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一章 聖獣への道のり編
7話 味方になるらしい
しおりを挟む数日分の食糧を鞄に積めたファルクは
他の者達に挨拶すること無く、ウルリヒ盗賊団から正真正銘、抜けた
着けていた骨の仮面を置き、服装すら旅人へと変わった彼は、俺に行き先を告げること無く歩き出す
「 中に入っていていいんだよ?ロルフも歩く必要はない 」
『 いや、歩く。御前が歩くなら何処までも…… 』
中に入って姿を消すのは簡単だが、一人歩かせてるのは気に入らない
乾燥地帯の砂煙が横風と共に吹き付ける中で、彼はマントを口元に当て、顔を隠しては目元を細めた
ありがと、そう呟いた彼の徒歩に合わせるまま脚を進めていく
コカトリスが居るならこんな場所は簡単に、過ぎることが出るのだが、人の脚は遅く
少しでも先に歩けばファルクは脚を止めていた
それだけ横風が強いことに、前を見て進むことすら困難なんだ
「 全然、進んでる気がしない 」
『 進んでないからな。時間は経過してる 』
「 普段はこんな吹き付けてないのに、なんでフォーサイス王国の方は、砂だらけになってるんだよ 」
フォーサイス王国に行こうとしてたのか?
その言葉に驚き、行く方面を見た後にファルクの横へと戻り身体を合わせる
『 乗れ、その方が速い 』
「 いいのか? 」
『 あぁ、その代わり魔力を食らうからな 』
走る分だけ貰うと、告げた俺に上等だとばかりにファルクは背中へと手を当て跨げば背に乗った
「 好きなだけ食え、俺の魔力が消費するまで出来るだけ走ってこの砂の壁を越えてくれ 」
『 ……風よ、我に駆け抜ける力を、水よ、地の水脈を導け、月よ、この身に宿る本能を呼び覚ませ 』
分かったと告げた俺は、ルイスの時に知った魔法を唱え始め
太陽も月も見えない、この砂漠の中で足元から凍り付き自らの毛は冷気と共に氷っていく
「( これが、力か!? )」
『 氷狼像 』
魔力を食らった分だけ、自分の身体を氷の彫刻と同じく、フェンリルの姿を得る魔法
力はなく、只壊れるまで動くだけの為に戦闘としては不向きだが、移動手段や威嚇程度には役に立つ
黒い毛並みは白い部分の氷のように透明化をし尖った部分もあれば、砂煙は身体から放つ冷気によって凍り付き、そして地面へと粉雪のように落ちる
横風は無くなり、十分だとばかりに走り始めた
「 ロルフ凄いな!!風のように速い!! 」
『 吹雪が吹き抜ける速度と同じぐらいだが、この大きさなら普段の二倍は速い。舌を咬まないようにな、飛ばすぞ 』
「 はいよ! 」
初めてこの魔法が使えたときは、ルイスが怪我をした時だった
急いで手当てしたい俺は、自らの身体を強化し大きくしては彼を乗せて運んだんだ
" リアン……俺のために、ならないと……魔法が使えないなんて、どれだけ、俺がすきなんだ…… "
" 黙ってくれ、死なせはしない。直ぐに手当てする "
確かに、ルイスの言った通りに俺は主の為でないと魔法は使えないのかも知れない
だが聖獣としてなら其で十分ではないか
自分の欲の為に魔法を使うことが無いのなら、俺はそれでいい
冷たい冷気によって、走る先から凍り付き
俺達の背後には一本の道が出来るもある程度の距離が離れれば遠い場所から消え、砂へと戻っていく
まだ広範囲に渡り影響が出ないほど弱いが、魔力を食らう量が多い俺には、広範囲技なんて出せはしない
『( ……ファルクの様子を見て、長くは無理そうか、速くフォーサイス王国に行こう )』
眉を寄せ、キツそうにするファルクに
此処は急いだ方が良いと思い、
国境を越えて、丸一晩かけ、フォーサイス王国のへと辿り着いた
「 はぁっ、ちょっ、無理…… 」
旅人として入れば、入国は簡単で
俺がいた頃よりスカスカなのは、兵士を戦にやってる方が多く
国の中での見張りが極端に少ないからだろう
こんなにも簡単に入れるのが不思議でならない
それに、俺がいない間にこの国はとても活気を失っている
『( ファルク、宿まで持ちそうか? )』
「 持た、せる……はぁっ、っ…… 」
宿を探す気力が残ってるか分からないが、それでも必死に歩くファルクを心配気に見詰めていれば
鼻につく、知る匂いにすんっと鼻先と耳は動く
「 わっ!!? 」
「 っ…… 」
「 えっ、ちょっ、旅人さん!? 」
角から現れた、マントを着て顔を隠している娘と
ファルクはぶつかれば限界だったのか彼はその場に倒れた
焦る娘と共に、俺の意識も其処で消えた
「( コウガが、何故ここに!? )」
「 えっと、お兄さん!?かな、お兄さん!! 」
魔力がほぼ空になるまで、走るのは止めた方がいいのは経験して分かった
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