば
身体の違和感に気付き、口から血を吐き出した
『 ガハッ!! 』
「 リアン!!? 」
これは、シルバーウルフなんて比じゃ無いぐらいに強いんじゃないか
だって、近付くことすら出来ないのに身体中に針が刺さった痛みが走ったのだからな……
どんな、能力だよ……
3
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